知念美加子の「MY LIFE, MY CLOSET」15

子育て中の私が、夫に「ありがとう」を言いすぎないワケ。

ファッション誌でのスタイリングのほか、ブランドプロデューサーとしても幅広く活躍するファッションスタイリストの知念美加子さん。 昨年8月に地元・沖縄で男児を出産。その後2ヶ月で復職しました。スピード復帰できた理由の一つを「家事育児を夫と分担できているから」と話す知念さん。あえて「ありがとう」を言いすぎないことで、夫婦の目線を同じにしたいと考えているそうです。

●知念美加子の「MY LIFE, MY CLOSET」15

育児と家事は、誰のもの?

私は子どもが生まれてから夫に「ありがとう」を言いすぎないようにしています。文章にするとひどい妻ですね(笑)。

理由は、子育ては2人でしていくものだと考えているから。
家事も育児も、夫がやってくれたことを「特別なこと」のようにしない。特別感のある過剰な感謝の表明は、育児を自分だけのもののようにしてしまう気がするのです。

夫が帰ってくるまでに子どもを見ながら全ての家事をしているママたちを尊敬しています。なぜなら私にはできないから。
我が家は別居婚の時期も長く、夫も日頃から家事をしていたため、できる方がやればいいというスタンスです。一緒に住んでいる現在は夫が帰ってくるまで私は育児に専念。帰宅後二人で一気家事を片付けるスタイルが自然とルーティーンになっていきました。「洗濯ぐらい、一人分も二人分も変わらないよ」と夫が洗濯機をまわし子どもと遊ぶその間に、私は夕食の準備に取り掛かる、という具合です。
家事育児を手伝ってくれてありがとうではなく、一緒に向き合ってくれてありがとうという気持ちは持っています。それでも私は「ありがとう」の回数、やっぱりすこし、少ないかもしれない(笑)。

当たり前が当たり前でなくなった、こうした不安定な毎日では、夫婦の会話を大切にしています。
保育園の入園に向けて悩んでいること。人との接触範囲や仕事の仕方など、夫婦の認識をすり合わせるためにしっかりと話し合います。ニュースで発表される政府からの情報も大切ですが、目の前にいる一緒に暮らす相手と考えを共有し合うことが、家族を守ることにつながるのかなと思います。

人生初?ひとりファッションショーで「おうち時間」

新型コロナの影響で「おうち時間」が増えた今、何かとストレスが溜まることもやっぱりありますよね。

もし私が現在一人暮らしだったらという妄想すると……。おうちのクローゼットをひっくり返して「ひとりファッションショー」をやっているかも(笑)。ド派手な服を引っ張り出して、メイクも普段はあまりできないようなものに挑戦。誰の目も気にしない自由なコーディネートでいざ、鏡の前へ。そして写真を撮って、思い出に。写真整理やスクラップもおしゃれの脳トレになりますよ。
一人暮らしを満喫されているみなさんには、ぜひトライしてみてほしいです。
恥ずかしいという方も「暇つぶし!」と思い、挑戦してみてください。
究極の自己満足かもしれないけど、創作するって自分の頭の整理にもなるし、新しいエネルギーも湧いてきます。

日常でささやかにできる“リフレッシュ”を楽しもう

現実は育児であっという間の1日を過ごしている私ですが、インテリアをネットで探したりお皿を買い足したりすることが新たな趣味になっています。料理はもともと好きではありませんが、やっぱりコーディネートは好きみたいで、テーブルやお部屋のコーディネートを楽しんでいます。

部屋にお花を飾るのもリフレッシュになりますよね。今はお花の配達サービスも増えています。生花の手入れが大変な方にはドライフラワーもおすすめ。
余裕ができたら、生花の半分を自分でドライフラワーにするのもいいと思います。ドライフラワーにするのに向いている花、そうでない花はネットで調べてみてくださいね。気分転換に、ぜひプチ創作を。

おうちの中でできることは限られてしまいますが、みなさまがリフレッシュしながら少しでもたのしい時間が過ごせますように。

1987年、那覇市生まれ。スタイリストのアシスタントを2年経験し、2011年に独立。雑誌「ViVi」を中心に活動する人気スタイリスト。
大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。
おうちで楽しく