伝説の家政婦・志麻さん教えて! 働く女性にオススメのレシピ

仕事や育児をしていると、なかなか毎日料理ができない…。そんな人におすすめなのが「作りおき」です。自炊は健康によく、お財布にもやさしい。そこで今年の「料理レシピ本大賞 in Japan」に入賞した『志麻さんのプレミアムな作りおき』著者の志麻さんに、ミレニアル女性向けのおすすめの作りおきレシピと作るコツを聞きました。

『志麻さんのプレミアな作りおき』が料理レシピ大賞入賞

 料理本の魅力をアピールする「料理レシピ本大賞 in Japan 第5回 受賞発表会」。今年は138のレシピ本がエントリーした中、『志麻さんのプレミアムな作りおき』が入賞しました。志麻さんは、冷蔵庫にある食材でプロの味を作る家政婦。以前はフランスで調理師として働いていました。

 授賞式のスピーチでは、「今は家政婦をしていますが、忙しくて料理する時間がとれない人がとても多いと感じています。フランスで教わったのは食事を楽しむこと。料理も、一生懸命作らなきゃと思わずに、食べることを楽しみましょうと伝えたいです」と話しました。

「料理レシピ本大賞 in Japan 第5回 受賞発表会」入賞時にスピーチする志麻さん

道具も調味料もシンプルにするのがコツ

「作りおき」には賛否両論ありますが、準備する手間が省ける分、食事を楽しむ時間が増えることの良さもあります。

 様々な家庭に出向いて料理を作る志麻さんですが、常備されている道具や調味料はまちまちのなか、安定した質の高い味を保っています。そこには、「使う調味料は極力少なく、シンプルなレシピにする」という心がけがありました。

「必要最小限の調味料は、塩、こしょう、しょうゆ、みそ、酒、みりん。洋食の場合は、トマト缶とコンソメがあるといいですね。赤白のワインを使うことに慣れると、料理の幅が広がります」

作りおきに向くのは煮込み料理

 作りおきには向き、不向きがあることも教えてくれました。

「作りおきに向くのは洋食や煮込み料理。素材の水分が抜けているため、解凍後もおいしく食べられます。一方、和食や中華などの炒め物は、水分が出てきやすので、早めに食べたほうがいいです。スープ類を冷凍した場合、解凍後に鍋で沸騰するまで温めるとよりおいしく食べることができます」 

 そんな作りおきの達人の志麻さんに、働くミレニアム世代にお勧めの作りおきレシピ特別に聞きました。

① 農家の野菜スープ

『志麻さんのプレミアムな作りおき』(ダイヤモンド社)

 野菜が入ったスープは、これまで一度は作ったことがある人がいるかもしれません。志麻さんのレシピのポイントは、炒める前に食材に塩をふること。フランス料理では基本で、そのほうが野菜の旨味が出るそうです。野菜がたくさん入っているので、栄養をとりたい女性にはお勧めです。志麻さんもよく作るメニューの一つで、一度にたくさん作り、残りは冷凍すると言います。

② アッシ・パルマンティエ

『志麻さんのプレミアムな作りおき』(ダイヤモンド社)

 料理の定番食材のじゃがいもを使ったグラタンです。フランスの家庭料理の一つで、煮込んだ挽肉をじゃがいものピュレで覆い、チーズを載せてオーブンで焼きます。作りおきをする場合は、焼く前でも後でも可能だそうです。

③キャロット・ラぺ

『志麻さんのプレミアムな作りおき』(ダイヤモンド社)

 フレンチ定番サラダのキャロット・ラぺは、味付けを変えるだけでレパートリーが増えます。上から時計回りに、ナンプラー使用の「タイ風」、クミンを使用の「モロッコ風」、ごま油とにんにく風味の「ナムル」、レモン汁使用の「基本のフランス風」。

※②と③のレシピの詳細は本に記載されています。

料理の内容より、食べる時間を

 和食の場合は一汁三菜が基本です。肩肘張って“ちゃんと”作ろうとしてしまう人も多いと志麻さんは話します。

「フランスの場合は、サラダやスープなどの前菜とメイン料理、というのが家庭の基本です。メイン料理もオーブンや鍋で“放っておく”ものが多い。お母さんだけが台所で料理しているという感じではなく、家族全員で食卓を囲み、メイン料理ができたら取りに行くという感じ。料理の内容にこだわらず、ゆっくり食べる時間をとってもらえたらいいなと思います」

  • ●大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校卒業。日本の有名フランス料理店で15年働いた後、フリーランスの家政婦に。各家庭の家族構成や好みに応じた多国籍料理を作っている。

●『志麻さんのプレミアムな作りおき』(ダイヤモンド社)

『志麻さんのプレミアムな作りおき』

『志麻さんのプレミアムな作りおき』(ダイヤモンド社)
著者:志麻
購入はこちらから

同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。