おうちで"ヒュッゲ"を感じよう。デンマーク人から学ぶ、家時間を充実させる7つのアイデア

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、家で過ごすことが増えました。ずっと家にいると飽きてしまう……そんな方はおうちで過ごす時間が多いデンマーク人のアイデアを取り入れてみては?2019年からデンマークに留学し、デンマーク生活を満喫してきた花田奈々さんがおうちでヒュッゲを感じられる過ごし方を提案してくれました。

デンマークの心地よい時間 「ヒュッゲ」

デンマークには「Hygge(ヒュッゲ)」という言葉があります。
明確な定義はありませんが、おおまかに言うと「幸福感の高い、心地よい時間」。英語ではCozy(居心地のよい、くつろげる)が近いとされています。たとえば、リビングで家族や友人とゆっくり話す時間や、暖炉の前でぬくぬくと温まっている時間。普段から「この時間って、ヒュッゲだよね」なんて会話が飛び交うくらい、デンマークの生活文化を表すために欠かせない言葉です。

前述のたとえにあるように、ヒュッゲは家で過ごす時間を描写する時によく使われます。それは、デンマークの長く厳しい冬の天候が関係しているようです。

デンマークの冬の長さを表すジョークに、「デンマークでは11月が6回くる」というものがあります。長いだけならまだしも、暗い。特に日が短い11月から12月頃は、日照時間が約7時間しかありません。夕方の16時には真っ暗なので、必然的に家で過ごす時間が長くなるのです。

そのため、デンマーク人はおうち時間を心地よくするエキスパート。日本でも新型コロナウイルスの影響により家で過ごす時間が増えた今、彼らから学べることがあるかもしれません。そこで、日本でも気軽に"ヒュッゲを楽しめるアイデアやアイテムをまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

1. キャンドルのゆらぎを眺めてリラックス

ヒュッゲな空間をつくるためには、キャンドルが欠かせません。デンマークでは、一家に一キャンドル。少なくとも私が訪れた友人宅や学校には100%キャンドルがありました。

テーブルの中央にキャンドルを置き、みんなでごはんを食べる……というのがデンマーク式ですが、防災の観点で本物のキャンドルは使えない家庭も多いかもしれません。その場合は電池式LEDキャンドルという選択肢があります。

自宅用に買ったLEDキャンドル。炎の部分が本物のように動きます

ゆらゆらと揺れる炎には、自然界に存在するリズムのひとつ「1/fゆらぎ」効果があり、見る者を癒す力があります。溢れかえった情報にかき乱された頭、緊張で硬くなった心を解きほぐしてくれるでしょう。ヒュッゲを味わうはじめの一歩として、インテリアのひとつにキャンドルを加えてみてはいかがでしょうか。

 

2. 家族とボードゲームを楽しむ

デンマークでは子どもから大人までボードゲームに親しんでいます。学校の自由時間に友人たちとよくボードゲームをして遊んだのは良い思い出です。日本でもボードゲーム専用のカフェを見かけることもありますが、まだ「ボードゲームは子どもの遊び」というイメージが強いかもしれません。

私の一押しボードゲームはCATAN(カタン)です。カタンという無人島を舞台に、参加者どうしで交渉しながら資源を獲得し、都市へと発展させていきます。運と戦略のどちらも必要になるので間違いなく大人もハマります。誰かを負かせにいったり蹴落とす必要がない点が個人的には好きです。

残念ながら今は友人たちと集まるのは難しいかもしれませんが、家族と遊んでみてください。ボードゲームを通して家族の絆が深まるかも……?

