Netflix『赤ちゃんを科学する』でわかった！嘘や適当な言葉で赤ちゃんは混乱する

●熱烈鑑賞Netflix 82

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Netflixで配信されている人気シリーズ『赤ちゃんを科学する』。計12のエピソードでは、様々な赤ちゃんに関する実験が行われており、どれも興味深い。
「実験」と言葉だけだと小難しく、赤ちゃんにはちょっと残酷なようにも感じてしまうが、なんのことはない。ただ赤ちゃんたちが楽しく遊んでいたり、何かに夢中になっている様を観察するだけ。その様子は、なんの実験だったのかを忘れてしまうほど可愛らしい。

赤ちゃんは賢いか

当たり前だが、赤ちゃんは何も知識を持たずに生まれてくる。日々様々なものを目にして様々な知識を吸収していく。漠然と「赤ちゃんは賢くはない」と思っていたが、学ぼうとする意欲の高い生き物だと気付かされた。

パート2のエピソード1で紹介された実験では、赤ちゃんの「予想する力」が実証された。まず、赤ちゃんの目の前に箱を置き、ブロックを置く。そのブロックを前後左右に動かすと、赤ちゃんは最初こそぼーっと見ていたものの、すぐに飽きて目を散らしてしまった。

次に、同じシチュエーションからブロックを箱の外へと押し出す。通常ならばブロックは落下するはずが、なぜか（手品で）ブロックは宙に浮いてしまう。これを見た赤ちゃんは、目を丸くしてブロックを注視していた。この結果、赤ちゃんは重力を理解していること、そして経験則から自分の中で常識をすでに作り上げていることがわかった。ちなみに、この時の驚愕した表情の赤ちゃんは、とんでもなく可愛い。

この実験を知っているのと知っていないのでは、子育て感じ方も変わっているはずだ。僕の長男は、0歳の時何度注意しても水やお皿をテーブルから落とし、その度に大笑いしていた。片付けても片付けても散らかしては爆笑する息子に、僕は強いストレスを感じていた。

だが、今思うと息子は実験をしていたのだ。水の飛び散り方、皿が落下したときの音などを学んでいたのだ。当時の僕が『赤ちゃんを科学する』を観ていたら、もう少し子育てが楽になっていただろう。「ふざけて遊んでる」と「遊んで学んでる」では、親が受けるストレスは全く違うからだ。

言葉を覚えるメカニズムと、やってはいけないこと

赤ちゃんが言葉を覚えるためには、経験則と消去法が必要になってくるという。例えば母親が「犬だよ」と教えたときに、犬と骨とオモチャがあった場合、赤ちゃんはどれが犬かを認識することができない。しかし、その後に犬と自転車とおじいさんがいる時に「犬だよ」と声をかけると、最初に犬を見た時の骨とオモチャ、そして今見ている自転車とおじいさんを消去法で外して、犬を認識するという。

もちろんこれはシンプルな例えで、実際は「雨が降っていた」「暑かった」「お腹が減っていた」「眠かった」など、赤ちゃんは様々な要素がある中で「犬だよ！」を聞いているため、一度や二度で覚えることはできない。いくら赤ちゃんが無反応だったとしても、犬を見るたびに「犬だよ」、月を見るたびに「お月様だよ」と話しかけてあげることが大事になってくるのだろう。

逆に、赤ちゃんが意味がわからないからといって、嘘をついたり適当な言葉を投げかけると、赤ちゃんは混乱してしまう。うちの父親が昔、生まれたての僕の長男に「私がママだよ～」と気持ちの悪い冗談を言っていたが、あれは最悪だったのだ。言葉を覚えていない時期だからこそ、親や周囲の言葉選びは大事になってくる。

赤ちゃんと大人は似ている

他にも、「母親が笑顔で話しかけた時、真顔で話しかけた時、真顔で無視した時の赤ちゃんの反応の違い」「物を落としたら拾ってくれるか？」「人形劇に出てきたヒーローと悪役、どっちの人形を欲しがるか？」などなど、毎回様々な実験に挑戦。どの実験でもためになる結果が出ているし、どの赤ちゃんも本当に可愛いので飽きが来ない。

総じて一番強く感じたのは、赤ちゃんは僕たち大人と似ているということだ。赤ちゃんは何も知らないまっさらな状態で生まれてくる。そんな赤ちゃんを知ることで、人間という生き物の本質もうっすらと見えてくる。あ、なんか赤ちゃんの気持ちわかる、となった視聴者は僕だけではないはずだ。そうなったら子育てももうちょっとうまくいく気がする。