中村蒼さん「勝地涼さんに助けられたコミカルな役どころ。『ネメシス』最終回は“仕掛け”に注目です」

6月13日に最終回を迎える『ネメシス』(日本テレビ)は、「探偵事務所ネメシス」のポンコツ探偵・風真尚希(桜井翔)と天才すぎる助手・美神アンナ(広瀬すず)が助け合いながら、難事件に挑む一話完結のミステリー。探偵事務所と対立する神奈川県警捜査一課の刑事、四万十勇次を演じる中村蒼さんに、最終回の見どころをうかがいました。

連続ドラマとしてはめずらしい最終回に

ーー豪華な俳優陣が話題になった「ネメシス」ですが、ついに613日に最終回を迎えます。入江悠監督が「最終話に向けてすごい仕掛けがある」と放送前からコメントを出していましたが、見どころはどこにあるのでしょうか?

中村蒼さん(以下、中村): これまでに出演したキャラクターが集まって最後の事件に挑みます。各回で出演する俳優さんたちが再集結するのは、連続ドラマの最終回としてもめずらしいのではないでしょうか。1話完結ながら、全てが繋がっていくので、壮大な構成になっていると思います。タカ(勝地涼)と僕が演じるユージのバディは、アクションなどいつもと違う面を見せていて、これまでにない活躍をしているので注目してほしいです。 

ーー共演したみなさんの印象はいかがですか?

中村: 本当に豪華で、参加できたことをありがたく思っています。櫻井翔さんは、隙のない完璧な方だと勝手にイメージしていたのですが、実際は少し違いました。もちろんすごくしっかりした方なのですが、どこかチャーミングな部分があるんですよ。例えば、共演者の誰かが「これをやったら体調がよくなった」という話をすると、すぐにそれを実践して、次の日にはその感想を言ったりするんです。探究心と行動力を持っていて、そのうえで人懐っこい部分もあって、すごく魅力的な方です。

江口洋介さん(栗田一秋役)はオープンで明るくて、こんな俳優になりたいと思うくらい気持ちのいい先輩です。演技についてはストイックで、誰よりも監督さんに質問をしているところをお見かけしました。あれだけすごい経験をされているのに、いい意味で全く慣れていない。ちゃんと不安を持ったまま、新しいことにチャレンジする向上心を持った方です。

広瀬すずさんは、じっくり話す機会があったわけではないのですが、さすがトップを走る女優さんだと感じました。このメンバーの中で、何カ月も中心に立ち続けるだけでもすごいのに、そこにいるだけで周りを明るくするパワーを持っているんです。一緒に演じてみて、改めて実力を感じました。

コミカルな役に最後の最後まで試行錯誤

ーー勝地涼さんとは、ちょっと癖のある刑事コンビ・タカとユージを演じていますね。

中村: ここまでコミカルな役をあまり演じてこなかったので、いつも一緒にいた勝地さんにはかなり助けられました。タカとユージは自由な演技をさせていただいているのでアドリブだと思われがちなのですが、事前にすべて2人で話し合って決めています。動き方やセリフの言い方について、毎日毎日ああしようこうしようって。入江監督は自由にやっているのをよしとして見守ってくれるのですが、たまにやりすぎてしまって止めてもらいました(笑)。

ーーコミカルな役どころには慣れましたか?

中村: 最後の最後まで試行錯誤でした(笑)。役をいただいたときは、「シリアスなドラマにたまに登場するおもしろくて個性的な2人組」だと認識していたんです。でも始まってみたら、メインの御三方もみんな個性が強くておもしろいキャラクターばかり。なのでコミカルにしつつ、ダンディさも強めた方が際立つかなとか、笑いを狙いすぎると浮いてしまうとか、いろいろ考えました。

回を重ねるにつれて、ストーリーのシリアス度が増していったので、タカとユージはそれに合わせて変化していった感じですね。そういう意味では、第3話の八景島シーパラダイスの話は転機になりました。タカとユージが初めて事件に本格的に関わるのですが、夜にみんなで集まって犯人逮捕に向かう雰囲気はすごく好きです。

ーー中村さんのブログで、「美術さんのこだわりがすごい」とありました。

中村: そうなんですよ。チラっと映る看板の文言だったり、ちょっとしたユーモアが溢れてるんです。この前、ネメシス探偵事務所に初めて行ったのですが、絶対映ってないだろというところまで美術スタッフさんが細かく作り込んでいました。一回見ただけじゃ見つけられないようなこだわりがたくさんあるので、ぜひ注目してもらいたいです。こだわりが異常でした(笑)。

これまでの10年に自信を持って、これからの10年を……

ーープライベートな質問も少し。お忙しいと思いますが、家では最近何をされているのですか?

中村: 子どもが小さいのでほとんど自分の時間がないんですよ。バタバタしている間に1日が終わってしまうので、寝る前にNetflixで映画やドラマを1.5倍速で観ています(笑)。

ーーやっぱり家ではパパなんですね。

中村: 自分ではちゃんとできているのか不安ですけど(笑)。ただ、本人たちがやりたいことを素直に応援できる父親にはなりたいですね。例えダメと思っても、頭ごなしに怒るようなことはしないようにしたいです。

ーー今年で30歳になりましたが、目標はありますか?

中村: もともと不安なことに目を向けがちな性格なので、「10年後は大丈夫かな」と思ってしまいます(笑)。ですが、20歳からの10年間で素敵な人と素敵なお仕事をたくさんさせていただいたので、この10年間に自信を持っています。何かに固執せずに、求められた役を一生懸命やっていきたいです。仕事もプライベートも、余裕を持って楽しめたらと思います。

 

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
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