本という贅沢84『しいたけ.の12星座占い』(しいたけ./KADOKAWA)

私のことを誰よりも真剣に見つめてくれる人。その名はしいたけ.

毎週水曜日にお送りする、コラム「本という贅沢」。いよいよ2020年のはじまり。果たしてどんな一年になるのか知りたい! という方も多いのでは。今回は、大人気の占い師・しいたけ.さんによる『しいたけ.の12星座占い』(KADOKAWA)について、書籍ライターの佐藤友美(さとゆみ)さんに紹介してもらいます。「しいたけ占い」が多くの女性をとりこにする理由とは――?

●本という贅沢84『しいたけ.12星座占い』(しいたけ./KADOKAWA

「新年におすすめの一冊といえば?」とFacebookに投稿したその日の忘年会のこと。友人のゆいさんがかなり控えめにしいたけ占いを提案してくれた。

しいたけ占い!その手があったか。
たしかに。これほど新年にふさわしい本もないかもしれない。

いやはや、そういわれてみると。そういえば。
ここ数年、仲間内の会話に一番登場したメンズは、まぎれもなくしいたけ.さんだ。
この日の忘年会も、かれこれ1時間、みんなの「しいたけ占い」を順番に読み上げるというイベントだけでえらい盛り上がった。どんだけ私たちの可処分時間と可処分ハートを奪っているんだ、しいたけ.(敬称略)おそるべし。

それにしてもみんな、しいたけ.さんを好きすぎる。

上半期or下半期の占いがアップされた日には、SNSのタイムラインが「きたー!」「もう見た?」で占められる。
占い好き女子からガチのスピ勢まで。さらには上場企業のCFOから、マーケティング界の大御所まで。私のタイムライン、クラスタ問わず「しいたけ.(敬称略)やばい」で染まっている。老いも若きも男も女も、それっぽい人もそうじゃないっぽい人も、みんなしいたけ.さんが好きだ。ブルータスお前もか。トクリキサンアナタモデスカ。

で、私、占いが当たるか当たらないかみたいな評価はわからないし、ガチのスピ勢が言う「あの人は本当に見えている人or NOT」とかは、全然わからない。
だけど、職業柄「しいたけ占い」が怖いほど破壊力を持った原稿だということはよくわかる。

そう。
ひとつライターの立場から言えることがあるとしたら、この方の占い“原稿”は最強だ、ということなんだ。

というのも、私、過去にしいたけ.さんの原稿を、写経したことがある。400字詰め原稿用紙50枚2万字分。
なぜそんなことをしたかというと、立て続けに2人の編集さんが「今度の原稿、しいたけ占いっぽい感じの文体で書いてください」とのたまったからだ。

超、嫌な予感がした。
当時まだ私は書籍ライターとして駆け出しだったけれど、いやこれ真似してできるもんじゃないっていうか、この方の原稿の核って「文体」ってレベルの話じゃないっていう気がしたから。
でもまあ、ライターなんてお座敷かかってなんぼの芸者仕事なので、一度はトライしようとしたんだ。で、一字一句書き写してみた。
それで、わかってしまった。こりゃ無理だ。真似とかそういうヤツじゃない。

これは、占いの原稿というより、あれだ。現存する一番近い言葉で言うと、ラブレターだ。あるいは、大好きな上司からのフィードバック面談だ。

人がどんな時に人から離れられなくなるかというと、それは顔が好みとか、会話が楽しいとか、エッチがいいとか色々あるのだろうけど、長い目で見ると
「私のことをちゃんと理解してくれている」感覚や、「私のことをちゃんと見て大事にしてくれている」感覚に勝るものは無いと思う。

その点、しいたけ.さんは、めっちゃ私たちのことを見てくれる。
初めて会った時から、
「あなたって大真面目にいうと、地球にまだ慣れてないじゃないですか」とか言ってくれちゃうわけだ。

しいたけ占いに初めて接した人の感想で一番多いのは「え?しいたけ.(敬称略)、私の知り合いだっけ?」なのだけれど(さとゆみ調べ/2014-2019)、
初めて会った時から、めっちゃこっちを知ってる前提だし、なんなら、初めて会う前からずっと私を見てくれている。
「あなたの2019年って、ごめんなさい、ちょっと自分の部屋に閉じこもってたようなところありましたよね」
とか、ね。

この、写経中に何度登場したかわからない「ごめんなさい」がくせもので、もうこのごめんなさいがあると、私のためを思って話してくれてるんだな感が半端なくて、去年も今年も私のことを見ててくれてありがとうってなる。来年も私を見ていてほしいってなる。

だいたいにおいて、家族と離れて暮らすようになってからこのかた、毎日私に関心をもって見つめてくれる人なんて世の中にそうそういないわけで、
なんかうまいことして、恋人や夫がそういう存在になったとしても、心底興味を持ってわき目もふらずに見つめてくれるのは、せいぜいもって3年くらいのことだよね。

だけど、しいたけ.さんは、何年も変わらず私たちを見つめ続けてくれるわけですよ。付き合いたての彼氏並の集中力で。
しかも私たちのどこを好きか、何が魅力なのか。そこが可愛いよ、あれも素敵だよと、ずっとそっと耳元でささやき続けてくれる。

これ、好きにならないほうがどうかしてる。

というわけで、今年もせっせとしいたけ.さんのフィードバックを、あるいはラブレターを受け取っている私です。
私の2020年は
「今の魚座って、ごめんなさい、かなりギラギラしているのです」
って言われました。

今年は超強運らしいです。
積極的にギラついていきたいと思います。
みなさま、今年もよろしくお願いします。

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しいたけ.さんが占いを学び始めたきっかけが、マキャベリの『君主論』を読んだからだという話をどこかで読んだことがあるのですが、あー、だからきっと、こういうお手紙のような原稿になるのだなあと、ルーツを知ったような気持ちでした。

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それではまた来週水曜日に。

佐藤友美さんのコラム「本という贅沢」のバックナンバーはこちらです。

人と比べないから楽になれる。自己肯定感クライシスに「髪型」でひとつの解を(佐藤友美/『女は、髪と、生きていく』)
片づけの本だけど「捨てる」本じゃない。「何を残すか」を決める本』(近藤麻理恵/人生がときめく片づけの魔法)
・『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』(中島輝/SBクリエイティブ)/
「どうせ私なんか」と決別する。SNS時代の自己肯定感の高め方

ライター・コラムニストとして活動。ファッション、ビューティからビジネスまで幅広いジャンルを担当する。自著に『女の運命は髪で変わる』『髪のこと、これで、ぜんぶ。』『書く仕事がしたい』など。

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