 

3. 新しい言語を学ぶ

自由に使える時間がある今、新しい言語に挑戦するのもいいでしょう。オンライン英会話や書店の学習本など言語を学べる手段はたくさんあります。

自分のペースで言語を学びたいなら、言語学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」がおすすめです。30ヶ国語以上もの言語から好きなものを選び、無料で学習することができます。ゲーム形式で続けやすいうえに、学習スタイルに合わせて問題が変わるなど、効率よく語学を学べる仕掛けが魅力です。

デンマーク留学中、世界各国の友人たちのほとんどがDuolingoのアプリを使っていて、その知名度の高さに驚きました。

私はデンマーク語とスウェーデン語をのんびり学習中です。マルチリンガルになる日が近づくことを願っています。

 

4. ヨガ、エクササイズで体を整える

外に出られない期間、心配なのは体が鈍ってしまうこと。ジムでトレーニングできず、フラストレーションが溜まっている方もいるかもしれません。しかし、今はYoutubeという味方がいます。短い時間でできるヨガやエクササイズがたくさん公開されているので、自宅でも運動習慣をつくることができます。

在宅ワークが続いている方は、就業前やお昼の休憩時間に5?10分程度の軽い運動をおこなうのもいいでしょう。体を動かすことで頭はスッキリ、集中力も増します。

外出自粛明けに、ぽっちゃり体形にならないためにも、自分が心地よいと思える範囲で運動は続けていきましょう!

 

5. お家コンサートを開く

コンサートやライブが次々に延期・中止となり、音楽好きにとってはつらい状況がつづいています。延期・中止はとても残念ですが、この際、家でコンサートを楽しんでみてはいかがでしょう。

世界中で自宅待機が要請される中、オーケストラやアーティストがライブ映像を無料で公開しています。たとえば世界的に有名な『ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団』は現在活動を停止しているものの、演奏映像をオンラインで公開。4月19日までの期間限定ですが、世界最高峰の音を家で楽しめるのは貴重です。

Youtube上でもさまざまなコンサート、ライブ映像が公開されています。最近では安価で音質の良いスピーカーも販売されているので、これを機にお家コンサートを楽しむ用意を始めてみてもいいかもしれません。

 

6. 刺しゅうに没頭する

何もしなくても情報が入ってきてしまう状況下では、情報から距離を置くことも精神衛生上必要です。スマホから離れてひとつのことに没頭するのはいいアイデア。たとえば、刺しゅうなどの手作業は夢中になれるのでおすすめです。

糸をクロスしながら編んでいく「クロスステッチ」は初心者でも始められて、きれいに仕上がります。キットなどを使いながら挑戦してみるといいかもしれません。

これから会える大切な人に、プレゼントするのも素敵です。

 

7. お茶やコーヒーのフレーバーを変えてみる

家にこもっている間、変化を起こしたくてウズウズするけれど、正直めんどう……と思ってしまう私のような方におすすめしたいのは、試したことのないフレーバーのお茶やコーヒーに挑戦することです。

私が最近見つけたお気に入りは、イギリスのブランド「Pukka」のオーガニックハーブティーです(デンマーク産でなくてごめんなさい)。どのフレーバーも香り高く、苦味がほぼないのが好きです。

お茶やコーヒーはオンラインでも簡単に手に入りますし、好きなフレーバーに出会った時にはほっこり幸せを感じます。自分のために時間を使える今、小さくいろいろ試して自分の好みを見つけてみましょう。

 

今こそ、お家ヒュッゲを楽しもう

外で遊べない、友だちに会えない、大好きな趣味ができない。新型コロナウイルスは本当に恨めしいですが、毎日「ないない」を数えているのはもったいない!少しずつできることに目を向けていけたら、素敵です。

在宅勤務も見方を変えれば、心地よい時間をつくれるチャンスになります。7つのアイデアを通して「ああ、この時間がヒュッゲかも」と感じられる瞬間があればうれしいです。

フリーライター/コミュニティマネージャー。慶應義塾大学卒業後、IT企業の広告営業、スタートアップのWebマーケティング・コミュニティ運営を経て、フリーランスのライター・コミュニティマネージャーとして活動中。2019年はデンマークを拠点に「誰もが自分らしさを取り戻せるコミュニティデザイン」を模索しています。
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