多部未華子「私の家政夫ナギサさん」1話。“お母さん“の呪いがつらい、大森南朋のエプロン姿に癒される

「私の家政夫ナギサさん」がようやく放送開始!仕事はできるのに家事と恋は不器用な相原メイ(多部未華子)がひょんなことから雇うことになったのは、おじさん家政夫ナギサさんでした。「仕事ができない私なんて需要ない」……働く女性たちから共感の声続々の1話を振り返ります!
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放送延期となっていた『私の家政夫ナギサさん』が7月7日(火)にスタートした。
製薬会社のMRとして働く相原メイ(多部未華子)がおじさん家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)を雇うことから巻き起こるハートフルラブコメディ。
まず思ったのは、ナギサさんのような、できる家政夫さんに来てほしい!CM中にメリーメイドさん(ドラマの掃除を監修)の料金を調べてしまった。

本当に時間がない

メイは仕事に打ち込むあまり、部屋が足の踏み場もないほど散らかっている。親友の陶山薫(高橋メアリージュン)にソファーで寝ていると言っていたが、本当はソファーで寝ることも少なそう。ソファーもすぐに物で埋まってしまうので、床の隙間で寝る。
残業から帰っても仕事をしているメイの言い分は「時間がなかったの!」。

共感しかなかった。留守の間に届けものに来た兄から、部屋の荒れ具合を見て「生きてる?」と連絡を受けた経験のある私だ。決して掃除が嫌なわけではなく、本当に時間がない時もあるのだ。いくら家族でも、いない間の突然の訪問は是非やめてほしい。

心配したメイの妹・唯(趣里)が勤めている家事代行サービス業者のスーパー家政夫であるナギサさんをメイへの「誕プレ」として契約する。初めは「おじさん」であるナギサさんを受け入れられなかったメイだが、仕事ぶりに感心。徐々に受け入れていく。

可愛い多部未華子と張り合える大森南朋

第1話では、メイの絶叫を堪能した。あれだけ叫んでいるのに、多部未華子の声は不思議とキンキンしないのがすごい。
何度だって見たい多部未華子の寝顔。部屋が綺麗になると素直に喜ぶところ。美味しいご飯を食べた時の笑顔。素直な表情に惹かれる。「需要ない」なんてあり得ない。

ナギサさんも負けていない。楽しそうに家事をしているエプロン姿、可愛いのだ。どうやら猫舌で、熱いお茶を飲むときの湯飲みの持ち方、味見のときの小刻みな動き。悲しそうな表情や、料理を褒められた時の顔のほころび。見たことのない大森南朋なのに、しっくりきている。

お母さんになりたかったふたり

メイの強いキャリア志向には、幼稚園の頃に「お母さんになりたい」という夢を母・美登里(草刈民代)から否定されたことが大きく影響している。「男の子なんかには負けない、仕事ができる女性になるの。お母さんなんてくだらないこと二度と言わないで」。これがメイを縛り続ける呪いになっている。
そこに支店長・古藤深雪(富田靖子)からの期待も追加された。
「女性は家事ができて当然」が消えつつある一方で、「女性も仕事をバリバリやって当然」に縛られている人が増えて来ているのかもしれない。

同じく「お母さん」になりたかったナギサさんはどうなのか。実際になることはできなくても、家政夫として家事をし、人の役に立つことで夢を叶えているように見える。しかし、仕事へ向かう道や帰り道の悲しげな背中には何か理由がありそうだ。

「お母さん」になりたかった2人がどんな道を選ぶのか、選んだのか、見守りたい。

 

イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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