神山まりあ「恋愛で大喧嘩。初めて感情をストレートに出せた」
●神山まりあロングインタビュー「自然体のひみつ」03
第3回は、ハワイ滞在中、自分を変えるキッカケになったというある”大事件”についてうかがいました。
働き始めて約6カ月。「もう大丈夫。私はここでやっていける」と自信がついた
「ハワイで仕事がしたい」と思い、ワーキングビザを取得してハワイで働き始めたのが大学3年生のとき。運よくハワイ最大のショッピングモールであるアラ・モアナにあるアメリカンイーグルのお店で働き始めたのですが、言葉が通じない、仲間ハズレ、仕事もできないという大ピンチで、いつクビになるかドキドキの毎日でした。
仕事のスタッフは、ほとんどが私のことを仲間と認めてくれていなかったのです。5人いるストアマネージャーのうち1人だけ、トラビスという男の人がすごく優しくしてくれました。たぶんマネージャーという立場から、スタッフ1人が孤立している状態はお店にとっても良くないと思ったんでしょうね。3カ月くらいして、徐々に仕事ができるようになり、トラビスが間に入って他のスタッフとの仲をつなげてくれて、だんだんみんなの輪に入れるようになってきたんです。
5カ月目くらいの時に、キャッシャーを任せられるようになりました。キャッシャーとは、数ある業務の中でも重要度が高いんです。だから、任せられるようになったことがすごくうれしかった。キャッシャーの仕事をするとき、お客さんにクレジットカードをつくってもらう業務もあったんですが、カードをつくる人が多ければ多いほど社内での自分のステータスが上がるんです。
お客さんに「いいカードがありますよ。年会費は無料だし、ポイントは常に2倍! どうですか。カードを作りませんか」って(笑)。
日本とは違う。言いたいことは言葉に出して言わないと伝わらない
転機となったのは、ちょうど半年たったころ。カード契約件数で、月間1位の成績になったんです。そのあたりから、スタッフみんなが私のことを受け入れてくれるようになりました。夜一緒にご飯を食べたり、飲みに行ったりするようになって、すごく嬉しかった。
やっと仲間として認めてもらえた。友達ができた。言いたいことも言える。言わないと伝わらないということもわかった。少しずつだけど、やっと自分の殻を破ることができるようになったんだなって、実感できました。
日本の場合は、「空気を読んで察しろ」という感じがあると思いますが、アメリカの文化ではそれは通じないんですよね。逆に、言わないと「なんで言わないんだ!」ということでケンカになるくらい(笑)。みんなそれぞれ違う人間なんだから、自分の思っていること、考えていることを口に出して、相手に伝えるということはとても大切なんだなと感じました。
「売られたケンカは買わなきゃ!」で取っ組み合い
アメリカで学んだことの1つに、自分の思っていることを伝える、感情を外に出すということがあります。
アメリカでは自分から言葉を発しない限り、伝わりません。日本みたいに「空気を察して」というのはゼロ。嫌だと思ったことをいわないと、それが原因でケンカにまでなるほど。とにかく、がむしゃらにがんばらないと伝わらないって感じです。そんな環境の中にいたので、ずいぶん自分の感情を出せるようになったんですけれど……。
あるとき、人生初の取っ組み合いの大ゲンカをしたんです。ある女の子にいきなり階段からドンって突き落とされて。そのときプツンっと頭の中のなにかが切れた音がして。取っ組み合いの大ゲンカ(笑)。
しかも、ケンカの原因は色恋沙汰。当時、私にはつき合っている彼がいたんですが、彼が私とつき合う前に、私のことを階段から突き落とした女の子と仲良くしていたみたいなんですよ。彼女、彼とつき合うかつき合わないかのところまで行ってたけど、その後、私と彼が知り合いになり、つき合うことになったんです。そのことで逆恨みされたようで、彼と一緒にいるときにその女の子が突然現れて、いきなり階段から突き落とされたんです。
そのころはアメリカに行って一年くらい経っていたし、マインドが日本にいたときと変わっていて、「言いたいことは言わなきゃ!」という感じになっていました。それもあって「売られたケンカは買わなきゃ」と思って。結局、その場にいた彼に止められて終わりましたが(笑)。
でも、私的には自分の感情をそこまでストレートに出せたことが嬉しかったんです。ハワイに来て、変われたなと感じた瞬間でした。今までずっと人の顔色をうかがいながら生きてきた人生だったので。そのケンカをきっかけに、少しずつ自分の感情を外に出せるようになってきました。
- 神山まりあロングインタビュー 全メニューはこちら
- #1 「完璧を目指すよりも、今できることをやればいい」
- #2 「憧れのハワイでの仕事。でも、いじめられて…」
- #3 「恋愛で大喧嘩。初めて感情をストレートに出せた」
- #4 「理想のミスユニバース像ばかりを追いかけていた」
- #5 「結婚も出産も、考えるより先にチャンスをつかむ」
- ●神山まりあさんプロフィール
- 2011ミス・ユニバース・ジャパングランプリ。 2015年に結婚、2016年に男児を出産。 雑誌「VERY」をはじめテレビ、ラジオ、イベントなどで活躍。
- Instagram https://www.instagram.com/mariakamiyama/