考察『六本木クラス』最終章直前11話。新は葵でも優香でもなく茂を愛してるのか「長くは待てない、早く来い」
「三ツ星スタジアム」優勝!
『六本木クラス』9月22日の夜9時から第12話が放送。いよいよ残すところあと2話。最終章に突入である。
第11話は、「三ツ星スタジアム」の優勝者決定、フランチャイズの成功と会社の大躍進、新(竹内涼真)と長屋茂(香川照之)の最終対決宣言、麻宮葵(平手友梨奈)のアプローチに心を動かされはじめた新(「バカなこと言いなさんな!」のセリフ最高でしたね)など、盛りだくさんな展開でありながら、最終章に向けて、状況を整えていった。ふりかえってみよう。
料理対決番組「三ツ星スタジアム」は、二代目みやべの綾瀬りく(さとうほなみ)が優勝。
大喜びする新。うぉぉぉぉぉと叫び歓喜する内山亮太(中尾明慶)。
投資も受けられることになった。
敗れた長屋龍二(鈴鹿央士)は、葵にビンタを食らわされ「もう止まれない。葵が、葵がどうしようもなく好きなんだ」と激白するも、葵の返事は「ごめん。無理」。
だが、茂によって「後継者だ」と役員たちに紹介される。
時間がぴょんと飛んで、4年後の2022年。
新の会社RCの立派なビル。
創立メンバーはみんな幹部になり、新はCEOとして多忙だ。
「現場に戻してくださーい」と内山本部長が愚痴る。
葵は、相変わらず、新に恋のアプローチをしている。
が、新も相変わらず、それを受け入れられない。
「やっぱりクビにしますか? そんなに困るんだったらクビにするしかないですよね」
4年たっても関係性は変わっていない。
仕事の功績としての自分の必要性を盾に、恋のアプローチを続けているのだ。
まるで愛の告白
茂が倒れる。癌が見つかり、余命半年だと告げられる。
復讐までのタイムリミットが発動した。
「頭を下げて、裏切って、追い出して、奪って、踏みにじりながら、私の人生すべてをかけて、身を粉にしながら、この長屋を、頂点を極めたこの帝国を、私が、私が築いた」
「頭を下げず」「裏切らず」「追い出さず」にやってきた新と照応する凄い独り言で胸のうちを語る茂。
そこに電話がかかってくる。
新だ。
「おまえが何の用だ」
「体調が良くないそうですね。死ぬんですか?」
「何が言いたい」
「そんな簡単に死なれたら困ります。天罰? 冗談じゃない。あなたに罰を与えるのは、ぼくなんですよ。だから、まだ死ぬな」
楠木優香(新木優子)の愛の告白も、葵の愛の告白もスルーしつづける新のこの熱い言葉。
「私に、生きてほしいと願う唯一の人間がおまえとはな。面白い。私の人生最後の楽しみは、おまえだ」
新の熱い言葉に「人生最後の楽しみはおまえだ」と、茂も熱い言葉で応じる。相思相憎だ。
愛を“あいてのことを強く思いやること”と定義するならば、これはまるで愛の告白。
新が愛のように濃い人間関係を結べる唯一の人間は、復讐の相手である茂だけなのだ(いまのところは)。
「近いうちにお伺いします」
「長くは待てない。早く来い」
遠距離恋愛の会話かッ。
第12話からいよいよ最終章、またあの男、ダークキューピッド長屋龍河(早乙女太一)が動き出す。
毎週木曜よる9時〜
出演:竹内涼真、新木優子、平手友梨奈、早乙女太一、香川照之、稲森いずみ 他
脚本:徳尾浩司
音楽:髙見優
主題歌:[Alexandros]『Baby's Alright』
監督:田村直己、樹下直美 他
ゼネラルプロデューサー:横地郁英
プロデューサー:大江達樹、西山隆一、菊池誠(アズバーズ)
原作:チョ・グァンジン『六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~』(『ピッコマ』掲載中)、テレビシリーズ『梨泰院クラス』(JTBC)
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