自分を変える、旅をしよう。

旅は私をたくましくしてくれるだけでなく、自分でも知らなかった新たな一面を発見できる。

旅によって人生が変わった人や、旅を通した生き方をリーマントラベラーの東松寛文さんが紹介する「自分を変える、旅をしよう。」。今の夫と出会ったことで、ツアー旅行ではない旅の楽しさを知ったいどきみこさんのお話の後編です。
20代で就職、退職、結婚、離婚を経験。今の夫と出会って旅の本当の楽しさを知った。 小学生の頃に行きたかった旅先はブルガリア。空港でリーマントラベラーと出会い、旅を続けることを決めた。

●自分を変える、旅をしよう。#9 いどきみこさん(37)後編

リーマントラベラーの東松寛文です!旅先で見た美しい景色をいっしょに見ている人と共有できるのは二人旅の醍醐味。いどきみこは今のパートナーと出会ってから、本当の旅の楽しさを知ったといいます。後編では、パートナーと旅をすることで変わったことやこれから行ってみたい国など、いどさんの夫婦旅と初チャレンジの一人旅について聞きました。

リーマントラベラー東松(以下、――): 前半ではバックパッカーだった旦那さんとの出会いから旅好きになったというお話をうかがいました。お住まいが群馬県だそうですが、旅に行くのに苦労したことはなかったですか?

いどきみこさん(以下、いど): 2019年9月まで群馬に住んでいたので、成田空港まで行くのも車で2時間半~3時間はかかりました。私が一番行きたかった国、スペインへの出発の日は、高速道路で事故があり、チェックイン時間ギリギリで成田空港に到着したこともあります。何が起こるか分からないので、早め早めの行動をとらなきゃいけないのも大変でしたね。

――空港に行くまでに、小旅行をしているような感じだったんですね。

いど: 本当にそうですね。都心に住んでいれば、金曜の仕事終わりから、海外へ!というスタイルもできたと思うのですが、それも無理でしたね。
発着が成田と羽田で別になってしまう時は車で空港へ行けないので、タクシーで家から駅まで行き、公共交通も乗り継ぎながらの移動になってしまったり……。
夫の仕事の都合で、まとまったお休みはゴールデンウィーク、お盆、年末年始なので、航空券もハイシーズン。少しでもコスパよく海外へ行くため、仕事を調整して、GW2日前くらいから出発するようにしていました。まとまったお休みが取れる時期が決まっている分、航空券は半年以上前からチェックしています。

絶景で知られる、アメリカ・アリゾナ州のアンテロープキャニオンへ

――ところで、リーマントラベラーを知ったキッカケを教えてもらえますか?

いど: リーマントラベラーを知ったのは、確かインスタグラムでした。リーマントラベラーというネーミングと東松さんのマスコット的なフォルムに惹かれて、すぐにフォローしました!めいっぱい好きなことをするために、平日の働き方を工夫する。全力でおもしろいことをしているところに元気をもらいました。自分の働き方や生活のスタイルを見直すきっかけになったと思います。

――ありがとうございます!それを聞いて僕も元気が出ました!リーマントラベラーを知ることで、旅のスタイルや普段の生活で変化したことはありますか?

いど: 働き方改革ではなく“休み方改革”という言葉がすごく響きました!日本人って本当に休み下手な人が多いと思います。休日を楽しめると月曜を新たな気持ちで迎えられて、仕事にもいい影響を及ぼすし、次の休日まで頑張ろうというモチベーションにもつながりますよね。
リーマントラベラーを知って、週末を使った海外の楽しみ方を教えてもらって、行きたい国の選択肢が増えました。物欲にまみれていた私が、夫からの誕生日プレゼントは、モノではなく、経験(旅)をプレゼントしてもらうようになったぐらいなんです。

キューバを象徴するクラシックカー

――旦那さんとたくさん旅をされていますが、旅に出るようになって、変わったことはありますか?

いど: 旅をしているとプチトラブルはつきものですよね。その都度、どうにかしなきゃいけないし、決断も迫られる。でも、大抵の場合、どうにかなっていることが多いんです。それって、助けてくれる人がいることと、もうひとつは、言葉が通じない分シンプルに自分の気持ちを伝えられているからなのかなと気づいたんです。私は、相手を気遣いすぎたり、周りの目を気にして、大事なことが伝えられていないなと思うことがよくありました。日本にいるとシンプルに考える、伝えることが、一気にハードルが上がってしまっていました。でも、海外だろうが日本だろうが同じだと思ったら、物事がスムーズにいくようになった気がします。

――いどさんにとって、"旅"とは何ですか?

