少人数で楽しい、ソロプレイも充実『はぁって言うゲーム』作者・米光一成のおすすめボードゲーム5選

なかなか終わらないコロナ禍のなかで、ステイホーム最強のエンターテインメントとして注目を浴びているのがボードゲーム。今回は「1人から楽しく遊べる」ボードゲームを中心に、『ラヴィット!』『さんまのまんま』などのバラエティ番組にも登場のヒットゲーム『はぁって言うゲーム』の作者・米光一成に、自らの新作を含む5作品を紹介してもらいました。

ボードゲームで群れずに楽しむ

2022年、コロナ禍になって二度目の正月を迎えた。マスクや換気など感染対策について学び、注意しながら生活している。研究も進み、ワクチン接種や飲み薬のニュースも耳に届く。感染数の急増、オミクロン株の出現に対しても、われわれは、以前よりはるかに対応できるよう少しずつ学んできたはずだ。
出口のない未知への不安ではなく、長期戦ではあるが未来を見通しながら進んでいくことができる。
だからこそ第6波の拡がりを可能な限り抑えるように慎重に行動すべきだろう。できるだけ群れない。群れずに楽しむ。
そこで、ステイホームしながら、1人もしくは2人などの少人数で楽しめるボードゲームを紹介しよう。

占いと瞑想のタロットゲーム『荒野へ』で運命を切り開く

『荒野へ-The Game of Tarot』ゲームの結果で占えるタロットのゲーム

『荒野へ-The Game of Tarot』は、タロットカードを使ったゲームであり、占いであり、瞑想であり、儀式である。
22枚のカードを山にして(これを「闇山」と呼ぶ)、カードを引いて手札にし、ルールに従ってテーブルの上(荒野と呼ぶ)に出していく。「未来の血」「自分の血」と呼ばれる赤いチップを移動させながら、すべてのカードを荒野に出し切れば達成。
カードの並び方で「タロット占い」ができる。自分が考えて出したカードの配置なので、占いの結果が「運命」というよりも、運命を切り開く方法を示唆してくれているように感じられるところがポイントだ。
ひとりで遊べるゲームだが、2人の協力プレイもできる。ふたりの相性や未来を占うこともできるのでカップルや友達で遊ぶとドキドキ楽しめる。

『荒野へ-The Game of Tarot』(作:米光一成)
対象年齢:14才~
プレイ人数:1~2人
プレイ時間:10~30分

楽、驚、幸、悲、笑…『ZENタイル』の「気持ち碁石」で自分を褒める

『ZENタイル ベーシック』一日の気持ちを振り返る癒やしのツール=榎本紀久撮影

『ZENタイル ベーシック』は、一日を振り返るツールだ。定規のような「時間ボード」と、気持ちを漢字ひとつで示した20個の「気持ち碁石」を使って、ゲーム感覚で楽しめる。
「気持ち碁石」をめくると、そこには漢字が描いてある。楽、驚、味、幸、悲、笑などなど。そこに描かれている漢字の気持ちになったときを思い出して、その時刻のところに「気持ち碁石」を置く。これを繰り返して10個の気持ちを配置する。最後に「自分を褒めよう」と思えるところにおはじきを置く。自分の気持ちの変化を可視化して、振り返る。ちょっと心が軽くなるゲームだ。

『ZENタイル ベーシック』(作:川口洋一郎 だんらんゲームズ)
対象年齢:12才~
プレイ人数:1~4人
プレイ時間:15分

かわいい言葉の当てっこゲーム『あいうえバトル』は単純だけど深い

『あいうえバトル』言葉の当てっこゲーム。お題「スイーツ」でプレイ中

『はぁって言うゲーム』が大ヒット中の米光一成の新作『あいうえバトル』は、言葉の当てっこゲーム。プレイ人数は2人から6人。お題を決めたら、かわいいキャラクター「ちょっかんくん」に言葉を書いて隠す。「あいうえボード」を使って1文字ずつジワジワ当てっこするシンプルなゲームだ。
たとえば、写真は、お題「スイーツ」で2人対戦をやってみたときの様子。さっきまで2文字目の「ぬ」しか開いてなかったのでさっぱり判らなかったが、3文字目の「れ」も当てたので「?ぬれ????」で、答えはおそらく「かぬれ」だ。だが、自分の答えもだいぶ当てられているので相手が気づいて先に全部開かれてしまうかもしれない。
単語を推理しながら1文字ずつ当てていくスリルと、当てたときの爽快感、最後に逆転劇が起こるメカニクスが効いていて盛り上がるゲームだ。

『あいうえバトル』(作:米光一成 アートワーク:クボナオ/Anaguma)
対象年齢:10才~
プレイ人数:2~6人
プレイ時間:15分

1人が楽しい『頭脳パズル 宝の地図』をコーヒータイムのお供に

『ライナー・クニツィアの頭脳パズル 宝の地図』1人でじっくりと解く楽しさ

ボードゲーム界の巨匠ライナー・クニツィアの作品。50問の地図シートが有り、その上に8枚の宝の地図タイルを配置する。地図シートにはいくつかの記号が描かれてあって、その条件を満たした配置を見つけ出すパズルだ。
たとえば1問目。タイルを置く空白は1つ。矢印が描かれているので、同じ向きの矢印が描かれているタイルを配置する。1枚なら簡単だ。2問目、3問目と進んでいくと、タイルを置く空白が増えてくる。地図タイルのうねった道のつながりを考えて、どのタイルをどの向きでどう置くか悩む。
地味だけど、ひとり、静かにコーヒーでも飲みながら悩むのは楽しい。
ライナー・クニツィアは多作で、他にも『バトルライン』『ロストシティ』といった2人用ゲームの傑作も手掛けている。オススメ。

『ライナー・クニツィアの頭脳パズル:宝の地図』(作:ライナー・クニツィア 販売元:ホビージャパン)
対象年齢:8才~
プレイ人数:1人
プレイ時間:20分

『パンデミック』の脅威から世界を救う協力ゲーム

力を合わせて感染から世界を救う『パンデミック』が熱い

最後に紹介するのは『パンデミック:新たなる試練 日本語版』。パンデミック(感染爆発)に立ち向かうエキスパートとなり、世界を救うために協力するゲームだ。感染カードをめくって、世界地図のボードに感染状況を作り出す。この世界は4種類の病原菌に襲われているという設定で、感染カードをめくるたびに病原菌コマが配置されていく。都市にコマが4つ以上置かれるとアウトブレイクが起きて、周辺の都市に病原菌コマが追加されてしまう。アウトブレイクが連鎖することもあるので要注意。この4種類の病原体の蔓延を抑えながら、治療薬を発見することがプレイヤーの目的だ。

ルールの中で、懸命にベストの選択を繰り返す。結果として間違った手を打つこともあるが、選択し、決断し、諦めず世界を守ろうとすることで、ウィズコロナの世界を生き抜く知恵を学べるゲームだ。

『パンデミック:新たなる試練 日本語版』(作:マット・リーコック&トム・レーマン 販売元:ホビージャパン)
対象年齢:8才~
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:45分

ゲーム作家。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「はぁって言うゲーム」「記憶交換ノ儀式」等。デジタルハリウッド大学教授。池袋コミュニティ・カレッジ「表現道場」の道場主。
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