ツレヅレハナコのカラダにいい気がするレシピ 10

夏バテに「いい気がする」、梅干しと厚揚げのレシピ

お酒とお酒に合う食べ物が大好きな人気編集者・ツレヅレハナコさんが綴る「体にいい」(気がする)料理コラム。頭痛、体のだるさ…。体の不調を感じたときに、すぐ作れるオリジナルレシピたち。今回のテーマは、「夏バテ」です。

●ツレヅレハナコのカラダにいい気がするレシピ 10

夏バテ

8月生まれの夏女だけれど、暑いのよりは断然寒いの支持派。
ファッションも服の上にコートを羽織るスタイルが大好きで、
秋から冬、春にかけての気温に合わせたグラデーションで持っている。
夏の何がつまらないって、重ね着のおしゃれができないことだよなあ。
ああ、早くコートを着られる季節になってほしい……、
毎年そう思いながら夏を過ごす。

そんな「寒いの大好き」な身なので、夏はひたすら涼を求める。
クーラーはガンガンだし、朝から晩まで冷たいもの三昧。
朝はアイスコーヒー、昼はそうめん、夜はビールとおつまみ……と、
欲望のままに飲み食いしてきた。
だがしがし、その変化は突然やってきたのだ。

ある夜、いつものように冷ややっこをつまみにビールをプシュッと開け、
プハーッと飲み干そうとしたその瞬間、異変に気付いた。
あれ? ビールが全然おいしくないぞ。
そして、猛烈に食欲が沸かない。
おかしいなあ……と思いつつ冷ややっこをつまもうとするが、
やっぱりどうにも箸が進まないのだ。
この、豆腐さえあれば幸せなはずの私が!

なんだかおかしいと思いつつ、無理やりビールで豆腐を流し込み、
その夜は眠りについた。
翌日、相変わらず食欲もないまま炎天下に仕事へ行き、
先方の担当女性と話をしたついでにその話をすると「夏バテだねえ」と一言。
え? 夏バテ? この体力自慢の私が?

夏バテ = スタミナアップ的な発想をしてしまうのが、
脳内オッサン度数高めならではの悲しさ。
「やっぱり、にんにくとか鰻ですかね」と言うと、
「いやいや、食欲ない人がそんなの食べられないでしょ」と一蹴。
確かに、今の私の胃にはそんなハードなものは収められそうにない。
「ちょっと待ってて」と立ち上がった彼女が手にして持って帰ってきたのが、
瓶にたっぷりと詰まった梅干しだった。

「もともと私は体力がないから夏バテにもなりやすくて。
暑くなると、体調管理のため会社に梅干しを置いているのよ。
これを毎日食べていると、疲れがたまりづらいような気がする」。
聞けば梅干しは疲労回復物質であるクエン酸を多く含んでいるらしい。
なにより、今の私でもキュッと酸味の効いた梅干しならいけるかも!

その後は、打ち合わせテーブルを挟みながら温かいお茶を飲んで梅干しをかじった。
まるで縁側でおしゃべりするおばあちゃんたちみたいだな。
そう思いつつ、帰り道はなんだか元気が出てきたことに驚いた。

だから、今や私の夏にも梅干しが欠かせない。
夜のつまみにも、梅を使ったレパートリーが増えたのでご紹介したい。

「焼き厚揚げの香味梅みそのせ」

●材料

  • 厚揚げ 1

  • 〔香味梅みそ〕

  • 梅干し(果肉がやわらかいもの)4

  • みそ 大さじ2

  • オリーブオイル 大さじ1/2

  • 万能ねぎ 6

  • おろししょうが 1かけ分

 1
 梅干しは種を取り、包丁でたたく。万能ねぎは小口切りにする。

 2
 たたいた梅、みそ、おろししょうが、万能ねぎを混ぜる。

 3
 厚揚げを四つ割にして魚焼きグリルかオーブントースターで焼き、香味うめみそを少しずつのせる。

※多めにできた香味梅みそは冷蔵庫で1週間程度保存可。ごはんにのせたり、オリーブオイルをたしてそうめんやポテトサラダに混ぜたりしてもおいしい。

食と酒と旅を愛する編集者。著書に『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコのじぶん弁当』(小学館)『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの揚げもの天国』(PHP研究所)他。
フォトグラファー。 1974年3月東京生まれ。好きな被写体は人物と料理。暮らし周りを数多く撮影。 著書「人と料理」(アノニマスタジオ)「祝福」(ORGANIC BASE)「まよいながら、ゆれながら」(文・中川ちえ/ミルブックス)「Travel Pictures」(著者名田辺わかな/PIE BOOKS)

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