鳥越裕貴さん「『30歳までに結婚したい』と思ってたけど、現実はそんなに甘くない」
20代後半、美容を意識するように
――愛用している美容液の写真を、インスタグラムに投稿していました。いつから美容に気をつかっているのですか。
鳥越裕貴さん: 俳優の先輩から、「25歳を過ぎたころから色々くるぞ」って聞いていたのもあって、20代後半からケアするようになりました。知り合いにおばちゃんが多くて「なんでそんな肌綺麗なんですか」って聞いたら「金かけてるからよ」と言われたこともあって。
ノーメイクで出演する舞台もあるので、綺麗に越したことはないと思っています。どれがいいのか周りの人に聞いて手を出しているうちに、どんどんのめり込みました(笑)。
僕はイケメンに紛れているゴミみたいなものなので、せめて「肌は若手よりも綺麗やぞ」って主張したいです(笑)。
――肌のケアだけでなく、筋トレもすごくされてますよね。
鳥越: 上半身裸で舞台に出る機会があったので、その時から鍛え始めました。今は縄跳びだけですが、毎日やっています。
体のバランスを考えると、あんまり鍛えすぎるのもよくないらしいんです。縄跳びはボクサーもやってるくらいだから、全身にいいかなと。筋肉と会話するのが大事なんですよね……長くなるので、このくらいにしておきます(笑)。
――美容に力を入れる理由は?
鳥越: 年を取ったらおじさんの役もやりたいですが、僕は童顔なので若々しさを保つのも大事かなと。できることの幅を広げるためですね。なんか喋ってて恥ずかしくなってきました(笑)。
自分が受け継いだものを、下の世代に届けたい
――今後、目指す姿はありますか?
鳥越: 僕は平成生まれなんですけれど、まわりには昭和生まれの先輩が多いんです。「古い」と言われるかもしれないけど、僕の中ではかっこいいというか……好きなんですよね。そういう上の世代に仕込まれてきた人間なので、僕が受け継いだものを、下の子たちにも届けられる人になりたいです。それが、自分の役目なのかな、と。
――鳥越さんが受け継いだものとは?
鳥越: 酒クズ……つまり「飲んべえ」が多い。飲んで熱くなって話して、二日酔いでも稽古に来る。そして稽古を終えて、また飲む――それが先輩から教わってきたことでした。
僕、お酒が好きなんです。本当は生ビールが好きなんですけれど、体のことも考えて最近はハイボールかレモンサワーにしております(笑)。
それはさておき大概、朝までコースなので、そういうところは後輩にも伝えていきたいですね。今はコロナがあって飲み会ができないのが残念ですが。一時期はオンライン飲み会もやりましたが、やっぱり直接飲むのが一番。
――演劇好きの鳥越さんが考える、リアルの良さとは?
鳥越: 昨年春、コロナ禍で半年以上もリアルで上演する舞台に立てなくて。俳優になってから初めての経験でした。そんな中、ありがたいことにお仕事をいただいて、昨年6月に下北沢本多劇場から舞台をオンラインで配信したんです。2人芝居をやらせてもらったのですが、感じたのは「物足りなさ」。無観客の舞台に立ってみて「お客さんが満員の劇場ほど、そそるものはないな」と思ったし、「いつか満員で、ここに立ちたいな」っていう新たな夢もできたくらい。
僕、劇場という“空間”が本当に好きなんです。お客さんの反応はもちろんですが、舞台上から見る袖の景色、照明や仕掛け……。自分が観客の立場で、座ったときの椅子の感じも好き。劇場って“おもちゃ”がいっぱいある。こんなにワクワクさせてくれる空間は、本当に素敵だし、やっぱり舞台はリアルで届けられることが一番だと感じましたね。
30歳。ここからが、役者としての本当の勝負
――3月31日に30歳になったばかり。20代後半、例えば「結婚したい」とか、何か焦ったことはありましたか。
鳥越: 「30歳までに結婚したい」と昔は思っていましたけれども、「現実はそんな甘いものじゃない」というのを、大人になって知りました。あ、結婚相手は募集していますよ!愛嬌がある子が好きです(笑)。
――30歳の受け止めと今後の目標を教えてください。
鳥越: 「ようやくか」という感じです。これから先、下の子らはどんどん増えていきますし、力もついてくる。それに負けない演技力と演劇魂を持っていたいです。30歳からは、活躍できる人も限られてくるし、その分濃い人間ばかりになってくる。ここからが役者としての本当の勝負だと思っています。
「30歳で」というよりは毎年なんですが、コツコツ頑張る、焦りすぎない、目の前のことをちゃんとクリアしていくこと。それは常に掲げていることです。そうやって積み上げていって「30代後半で売れたい」というのが、ずっと持っている目標ですね。そのために今、一つ一つのことを頑張っていこうと思っています。
●鳥越裕貴さんのプロフィール
1991年、大阪府生まれ。2010年、舞台『イナズマイレブン』で初舞台。舞台『弱虫ペダル』(12~15年)やミュージカル『刀剣乱舞』(16年~)など、数多く出演。
●舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』
架空の都市「ヨコハマ」で文豪の名を懐(いだ)くキャラクターたちが繰り広げる異能力アクションバトル。漫画は現在20 巻まで刊行で、シリーズ累計800 万部を突破。2017 年12 月の『文豪ストレイドッグス』をはじめ、『文豪ストレイドッグス 黒の時代』(18年)、『文豪ストレイドッグス 三社鼎立』(19年)、『文豪ストレイドッグス 序 探偵社設立秘話・太宰治の入社試験』(20年)の4作品が舞台化され、今作で5回目となる。原作者の朝霧カフカさんが、初めて脚本を手がけた。4月16日から大阪、23日から東京で、それぞれ上演される。
脚本:朝霧カフカ 脚本協力:内田裕基 演出:中屋敷法仁 協力:春河35
出演:鳥越裕貴、桑江咲菜、橋本祥平、植田圭輔、田淵累生、岸本勇太、村田 充 ほか
4月16日(金)~18日(日) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
4月23日(金)~5月5日(水・祝) 東京・日本青年館ホール(※全公演ライブ配信あり)
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