知念美加子の「MY LIFE, MY CLOSET」10

結婚式は何のためにするの?

女性誌「ViVi」などで活躍中のスタイリスト知念美加子さんにとって、ファッションは「自分自身を高めてくれる日常」。その日、見た・感じた・聞いたことから感じたインスピレーションをファッションに反映するそうです。知念さんのファッションのルーツを知るべく、頭の中をのぞいてみました。

●知念美加子の「MY LIFE, MY CLOSET」10 ファッション×結婚式

2年越しの結婚式、どうする?

2019年6月、結婚式を挙げました。夫婦2人の故郷沖縄での、神前式。入籍してから2年が経ち、ようやくといった感じです。

結婚式をやるかどうかはずっと迷っていました。まず、私も夫もすごく恥ずかしがり屋で、自分たちのために集まってもらい「私たち、主役でーす!」という感じでみんなの前であれこれ「結婚式っぽい儀式」をすることにすごく抵抗があったんです。華々しい新郎新婦入場とか、ケーキ入刀とか、キャンドルサービスとか、私たちにはムリ!って(笑)

沖縄の結婚式といえば、海辺で行うリゾート婚みたいなものか、ホテルの宴会場に何百人もあつめるザ・披露宴、みたいなものが主流。オリジナリティを出すのが難しいし、むしろみんな「型にはまってなんぼ」という雰囲気があります。
高砂に新郎新婦が座って、分刻みで進行するスケジュール、来てくれた方々にゆっくりお礼も言えない…そういう式はあまり私たちのスタイルには合わないねって、夫と話していました。

2人で決めた、結婚式の“軸”とは

話し合いをしているうちに、日々の仕事に追われ、式をしないまま2年が経過していました。そんな中、私の妊娠がわかり、今がタイミングだと思いました。夫婦ふたりで「ありがとう」を言える場を設けたい、そうした思いで式をする運びになりました。

決まったらすべては急ピッチ。お互いの両親に伝えたのは式当日の2カ月前(笑)。プランナーさんを入れることなく、自分たちで神社へ出向き予約、沖縄在住の夫が現地での準備を、私は東京にいながらできることを進めました。

着付けの方やヘアメイクさんも自分たちで手配しました。

式をするにあたり大事にしようと夫婦二人で決めた軸は「自分たちが主役じゃなく、来て頂いた方に感謝する会にすること」でした。
海辺のBBQ婚?地元の友だちを呼んで盛大に?親族だけの神前式という形に落ち着くまで紆余曲折あったのですが、この軸を決めていたことで、短い準備期間でも喧嘩をせずやり切れたんじゃないかと思います。

「スタイリストらしい結婚式」じゃなく…

スタイリストという職業柄、何を着るか、そして“何を着て来てもらうか”もよく考えました。
「スタイリストさんの結婚式、やっぱりドレスにはこだわるんだよね?」と散々言われてきたのですが、むしろ逆。沖縄でやると決めてからは「スタイリストらしい結婚式」にならないことを意識しました。
それはこの式が自分と夫を支えてくれた身内に感謝するための会だから。
仕事モードでなんでもバリバリこだわって、自分のドレスも相手のドレスコードもばっちり決めて……そんな式は今回のコンセプトにはそぐわない。沖縄のおじさんおばさんが気疲れしない、とにかく家族を大切に考えた形にしたかったんです。
結果、私は白無垢、夫は紋付袴で。そして、私の親族は沖縄らしくかりゆしウェアで来てくれました。

神前式のあとは近くのホテルのレストランで軽食を用意したデザートビュッフェ形式のパーティ。これも、2人のこだわりでした。
コース料理がどんどん出てくるようなスタイルではなく、好きな分だけ軽食をつまんで、祖父母の世代も、幼い甥っ子たちも楽しんでもらえるような肩肘張らない雰囲気を作りたかった。
各テーブルをゆっくりまわって、時には着席して一緒におしゃべり。夫が私の甥っ子と遊んでくれているのを横目に、私は夫の親戚にご挨拶。とてもゆっくりした時間が流れました。

地元の友人も、仕事でお世話になっている方もお呼びしない、親族ばかり40人ほどの小さなパーティでしたが、「感謝の気持ちを伝える会にする」という自分たちがはじめに決めた式のテーマを達成できたと思います。

2次会はラフな服装で

何のために、式をするのか

「結婚したんだから結婚式をやるのが当たり前」。もう、そんな時代でもなくなってきました。ただ、やるならやるなりの、やらないならやらないなりの、理由や疑問点を2人で炙り出して、話し合ってクリアにする。自分たちが夫婦として大事にしている部分とのズレがないかを確認しあう。
何のために結婚式をするのか。自分たちの記念のために?仲間への感謝?仕事の方へのお披露目?
結婚式ってあまりにもやることが多くて、ついついディテールに時間を割いてしまいがちだけど、はじめに決めた夫婦の軸から逸れないようにする、その意識ってこの先の夫婦関係でもきっと支えになると思うんです。

「スタイリストらしい結婚式」でも、ワイワイ大騒ぎするようなパーティでもなかったけど、自分たち夫婦らしさをしっかり“着こなした”式、やってよかったと思います。

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1987年、那覇市生まれ。スタイリストのアシスタントを2年経験し、2011年に独立。雑誌「ViVi」を中心に活動する人気スタイリスト。
大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。