【夏のマネー集中講座】 20代女性必見!人生100年時代 給与、貯金、働き方、結婚相手に求める年収は?賢いお金のトリセツ【前編】
人生100年時代の身の振り方とは・・・
20年以上前から「女性も一生働こう」と言い続けてきました。最近は、やっと時代が追いついてきたかなと感じています。その背景には、社会の変化がありますね。
約30年前、女性は就職しても3年以内に辞めるのが当たり前で、女性はクリスマスケーキに例えられました。とんでもない時代! 12月25日以降は売れなくなるクリスマスケーキのように、24歳までは高く売れるけど25歳以上の未婚女性は「売れ残り」だという考え方ですね。
当時は、女は24歳までに結婚。専業主婦になり、子どもを育てる――というのが普通とされていました。4、5年前までは「標準世帯」というモデルを国がよく使っていました。会社員の夫と専業主婦の妻の家庭に子どもがふたりいる、というモデルです。やっと過去の話になりました。今、日本でいちばん多いのは単身世帯、つまり一人暮らしです。
では、都市部で一人暮らしの女性が「それなりの生活」を望むなら、どのくらいの収入が必要でしょう。たくさんの例を見てきましたが、手取りで年収300万円はほしいですね。
年収300万円の女性が同程度の収入の男性と結婚したとして、世帯年収は約600万円。共働きを続ければ、あまり贅沢はできなくても、家を買って子どもを育て、老後に備えることができます。子どもに塾や私立中学、留学など高額な教育費をかけようとすれば、世帯年収1000万円は必要になるかもしれません
将来もし専業主婦になって、現役時代と同じレベルの生活をしたいなら年収600万円以上の男性と、子どもを塾や私立中学に通わせたいなら、年収1000万円の男性と結婚しないといけないということです。そのハードルは、決して低くありません。
「専業主婦になりたい」はダメ?
専業主婦になろうと思っていた女性が、「27歳で彼氏と別れた」、「いい人に出会えなかった」と言って、30歳、40歳と年を重ねて独身のままという例をたくさん見てきました。みなさん、経済面で不安を抱えています。
世の中はまだまだ男性社会の部分が残っていて、長時間労働を求められる職場も珍しくありません。女性が結婚して仕事を続けたとき、22時まで残業、休日出勤あり、夫は夜遅くならないと帰宅しないという生活だったら、「共働きなんかとても無理!」「専業主婦になりたい」と思うのももっとも。ある意味、とてもリーズナブルです。それでも、長い目で見たら、自分自身を養う経済力は身につけておいた方が良い。だって、結婚するという保証はない。結婚しても離婚しないという保証はない。夫の収入がずっと続くという保証もないのですから。
将来のことは見通せない。だからこそ、自分で生きていける力が必要だと私は思います。読者の方で「なんとなく専業主婦になりたい」と思っている人がいたら、気持ちを切り替えて、今すぐ働き始めることをお勧めします。
働き方は多様化しています。正規・非正規雇用を選べる時代ですが、派遣社員など非正規で働くリスクは知っておいてほしいですね。大前提として、派遣という形態はキャリアップしにくく、年齢が上がるにつれて需要は少なくなります。20代のうちは良くても、40代になったときに、収入が上がらないだけでなく、今と同じように働けている確率は低いでしょう。また、今回のような新型コロナウィルス拡大などの”有事”では、雇い止めになることもあり得ます。
正規を希望しているのに派遣でしか働けていない人は、なるべく早く正社員になる道を見つけてほしいですね。すぐに希望が叶わなくても、作戦をたてて1年がかり2年がかりでも成功させてください。
自分の”願望”わかっていますか
IT化が進んだ今は、日々の情報処理で脳が疲弊する人が増えています。疲れてませんか?私は疲れてます(笑)ネットは常に欲望を刺激する仕組みになっていて、FacebookやInstagramなどのSNSは「幸せ自慢」ばかりです。
あふれる情報で、他人がとてもよく見えて「何か欲しいのか」「どういった生活を望んでいるのか」がわからなくなった人、実は多いと思います。
私の娘が保育園に通っていた時のエピソードです。5歳の女の子に「何が欲しい?」と尋ねると、「お金」と答えたんです。「なんで?」って掘り下げると、「チョコレートがほしいから」と返ってきました。この子の本当に欲しいものは、お金ではなく「チョコレート」だったんですね。
同じことが大人にも言えます。少し目をつぶって、目標とする年収の額を思い浮かべてみてください。実は、手に入れたいのはその年収ではなくて、その年収があったら手に入ると思っている「暮らし」のはずです。どういう暮らしでしょうか?一度、朝起きてから寝るまでの理想の暮らしをイメージしてみてください。
そしたら、その暮らしを実現する方法を考えてみましょう。年収にかかわらず、いますぐできることがあるはずです。
給与、貯金、目標、そして人生もシンプル思考で!
