PeLuLu×telling,

乙女心をくすぐる、イラストレーター「岡崎マリー」の世界

パステルカラーに、お花や空、そして女の子といったガーリー要素がぎゅっと詰まった岡崎マリーさんのイラスト。そんなイラストの数々には、それぞれ秘められた想いがあった。

●PeLuLu×telling,

 女性ならではの繊細な感性で、様々な美しいプロダクトを生み出す女性クリエイターたち。

 今回は、イラストレーターの岡崎マリーさん。

 柔らかなタッチと優しいカラーリングで描かれる、花や空、そして女の子のイラスト。

 どこか懐かしさを感じる、イラストレーター 岡崎マリーさんの作品たち。

 現在ルミネエストのキャンペーン広告のデザインや個展の開催、オリジナルのプロダクトの製作など、活躍の場を広げている彼女に、各作品への思いを聞いた。

 「子どもの頃から描き続けてきた『女の子』が土台になっています。
 4歳の頃の手作り絵本、小学校の頃に友達と作っていた『りぼん』的な雑誌や付録、中高の頃の友達との手紙交換の絵やひたすらお互いの妄想を描く交換絵日記など。

 その時々にやりたいことを夢中でやっていましたが、思えばほとんどのモチーフは『女の子』でした。
 今自分に起きている事を表現するのが私の中で一番自然な方法なので、絵のほとんどは実体験から生まれるものが多いです」

 「『窓を拭くように、空を拭いてみる。そうすると自分の見たいものが見られる』。そんなイメージがふっと浮かんできました。いつも、どちらかというとネガディヴなところから脱出するというか、そこから自分で変えていくことが「生きてるな」と感じます。意味もなく憂鬱になったり、ちょっとしたことで一喜一憂したり、コロコロ気分が変わったり、自分をコントロールするのは本当に大変だな、と日々思っていて、でもこれは女の人特有なものなのかな?と思ったときに、それに対して何か特別な魅力を感じました」

◆True Colors

 「これを描いていた頃、もう何年も前になりますが、恋愛で、もう本当に髪の毛からも気持ちが溢れちゃうようなイメージがあって……笑。一度イメージが浮かぶと、そのイメージを次の日も保っていられるかが不安で、その日のうちに『描き留める』感覚で描いています。絵を描いて客観的に自分は今こうなんだな、と見ることもあります」

 ー 「2014年に友人が制作したZINE用に描きおろした挿絵です。シェアハウスで自由に暮らす女の子たちがテーマのZINEだったので、人と人とが交差する感じとかじんわり溶け合う感じを意識して描いていた記憶があります。この頃からラメを使いだし、スキャンで出来る光り具合とか印刷したときの変化などを楽しんでいました」

◆Tough swimmer

 ー 「2017年の秋に描いた作品で、その時、本当はできるのに、何を縮こまってるの? という自分へのある思いがあり、水面ギリギリのところで出ようとしている女の子を描きました。いつも思う事ですが、『私はこうだから、きっと無理かな』と自分の範囲を勝手に決めてしまって、実際やってみたらできたりして、『あれ?なんだ出来るじゃん』みたいなことがあります。自分の知らない自分はたくさんいて、何か挑戦する事でそれが発見出来るから、飛び出そう、という気持ちを込めた作品です」

◆WARM BIG COAT

 「先にイメージがあったわけではなく、ちょっとしたラクガキ感覚で描きました。ふとしたときに描いた絵に、新たな発見があったりします。でき上がってから『なんかコートみたいだなぁ』というゆるい感じで、こういうのが制作の合間の気持ちのリセットになったりします」

◆Drama

 「“モノクロにチラっと色”が昔から好きなんです。これは2014年冬の作品ですが、今もモノクロシリーズは続けています。この絵は珍しく文字を入れたくなり、少しストーリー仕立てにしています。観る人がそれぞれのストーリーを想像してくれたらなと思います」

◆with my favori.

