働きたくないあなたへ

ストレス過剰な職場で自らを客観視する。年末年始に確認したい5つの項目は

「災」などという何とも禍々しい一文字で表されてしまった2018年。でも、一人ひとりネガティブな面は何かとあったはず。仕事についても「疲れた」「働きたくない」なんて思う部分にきちんと目を向けて、締めくくっておくことは明るい年を迎えるために必要なことかもしれません。ビジネス・経営論からトレンド情報まで、世相を踏まえ幅広く発信するコラムニストで明治大学サービス創新研究所研究員の尾藤克之さんによる“5つの振り返り”の提案です。

●働きたくないあなたへ 01

心の疲れ、じっくり立て直すために

玄関にしめ縄を飾り、暮らしの大切な場所に鏡餅を供え、大晦日は年越しそばを食べて、紅白歌合戦を見ながら除夜の鐘を聞く。元日は初詣やおせち料理でお祝いし、デパートで念願の福袋をゲット。平凡ながらも幸せを実感できる瞬間です。

厚労省(平成30年版自殺対策白書)によれば、平成29年の自殺者数は21,321人となり対前年比576人(約2.6%)の減少であることが明らかになりました。とはいえ、お正月明けは1年のなかで3番目に自殺者が多いことが明らかになっています(1位が夏休み明け、2位が新年度直後)。さらに、何の前触れもなく原因が特定されない場合が少なくありません。

イヤでも仕事始めはやってきます。「もうダメだ」「行きたくない」と思わないためにも、今年1年間の仕事を振り返ってみましょう。私たちは、年末、年始をどのように過ごすことが望ましいのでしょうか。まずは、自らを客観視して、以下の5つのポイントを確認をしてください。筆者なりに考察してみます。

まずは自らを客観視すること

1.仕事に負荷を感じていませんか

ポイント:精神的、肉体的に限界に達していませんか?

仕事と負荷は表裏一体にあります。負荷を感じても、社内の評価や、お客さまの感謝によって乗り越えることができます。しかし、強い負荷が継続したり、乗り越えられない状態が続くなら注意が必要です。精神的、肉体的に悪影響を及ぼしはじめたら働く環境を変えることを考える必要性があるかもしれません。

2.仕事に対する情熱が減退していませんか

ポイント:ストレスを発散したら戻りますか?

多かれ少なかれ、社員は会社に不満をもっているものです。ストレス発散をして新たな気持ちで仕事に取組めば問題はありません。しかし、やる気を減退させる要因は少なくありません。もし、あなたが仕事に疲れ果てて、自分の成長が見込めないと思ったら要注意でしょう。成長が見込めない理由を客観視しなければいけません。

3.日曜の夜になると仕事が憂鬱になりませんか

ポイント:体に変調をきたしている理由はなんですか?

翌日から仕事だと考えると憂鬱になることがあります。体が変調をきたしているなら原因に気づかなくてはいけません。限界なら、体調を考えながら転職活動をしたほうがいい場合も。上司のパワハラ、仕事の負荷、社内の評価。その理由を検証して今後の糧にしなければいけません。置かれた環境を客観視する作業が必要になります。

4.いまの会社でのキャリアに不安がありませんか

ポイント:自分のキャリアをどのように考えていますか?

キャリアを阻む理由は会社によって異なります。上司に気に入られた社員が評価される会社なら、上司に気に入られるように振舞えばいいのですが、年功序列で詰まっている場合には、「昇進・昇格」は期待できないことになります。キャリアは男性有利といわれますが、ミレニアル女子には、きっちり考えてもらいたいものです。

5.会社での人間関係はどんな感じですか

ポイント:社内にあなたの味方はいますか?

人間関係を上手に構築しておくと、余計なストレスを感じなくなります。仕事もスムーズにできるはずです。しかし、人間関係が悪い組織もあります。どのように対処するのが望ましいでしょうか。周囲に話す人がいるなら改善の見込みはあります。とくに「同僚」に話せる人がいたら気持ちはかなり楽になります。あなたの理解者は社内にいますか?

自分を守れるのは自分しかない

法律で社員は守られているように見えますが、それは大企業や上場企業に関してのみ当てはまる話です。会社が開き直ると、社員はなかなか太刀打ちできません。そのため、あらゆる手段を使う可能性があることを覚えておかなくてはいけません。

社員の尊厳を軽んじる人や組織には、時として厳罰で臨む必要があります。その法規制も整いつつありますが、まだ時間が掛かりそうです。仕事に悩みがあったとしても、会社も上司も解決策を提示してはくれません。だから、あなた自身が自らを客観視しなければいけません。

置かれた立場や仕事を客観視することは簡単ではありませんが、この機会に、じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。キャリアを考える上でもムダにはならないはずです。「ミレニアル女子」ファイト!

続きの記事<会社の「いま」が辛い方へ。その状況に至った原因は「なに」ですか?>はこちら

                 

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員。東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。