お金は自分がやりたいことを実現する「ツール」で、目標ではありません。漠然と、お金を求めるのではなく、自分が何をしたいのか、情報に惑わされずに知っておくことが大事。わかっていたら、お金を生かして満足を手に入れられます。わかっていないと、年収1000万円、貯金5000万円になっても、本当の喜びは手に入りません。
もしかしたら、明日のこと、来週のこと、来月のことで精一杯かもしれません。でも、日々のことに追われて過ごしていたらどうなるでしょう。何もしていないのに40歳になっていた……とならないよう、少しだけ立ち止まり、将来どうありたいのかというライフプランを考えてみてください。
わかりやすいのは、25歳、30歳、35歳など、年齢の節目ごとに、仕事や年収、プライベートなどの目標を書き出すこと。
例えば、25歳で貯金100万円、30歳で結婚、35歳で2人目の子どもを出産といった具合。25歳で短期留学、30歳で独立してフリーランスに、35歳までに会社形態にする、40歳までに結婚と出産というのもあり。漠然とで良いので、将来をイメージしてみましょう。
できれば30代前半までに「自分の軸」を持ちましょう。軸ができたら、その後の人生設計も立てやすくなります。そのためには、ネット情報に頼らず、共感できる著者の本を読む、国籍や文化のバックグラウンドが違う人たちと友達になる、尊敬できる人からリアルで話を聞く、新しいことに挑戦してみるなどがおすすめ。出会いが自分発見につながります。
新常態・ニューノーマルは生涯現役が理想!?
人生設計を立てるとどんないいことがあるか。一つは、目標を立てることで進む方向が定まります。それを実現できる可能性が高くなります。もう一つは、ライフステージが変わるごとにプランを見直し、戦略を立てることで、お金に関する漠然とした不安を感じにくくなります。不安のない人生はとても自由です。
自然災害や新型コロナウィルスの感染拡大など、予想外の事は常に起きます。でも、普段からリスクについて心配する必要はありません。大切なのは柔軟であること。状況や予定が変わった折々に戦略を立てれば大丈夫。その際、一人で悩んだり煮詰まったりしないよう、ロールモデルとなる人を手本にしたり、もし近くにロールモデルになる人が見当たらなくても、先輩や友人など、人と会って話をしたりして、将来像や解決策を探っていってください。
7月31日に厚生労働省が発表した令和元年簡易生命表
によると、女性の平均寿命は87.45歳。過去最高を更新しました。老後や余生という言葉がありますが、それらは本来、「人生の1割」が適切だと思ってます。老後1割説は私の特許です(笑)
87歳の1割は9年。これが老後で、87歳引く9歳の78歳まで現役でいた方がいいということになります。先はまだまだ長いですよ(笑)
生涯シングルでも、結婚しても、子どもがいてもいなくても、自活することは、満ち足りて生きるためにとても大切。ただ、ずーっとがむしゃらに働く必要はありません。頑張ったり、少しペースを落としたり、ちょっと休んだり、方向を変えたり、新しいことにチャレンジしたり、いろんな形があります。そして、いちばん大切なのは「働くことを楽しむ」ことです。働くにはもちろん苦労がつきものだけど、楽しめたら、ずっと続けられます。
「女も一生働こう」と言い続けている本質、わかってもらえたかな。私も新しいことにチャレンジしながら「働くを楽しむ」を目指しています。
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