 「ハンドメイドアクセサリーブランドのイベントのキービジュアルを制作したときの作品です。(noodさん、sAnさん)イベントのテーマは『Parfum et Fleur(香りとお花)』ブランドのイメージから、可愛くなりすぎず、でも大人すぎず、というところを目指しました。依頼されて描くときは、何を気に入って頼んでくださったのかということを考えるので、自分の特性を再認識することでもあります。依頼してくださった方の要素と、自分の個性とのバランスは本当にいつも難しく、葛藤するポイントですが、仕上がってみると、一人では描けなかったものに仕上がる。それがいつも面白いです」

◆cherish each day

 「これは2016年の春に熊本地震があったときに描いた作品です。何かが起こったときにSNSでこういった発信をすることはあまりなかったのですが、インスタグラムのフォロワーが増えてきて、たまにコメントなどで『絵を見ると元気になる』とか『いつも楽しみにしています』というコメントをいただくようになって。
 この小さな部屋でこもって描いてる絵で、どこかで誰かがそんなふうに思ってくれてることが、なんてすごいことなんだろうと思いました。微力でも、もしかしたら誰かが少し元気になってくれるかも、という思いで描いてすぐにアップしました。私が好きなアーティストの作品を見てパワーがみなぎるように、やっぱりアートってこういう時のためにあるのかな?と思ったりもします」

◆KIMAGURE GIRL

  「今年1月の個展のメインに選んだ作品です。描きながら色を考える絵もありますが、この作品は色からイメージして描いていきました。他の作品にも言える事ですが、表情がつかめない子を描いていることが多いです。そうすることでいろいろな見え方になって面白いかな? と思います。観る人のその時の気分によって見え方が変わるかもしれないし、2回目観たらまた感じ方が変わる。そんな余白を作りたいなと思っています」

◆Summer Dreams

 「ポストカードセットを制作するときに、パターンを集めたポストカードセットを作りたいと思って描いた一枚です。お花を描くのはあまり得意ではなく、いつも気に入ったお花が描けなくて、しっくりきていなかったのですがこれはそれが珍しくうまくいった作品です。黄色の入り方も気に入っています」

 左上から時計回りに

 「FRAMBOISE」「BLUE SALT」「MANGO」「PISTACHIO」

  「1月の個展で展示した作品です。普段の自分の顔色や気分を4種のジェラートのフレーバーに見立てています。真っ白なキャンバスや画用紙に向かうとき、どうしても変な力が入ったり、堅くなったりするので、いつもどれだけ無意識なゆるさを作れるかということを考えています。スポーツでもそうですが、最初は身体も慣れなくて筋肉も固まっているけど、時間が経つと馴染んで、考えなくても身体が動くようになる。それと同じで、最初は『うまく描こう』という気持ちがどこかにあるけど、何枚も運動のように描いているとそのうち良い意味で気の抜けた作品が出来てきます。これはそれを実感した作品です。これからもっとこういったことが出来てくるといいなと思っています」

 自分の思ったことに対して、まっすぐな気持ちでキャンバスに向かうマリーさん。

 「自分の創作欲を満たすように始めた今の活動ですが、作り出すもので周りの人が喜んでくれたり、刺激になったと言われたりすると、本当に心底喜びを感じます。一人で完結する作品ではなく、人との関わりで変わっていく制作をしていきたいなと思っています」

 ガーリーな世界観のイラストの中には、想像以上に大きい、秘められた想いがあった。

  • イラストレーター:岡崎 マリー

  • 多摩美術大学の絵画科を卒業後、雑貨の企画会社に就職。その後広告関係の企画会社に転職。

  • 雑貨デザイナーをしている頃の2010年あたりから会社の仕事と平行して自身の制作を続けており、現在はルミネエストなど駅ビルのキャンペーン広告やヘアサロンのアートワークなどを手掛けるほか、オリジナルのプロダクト制作(MARY,mon raw.)でも活動中。グループ展、個展、イベント参加もしている。

  • Instagram: @marymonraw

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