【ナリ心理学ナリくんお悩み相談】この人を失ったら…どうしたらいい?
●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん【お悩み相談編】
Q:今回のお悩み ↓
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もし、大切な人と付き合えて、この人を失いたくないって思ったら、「失いたくない」って不安に思いながら黙っておくか、最初から我慢せずに「どこにも行かないで!」って言った方がいいですか?
我慢をしないことが自分が幸せでいるためには大事だし、どう転んでも(何があっても)幸せって思うことでラクになると学んだけど、失ったらつらいし、失う不安を抱えたままなのもつらい。これ、どうやって気持ちを切り替えればいいですか?
A:ナリくんのお答え
「大切な人を失うのが怖い」って、実は言葉どおりの意味じゃありません。
ナリです。
「大切な人を失うのが怖い」って言葉には、ものすごくいろんなものが隠れてるんですよね。
言葉どおりの「大切な人を失うのが怖い」って意味ではないんです。実は。
人生を何年か生きていると、この世界にはほぼ「絶対的に決まってること」があることに気づきます。この世界には、どうしたってどうしようもないことがあるということに。
それが大人になるってことだったりするんですが、まず1つめが、「死ぬこと」です。
死なない人間って今のところ、そもそも人間じゃないんですよ(深い!)。人間って、死ぬんです。「私、死なないタイプの人間です!」って人がいたら是非、下のお問い合わせからご連絡ください。国の研究施設に伝えますから。
それともう1つ決まっているのが、「人の気持ちは自分都合では変えられない」ってことです。
悩み相談を受けているとたまに、「身近な人が死ぬこと」についての相談も受けます。
例えばこんなものです。
「88歳になる祖父が病気です。祖父が亡くなることを考えたら悲しくて仕方がないです。つらいです。どうしたらいいですか……」
確かに、おじいちゃんが亡くなるのは悲しいと思います。悲しむこと、悲しめることは、素晴らしいと思いますしね。
ただ、「悲しみすぎる」のはたぶん、おじいさんが亡くなること以外に問題があるんです。悲しいことと、悲しみすぎてつらいことは、似ているようで全然違うからです。
悲しみすぎたり、不安すぎたりするのって本当は…
前者は素直な感情ですが、後者は、「悲しみを利用して他のことから逃げている」んでしょう。悲しみを、利用してる。
だって、おじいちゃんが亡くなることって88年前から大体決まってたわけですよ(おじいちゃんが人間だとするなら)。
88年前から決まってたことが「今さら」そんなにつらくなるのは、さすがに「あざとい!!」です。今さら何言うてんねん!
では、この人は何から逃げるためにおじいちゃんが死ぬことを「悲しみすぎる」のでしょうか。
それはすごく簡単で、人生を思いっきり楽しむことから逃げてます。
やりたいことを、心からやっていないです。
やりたいことやるのって、他人の目やら責任やらを追わなきゃいけないので、実は怖いんですよ。自由には責任が伴いますからね。だから、「人生を最大限楽しまなくていい理由」がほしい、となるんです。
そのために、「今はおじいちゃんが亡くなることで悲しんでいる」という免罪符を自らつくり、自分を説得させているという心理です。
そしておじいちゃんが亡くなったあとは、またほかの悲しみを探します。利用するために。
僕たちのこの人生では、どうしたって「絶対的に決まっていること」があります。それを受け入れられないときっていうのは、それを利用してる可能性が非常に高いです。
最初の質問に戻ります。
人の気持ちをコントロールすることも、自分ではどうしたってできないことの1つです。どうすることもできないことについて悩むのは、その悩みを利用してる可能性があります。
さて、大切な人を失うのが怖くて怖くて仕方ない人は、何から逃げてるんでしょうか?
簡単です。いい女(男)になることから、逃げてますよ。
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