熱烈鑑賞Netflix

Netflix『クリックベイト』がヤバい「視聴回数500万で死ぬ」予告動画にさらされた男の運命は?

世界最大の動画配信サービス、Netflix。いつでもどこでも好きなときに好きなだけ見られる、毎日の生活に欠かせないサービスになりつつあります。そこで、自他共に認めるNetflix大好きライターが膨大な作品のなかから今すぐみるべき、ドラマ、映画、リアリティショーを厳選します。今回ご紹介するのは、クライムミステリードラマ『クリックベイト』。それぞれのエピソードがタイトルの人物をメインに展開され、デジタル社会の恐ろしさをあらためて感じること間違いなし!

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発端から猛スピードで展開

「私は女を虐待してる。視聴回数500万で死ぬ」と書かれたボードを掲げた兄を、ネット動画で見つける。
兄は、額から血を流し、縛られている。
しかも、アクセス数がぐんぐん伸びる。
どういうこと!?
という発端から、猛スピードで展開していくドラマ『クリックベイト』、大傑作。
後半のどんでん返しの連続が凄いので、5話目ぐらいからは展開予想しながら観ると面白さ倍増。予想の斜め上をガンガン突っ走るうえに、説得力がある展開に唸る。

各話ごとに焦点人物が決まっていて、その構成も見事。
1話 妹
2話 刑事
3話 妻
4話 愛人
5話 記者
6話 兄
7話 息子
8話 答え

全8話のリミテッドシリーズ。
最終話のタイトルが「答え THE ANSWER」なのも「みなさん、答えが予測つきますか?」っていう製作者陣の挑戦状、もしくは自信の現れだろう。
焦点人物が違うことで、各話のトーンが微妙に変化するのもグイグイ引き込まれる要因のひとつだ。

「ネットの闇」がキー

1話は、「視聴回数500万で死ぬ」の驚愕動画を発見した妹が焦点人物。金髪でおかっぱ頭だ。職場の大学に行くが兄はいない。妻のところへ行く。警察にも行く(例によって警察はなかなか動いてくれない)。ネットオタクの高校生にも兄を見つける手助けを乞う。ガンガン行動する。
ネットマニアの集合知で重要なヒントが見つかり、警察も動きはじめる。記者がやってきて、カメラを向け「彼の告白は真実?」などと突撃してくる。アクセス数は非情にもどんどん伸びていく。バズってしまう。タイムリミット!(しかも、このタイムリミットをだらだらと先延ばしにしない展開も早ッ)

この妹が、ちょとイラっとしちゃうガサツなキャラクターなんだけど、そのおかげで展開が停滞せずテンポよく進む。ガサツだからそこ勝手に入っちゃいますね、って、1話に3話ぶんぐらいの濃縮度で展開していくのだ。

兄の妻ソフィー・ブルーワーを演じるのはベッティ・ガブリエル。Netflixシリーズ『クリックベイト』独占配信中

とにかくテンポの良さを重視していて、ネット検索で簡単に判明しすぎる場面が3回ぐらいあるのだが、「ぐだぐだ遠回りして調べてテンポが落ちる」よりも何百倍も気持ちいい。
「GeoNicking」というニックを探すためのサイトも立ち上がったり、デートアプリで意外な人物がつながっていたりと、「ネットの闇」がキーとなっていく。事件の影響範囲は拡がり、マスコミも嗅ぎまわり、兄や、その妻の過去や過ちが暴かれていく。
妹を演じるのは、『ルビー・スパークス』『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』のゾーイ・カザン。兄の妻を演じるのが『ゲット・アウト』のベッティ・ガブリエルで、めちゃくちゃ存在感あります。

イッキ観必至のサスペンスだけど、印象に残るエピソードが見る人によって違うのも『クリックベイト』の特徴だろう。
スクープをとりたくて、どんどん闇落ちしていく記者を描いた第5話「記者」に、ぼくはグッときた。

2021年、オーストラリア作品。
原作・制作は、『グリッチ』『ステートレスー彷徨の行方—』のトニー・エアーズと、クリスチャン・ホワイト。
監督は、『フラクチャート』『ベイルート』『マシニスト』『ザ・コール 緊急通報指令室』のブラッド・アンダーソン。

各話によって印象が異なりながら、まるごとジェットコースタームービー的なドラマとしてまとまっている奇跡。構成の妙と、伏線ちゃんと貼ってたかどうかの確認で、もう一度観たくなる。

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ゲーム作家。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「はぁって言うゲーム」「記憶交換ノ儀式」等。デジタルハリウッド大学教授。池袋コミュニティ・カレッジ「表現道場」の道場主。
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