多部未華子「私の家政夫ナギサさん」2話。30才を目前に「このままでいいのか」28歳の悩みが、ギュッと詰まっている

働く女性たちから共感の声続々の「私の家政夫ナギサさん」。仕事はできるのに家事と恋は不器用な相原メイ(多部未華子)がひょんなことから、おじさん家政夫ナギサさんを雇うことに。30歳を目前に控えた、28歳が考える「悔いのない人生」とは。

7月13日放送「私の家政夫ナギサさん」第2話。相原メイ(多部未華子)の母・美登里(草刈民代)の訪問によって、クローゼットに押し込まれる家政夫のナギサさん(大森南朋)。クローゼットの中と外でお礼を言い、さよならした。
ナギサさんが来なくなったメイの部屋は、あっという間に散らかってしまう。

メイだけの悩みではなさそう

メイの妹・唯(趣里)は子どもができて結婚し、大学を中退している。そのことで母から勘当され、3年間会っていない。唯は、美登里からの期待をメイに背負わせていることを気にかけている。温かな家庭を持った唯の願いは、メイに「普通の幸せを味わってほしい」だった。

子育てしながら働いている唯は、いつ母に認められるのか。

さらに、唯の発言から美登里は家事が得意ではないことがわかった。こうなると、美登里を専業主婦にした環境にそもそもの問題があるように思う。

メイの悩みは、相原家全体の悩みにも繋がっていそうだ。

ナギサさんに「お母さん」を感じる

ナギサさんは誤って持ち帰ってしまったジャケットのボタンをメイに届ける。ライバル会社の田所(瀬戸康史)を避けるメイに、クローゼット同様、無理やり部屋に押し込まれた。メイが仕事をする側で、ボタンをつけるナギサさん。「お詫びと言ってはなんですが」と付けるところにナギサさんの人のよさが出ている。メイも素直に実感し始めていた。

メイ「ほっとする感じ。落ち着くっていうか、温かいっていうか」

田所とバーで話すシーンではナギサさんのことを思い出しながら、「お母さんって偉大ですよね」とまで言っていた。いつの間にか「おじさん」と呼びながらも、子どもの頃になりたかった「お母さん」を感じている。

さらに仕事のアドバイスも的確だ。何者なのか、いよいよ気になってきた。年齢だけではない経験を感じる。やはり大森南朋がハマり役だ。

本当にやればできちゃうメイ

第1話から繰り返される「悔いのない人生」。

現在31歳の私も、ちょうど28歳の頃に考えた。30才を目前に「このままでいいのか」がついてまわる。仕事を諦めても後悔しそう。他の仕事にチャレンジするなら今かもしれない。子どもを産むことを考えると、結婚もそろそろ考えなければいけない。親からの孫の顔が見たい圧も強まる。そもそも何がやりたいことなのか悩み始める。当時あいみょんを聞いていたら、染みまくっていたと思う。悩みからそれなりに解放された今でも染みる。

まさに28歳ならではの悩みが、ギュッとメイに詰まっている。キャラクターの明るさで、重くなり過ぎずに見られるのがいい。

メイ「私、やればできちゃうんです。」

本当にやればできてしまうのだ。自分で言えちゃう人には、休める場所となる人が必要だ。それがナギサさんになるのか、田所になるのか。
まだ本心が読めない田所にも注目。今のところ完璧すぎて、なぜか怪しんでしまう。

 

イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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