知念美加子の「MY LIFE, MY CLOSET」14

こんな時だからこそ、じっくりゆっくり、ファッションの「アップデート」をしませんか

ファッション誌でのスタイリングのほか、ブランドプロデューサーとしても幅広く活躍するファッションスタイリストの知念美加子さん。新型コロナウイルスの感染拡大の影響はファッションにも及びます。しかし、外出自粛が続く今を「ファッションと向き合うとき」と知念さんは語ります。この春を新しい「自分らしさ」と出会うチャンスに変えてみませんか。

●知念美加子の「MY LIFE, MY CLOSET」14

30代でフェミニンは、イタイ?

「30代なんですけど、いまだにフェミニンな服を着てるのって、イタイですか?」

インスタグラムのダイレクトメッセージで、そんな相談を受けたことがあります。
かくいう私も今年で33歳。ファッションスタイリストという仕事柄もありますが、はたから見たら「33歳らしい服装」とは程遠いと思います(そもそも33歳らしい服装って、なんだろう?)。ついでに赤髪だし(笑)。

私たちが10代、20代の頃は、憧れのモデルさんやファッションアイコンがいて、情報は毎シーズン、ファッション誌を買い込み、くまなくチェック。「今年はこのアイテムが流行るのか!」とお店へ走る……。とにかくトレンドのものをみんなが着たがっていたような印象があります。
でも今は、SNSのおかげもあり、特定の誰かにみんなで一斉に憧れたり、流行を追うことに必死になったりする時代ではなくなったような気がします。
若い頃、トレンドに注いだあのエネルギーも愛おしいけど、今こそ、固定観念や、誰かが決めた「○○らしさ」をとっぱらって、「自分らしさ」を纏うことが大切だと思います。

イメージは、“チェンジ”じゃなく“アップデート”。

たとえば「フェミニンをやめる」のではなく「フェミニンを今、この年齢、この時代に着るなら?」と考えてみる。
フェミニンなアイテムの代表のパステルカラーやフリルはたしかに、合わせ方を間違えると浮いてしまいます。
若かった頃よりもやっぱりお肌はくすむし、体形や雰囲気も変わってきて、10代や20代の頃と同じように着こなすのは難しい。
なので、心がワクワクする気持ちは大切にしつつも、今の自分が着てしっくりいくものを探してみてください。
たとえばパステルカラーを取り入れる時、形や素材を意識してみる。シースルーやサテン生地など品のある素材や、パンツやジャケットなどかちっとしたアイテムを選ぶと落ち着いた雰囲気が出て30代の私たちでも着こなしやすいです。

自分の中の「かわいい」のアップデートも

今はコロナの影響で不要不急の外出を控えなくてはいけなくなり、ただでさえ短い春のファッションも思うように楽しめないのは、少し寂しくもありますね。

こんな時は、今すぐ着られる実用的な洋服探しは少しお休み。「かわいい」のアップデートをする期間としてファッションと向き合ってみると、新しい発見があるかもしれません。

私も仕事で利用しているこのサイトではいろいろなブランドのコレクションの写真や動画を無料で見ることができます。

ハイブランドのアイテムそのものは簡単に買えるお値段ではないけれど、「このビビットなイエロー、かわいい!」「ビッグシルエットのジャケットって、好みだなぁ」と、自分自身の“好き”を知ることができる。
同じ色のワンピースでも形や丈が違うだけでこんなに印象が変わるんだ!なんて気づきは、仕事に活かすのはもちろんですが自分がどんなものが好きか、そしてどんな風に見られたいかを考える時の参考にもなります。
そして何よりきらびやかな世界観は、なにかとお家で悶々としてしまうこの時期、眺めているだけでも気持ちが晴れます。

ファッションの楽しみは、お洋服を買ってコーディネートして出かけることだけではありません。アートや映像、美しいものに触れて、自分の好きなスタイルを見つける旅のようなものでもあります。
これを機に、「自分らしさ」探してみてはいかがでしょうか。

1987年、那覇市生まれ。スタイリストのアシスタントを2年経験し、2011年に独立。雑誌「ViVi」を中心に活動する人気スタイリスト。
大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。