北乃きいさんの結婚観とは?「結婚の目標で苦しくなっちゃうなら、そんなものいらない」

舞台やドラマなど幅広いジャンルで活躍している女優・北乃きいさん(29)。10月15日からは、シェイクスピアの喜劇をもとに劇作家の野田秀樹さんが潤色・脚本を手がけた舞台「真夏の夜の夢」のヒロイン・ときたまご(原作ではハーミア)も演じます。女性としてどう生きるか、なにかと悩みやすい30歳手前。「一生独身でもいいかな」と赤裸々な思いを話してくれました。

年齢、周りに言われるから気になる

――多くの女性が「30歳までに結婚したい」などと年齢に縛られがちだと思います。年齢を気にすることはありますか?

北乃きいさん(以下、北乃): 私自身は気にしていないんですけど・・・周りの人に年齢のことを言われることが多いので、つい気になっちゃいますね(苦笑)。

――気になっちゃうんですね。周りの人からどんなことを言われるのでしょうか。

北乃: 先日、仕事で「奇跡の30歳ですね」って言われました(笑)。
いやいや、30歳じゃない、まだ29歳!って感じだし“奇跡の30歳”ってつまり「30歳は老けてるもんだ」っていうイメージがあるんだなって思いました。私みたいにちょっと童顔だと「奇跡!」ってなるのかな、と。でも30歳ってまだまだ若いですよ。
それに私は年相応の色気もほしい。29歳ってまだ「もうちょっと大人になりたい」って思っている年齢だと思っていました。でもそう言われて初めて「あ、30歳って世間的には年なんだ」って思いましたね・・・。

あとは「結婚はまだしないの?」って聞かれることも多いです。
私の友達は「何歳までに子供産んで・・・」と考えてる人が多いのですが、私にはそういった考えはないんです。だって、結婚して人と一緒に暮らすことが自分に合っているかわからないし。したいと思ったら結婚するし、無理だと思ったら一生独身でもいいかなって感じです(笑)。

「来世にかければいいや」って思えば楽になる

――今年1月、インスタグラムでフォロワーから「結婚はしたいですか?」と聞かれて「いつか(中略)何歳で何って誰が決めたのさ」とコメントしたことが話題になっていましたね。

北乃: 見て頂いたんですね、ありがとうございます。
「結婚したい」といった目標をつくってやっていくこと自体は、素晴らしいことだと思うんです。でもそれで自分が苦しくなっちゃうんだったら、そんなものいらなくないですか?結婚してうまくいってる女性だけが素敵なわけじゃないですし。

――20代後半の女性は特に、自分で思い詰めて苦しくなりやすいかもしれません。

北乃: そうですよね。私は一生独身でもいいかなって思ったりもします。「現世はこれでいいや」的な考えなんですよ。いまから結婚しても「早めの結婚」には間に合わないし、だったら「来世は早めに結婚してみようかな!」っていう感じです(笑)。人生が1回しかないって思うから焦るんですよね。現世がうまくいかなくても「来世にかければいいや」って思ってます。来世のことはわからないし現世の記憶もないんだろうけれど・・・そう考えると楽なんです(笑)!

――かなり斬新な発想ですね!来春には30歳になりますが、怖さや焦りはありませんか。

北乃: 焦りは全然なくて、むしろ楽しみです!
いま、将来に向けて健康や美容の自己投資をしているんです。塩素の入っていないシャワーを使ったりジムに行き続けたり。いまそれをやることで10年後20年後もきれいで、生き生きとしていられるんじゃないかな。だから、年をとるのは怖くないですね。年をとるのが怖いっていう人がいたら、いま自己投資をすることがお勧めです。
それに、自分が「若い」って思い続けていれば若くいられるとも思っています。だって、いつだっていま、この一秒が、一番若いわけですよね。だから常に「いま私一番若いんだよ!」って思っていれば大丈夫(笑)。

得意じゃないフィールドからは逃げたっていい

――北乃さんは今後、人としてどんな風に年を重ねて行きたいですか?

北乃: 自分を見失わず、自由で、人間臭くありたいですね。
まさに今回の舞台で演じる、ときたまごのような感じでしょうか。「なんで私を好きでいてくれないの?だって私はあのときたまごよ!」って言えちゃうような人でいたい。大人になると言っていいことと悪いことを、頭の中ですごく考えてしまいますよね。でも、そうしていると自分を見失っちゃうかもしれない。
30代はこれまでより色んな人に出会うと思うけれど、人の意見に左右されたくないです。流されることなく、出会いから刺激を受けて成長していきたいな。そんな中でも自分の意見や行動は大切にしたいですね。

――人に流されずに生きるって難しいことですよね。30歳前後って、周囲の人のライフイベントも多く、自分を保つのがより難しいように感じます。

北乃:  telling,を読んでいる方々も、多分仕事を頑張っていて日々色んなことに悩みながら生きていますよね。それってすごく人間らしくて素敵なこと。
色んな人から様々なこと言われるかもしれないけれど、自分の得意じゃないフィールドで戦い続ける必要はないですよ。もし不得意なフィールドに立ってしまって「もうきつい」と思ったら逃げたっていい。他人からとやかく言われたとしても、自分を愛し、信じ、そしてしっかり持ち続けていれば、ぶれずに楽しく生きていけるんじゃないでしょうか。

●北乃きいさんのプロフィール
1991年、神奈川県生まれ。2005 年にミスマガジングランプリを受賞し、女優としての活動を開始。フジテレビ系「ライフ」で第45 回ゴールデン・アロー賞新人賞ドラマ部門(07)、映画「幸せな食卓」で第29 回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞(07)、第31 回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞(08)。12 年に「サイケデリック・ペイン」で初舞台。以降、「ウエスト・サイド・ストーリー」「ハル」(19)、「心臓が濡れる」「人形の家」(18)など舞台に積極的に出演。14~16年には日本テレビ系情報番組「ZIP!」の総合司会も務めた。

1989年、東京生まれ。不登校・高校中退から高卒認定を取得し大学へ。新聞の記者・編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
29歳問題