Netflix『ジェラルドのゲーム』が空気階段の優勝コントみたいな設定だ！

●熱烈鑑賞Netflix 88

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空気階段の優勝コントが映画に？

「キングオブコント2021」（10月2日 TBS）最高だった。
優勝は、空気階段。水川かたまりさんと鈴木もぐらさん。
歴代最高得点を取ったのは空気階段の１本目のネタ。
いきなり、椅子に縛られていパンツいっちょの水川かたまりさんがいる。目隠しをしている。続いて現れる鈴木もぐらさんも、パンツいっちょで縛られて、顔はストッキングを履いている。
女王様とのプレイの最中に火事になったという設定だ。
縛られた二人の大活躍で炎の中から脱出するスペクタクルなコント。

98,97,97,97,97、合計486点。
審査委員、かまいたちの山内さんが「映画一本見たぐらいの充実感があって」と言っていた。

そう、映画化されています！
嘘です。
でも、あの伝説のコントのハリウッド映画版だと言われれば「そうかも！」と騙される人がいるんじゃないかと思うような映画があるのです。
『ジェラルドのゲーム』。
原作はホラー小説の帝王スティーブン・キング。
主人公は女性。

錠で拘束されて身動きが取れない

倦怠期をむかえている夫婦は、いっちょ気分転換して若き日の興奮を取り戻そうと、人里離れた湖の畔にある別荘へ。
食料（神戸直送の高級牛肉！）もたっぷり用意して、誰にも邪魔されない状況を整えた。
旦那のジェラルドはバイアグラを飲む。
さらにジェラルドが取り出すのは、２組の手錠だ。

「本物の手錠じゃなきゃ。おもちゃじゃ力を入れたら壊れる」
「そうよね」
「きっと気に入る」

刺激を求めて、妻のジェシーの両手をバンザイさせて、ベッドのポールに手錠で拘束する。
「動いてごらん」
旦那のジェラルドは、役になりきってノリノリで迫ってくる。設定をとうとうと喋り、「叫びたければ叫ぶがいい」と、ジェシーに叫ばせようとする。
ジェシーはノレず。やっぱりやめてと言い出す。

「いいかげんにして。手錠を外して」
「まさか、それもプレイなのか」
拒絶するジェシー。喧嘩になってしまう。
ジェラルドは、それでも手錠を外さず、彼女の上に乗る。
だが、様子が変だ。うぐぐと唸る。

「あなた、どうしたの？　笑えないわ」
と言ってる間に、ジェラルドは心臓発作で亡くなってしまう。
彼女の上に覆いかぶさる死んだジェラルド。
足で、持ち上げて、「起きてよ！」と叫ぶが、ドンとベットの下に落ちる。
残されたジェシーは、乱れたスリップ姿のままベッドに手錠で拘束されて身動きが取れない。
「うそよ！」

予想以上の悪夢的大展開

ここまで約15分、残りの１時間ちょいは、ベッドに縛られて身動きできないジェシーの脱出劇だ。
いくら叫ぼうとも、近隣にはひとっこひとりいない。
回想場面はあるが、究極のリミテッドシチュエーション。
スリップ姿でベットに手錠で身動きできず。横に夫の死体。

最悪のシチュエーションだろう。
部屋の中に入ってきた野犬が、夫の死体を貪り始めて、最悪最悪最悪。
幻覚が見え始め、過去の忌まわしい記憶も蘇る。

いやはや、ベッドから動けない状態でどうやってドラマを展開させるのかと思いきや、予想以上の悪夢的大展開をみせるのだ。
ジェシーは脱出できるのか。父親と旦那、男ふたりの束縛から抜け出せるのか。どこまでが幻覚でどこから現実なのか。
空気階段のコントが好きな人にもオススメです（『ジェラルドのゲーム』のほうにはあんなに笑う場面はないけどね）。