いど: 「刺激と癒し」を与えてくれるものです。いろいろなものの見方や考え方ができる大人でありたいので、海外に行くとカルチャーショックもありますが、“郷に入っては郷に従え”ですよね。
キューバを旅した際、ハバナではカサ(民泊)に泊ったのですが、そのお部屋が屋根裏の物置のような場所を無理やり民泊用に改装した造りだったんです。正直、別のところに宿を取りなおそうかと検討もしたぐらい。でも、宿のお母さんの人柄がとっても良くて、言葉は全く通じなかったけど、予定通り連泊しました。旅は私をたくましくしてくれて、自分でも知らなかった新たな一面を発見させてくれます。
実際、その土地を旅して印象に残ることって、ガイドブックに載っている観光名所ではなく、その土地の人々とのふれあいなんだなと気づきました。ガイドブックには書かれていない魅力があるから、旅はやめられません。

世界屈指の美食の街、サンセバスチャンで

――ところで、夫婦旅もいいですが、「一人旅」したいと思うことはありますか?

いど: 実はつい先日、誕生日プレゼントとして夫からバンコク往復航空券とホテルをプレゼントしてもらったので、初めての一人旅をしてきました!以前から一人旅に興味があったものの、勇気がなく、今回いろいろなタイミングが重なり、行くことを決めました。
昨年11月に東松さんのイベントに参加した際、飲み会でみなさんから背中を押してもらったことも理由のひとつ。英語がほとんどしゃべれないと躊躇していたら、英語圏じゃないところがいいと提案してもらったり。
バンコクでは到着したその日の夕飯から屋台に繰り出したり、タイ料理教室に参加したり、マッサージに毎日通ったり、思う存分楽しめました!反対方向の電車に乗ってしまったり、ソンテウの停留所が分からず右往左往もしましたが、やっぱり一人旅の達成感は格別ですね!また、同じように初めての一人旅をする日本人や韓国人と出会い、情報交換しつつ数時間一緒に観光もしました。
結果、夫婦旅も一人旅も最高に楽しい!ということが分かりました。これからは、夫婦旅の中で別行動の時間を作るのもありだなって思っています。
ほんのちょっとの勇気があれば、想像以上の経験ができるんですよね!

初めての一人旅、バンコクでの1枚

――それは楽しみですね!帰国したら感想を聞きたいです。バンコクの次に行ってみたい旅先はどこですか?

いど: 次に行く予定の国は、ゴールデンウィークにはウズベキスタンを旅します。東松さんのお話を聞いて、サウジアラビアと迷ったので、サウジアラビアにも行ってみたいですね!以前から旅の候補にあがっているタンザニアも行ってみたい国のひとつです。考え出すと、尽きません。

――それでは最後に、いどさんのこれからの夢や目標を教えてください。

いど: これまで、旅を通していろいろな貴重な経験ができて、たくさんの人に助けてもらいました。これからは私も何か人の役に立ちたいという気持ちが芽生えてきています。そこで考えているのが、前から興味のあった、シニアヨガのインストラクターの資格を取ること。両親にも元気でいてもらいたいですし、私たちも年を取っても旅をして、手を繋いでお散歩できる夫婦でいたいと思っています。海外のビーチにいるような元気なシニアが理想です。あとは大好きなスペインで「巡礼の旅(カミーノ・デ・サンティアゴ)」ができたら最高です!

――旅をするとその国の人たちの優しさをいろいろな場面で知ることができます。旅先で助けてもらった感謝の気持ちをシニアヨガインストラクターというかたちで返そうという気持ちが素敵ですね!僕も何か始めようかな?

20代で就職、退職、結婚、離婚を経験。今の夫と出会って旅の本当の楽しさを知った。 小学生の頃に行きたかった旅先はブルガリア。空港でリーマントラベラーと出会い、旅を続けることを決めた。
平日は激務の広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅する「リーマントラベラー」。2016年、毎週末海外へ行き3か月で5大陸18か国を制覇し「働きながら世界一周」を達成。地球の歩き方から旅のプロに選ばれる。以降、TVや新聞、雑誌等のメディアにも多数出演。著書『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』(河出書房新社)、『休み方改革』(徳間書店)。YouTube公式チャンネルも大好評更新中。
リーマントラベラー