三浦貴大さん「昔からの夢が主夫」と語る俳優の仕事観、そして2世と言われて…

3月22日から5夜連続で、フジテレビTWO(CS)とひかりTVチャンネルで放送の「彼女のウラ世界」に主演の三浦貴大さん(35)。俳優としてのキャリアを順調に重ねていますが、父に俳優の三浦友和さん、母に元歌手の山口百恵さんを持つ“2世”として話題になった時期も。自身の結婚やご両親のことなどについて語っていただきました。

――今回のドラマではプロポーズ直後に、恋人から去られるドラマのディレクター役です。ご自身は結婚について相手に求める条件はありますか。

三浦: 基本的に僕に優しくしてくれればいいんですが、お互いの時間を持ち、認め合える人ですかね。
趣味も尊重してほしい。ずっと漫画読んだり、ゲームをしていたりすれば怒られてもいいですが、酷くなければ「今はその時間ね」と放って置いてほしい。
器は大きいに越したことはない。そしてテキトーではなく適当な人がいいですね。

――ドラマで2人が出会ったのはマッチングアプリでした。

三浦: いいんじゃないですかね。僕の友達の中にも、マッチングアプリで出会って結婚した人はいますから。アプリでは、出身や家族構成などの明らかにしたくない自身に関する情報を出さなくても済む。いい点であるけど、ウソも書けるのは少し怖いところですよね。

僕もこの仕事をしていなかったら、アプリをやるんですけどね(笑)。

――ご友人の話も出ました。三浦さんと同世代の女性は結婚や転職などライフステージの変化を迎えて、悩んでいる人も多いようです。

三浦: 僕の友達は、結婚して子どもがいる人が多いですが、みんな楽しそうにしていますね。

キャリアなどで悩んでいる人は、やりたいことイコール仕事という感じなんでしょう。僕はお金を貰えれば、仕事は嫌々でもいいと思うんです。それ以外の時間で“自分のしたいこと”をどれだけできるかが、大切。

俳優への道、両親に相談も「『へぇー』って言われて終わり」 

――俳優というご自身の仕事は?

三浦: やりたいことではないですね。“したいこと”を仕事にしてしまうと、浮き沈みがあったときにしんどい。僕自身は俳優を始めて、コンスタントに仕事をもらえるようになり、その中での楽しさを見つけられました。ただ一番素敵なことは、やりたいことではなく、できることを仕事にすることだと思います。

――「三浦友和さんと百恵さんの息子」や「2世」と言われることも多かったと思います。

三浦: 散々言われて来たので、さすがにどうでもよくなってきました。

俳優になる前の10代半ば頃は、嫌でしたね。ただ、感謝している大好きな両親が悪く言われているわけでもないし…。でも本当に嫌だったら、同じ芸能の仕事には就かなかったと思います。名前はすぐ覚えてもらえるし、やはり得な部分を拾っていかなくてはいけない。

――俳優をめざしたきっかけは?

三浦: 就活みたいな感じですね。どういう給与体系が向いていて、長続きできて、仕事に対する意欲を持ち続けられるかっていう――。どの仕事に就いても一生懸命やることに変わりはない。その中で考えたときに、父親がやっているし、身近にあったので「もしかすると自分のメンタルに一番、合ってるかも」と思ったのが、大きかったですね。

両親に相談したときは「へぇー」って言われて終わりました。

「主夫になりたい」と伝えたときに感じる“ひっかかり”

――telling,は20~30代の女性向けのメディアです。最近も東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の“女性蔑視発言”が話題になりました。女性を取り巻く環境については、いかがお感じですか。

三浦: 昔に比べたら、環境としても女性が社会に出やすくなっているとは感じています。でも想像すると、女性ってまだ“ひっかかり”があるんだと思います。(ジェンダーギャップ指数の改善に向けての活動などを)実際にしているし、しなきゃいけないと女性が感じているわけですし……。みんなで考えていかなければならない課題だと思います。

僕は昔からの夢が主夫なんです。でも男性の僕が「主夫になりたい」と言ったときの社会からの反応は「えっ!」というのが多いんですよ。「主夫は仕事じゃないの?」と思うし、“ひっかかり”を感じますね。同じような感覚が恐らく、女性にもあるのでしょう。

――コロナ禍で在宅時間が長い状況が続いています。インドア派の三浦さんに変化は?

三浦: ゲームをして、映画を見て、マンガ読んで…など変わっていませんね。僕は家の中で過ごす術を大量に持っているので、全く困っていなくて。
これまでは逆に「家の外に出なきゃいけない」というストレスに僕はさらされていました。

だから外に出られずストレスを感じている人は、家を好きになれる何かを見つけられたらいいと思うんですけど、なかなか難しいですよね。とりあえず僕のおすすめの漫画をTwitterに書いておきますね(笑)。

●三浦貴大(みうら・たかひろ)さんのプロフィール
1985年東京都生まれ。順天堂大学スポーツ健康科学部卒業。2010年に「リポビタンD」のCMで16代目キャラクターを務めて注目され、同年5月に映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」で俳優デビュー。同作で第35回報知映画賞新人賞、第34回日本アカデミー賞新人俳優賞、第86回キネマ旬報ベストテン新人男優賞。主な主演作に映画「ローリング」(15年)、映画「栞」(18年)、映画「大綱引の恋」(21年)などがある。

ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
カメラマン。1981年新潟生まれ。大学で社会学を学んだのち、写真の道へ。出版社の写真部勤務を経て2009年からフリーランス活動開始。
Other stories