意識、どんどん下げてこう。by ナリくん

お正月はめでたくない。【ナリ心理学ナリくん】

心理学や哲学について、笑いを交えながら教えてくれる「ナリ心理学」ナリくんのエッセイ&お悩み相談。2020年最初のテーマは「お正月」です。お正月、実家に帰りたくないなあ…と思っている人たちへ。やりたくないことを嫌々やって過ごすほど人生は長くない。2020年は「やりたくないことをやらない勇気」を持とう、とナリ君は呼びかけます。

●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん 46

年末年始に実家に帰りたくない人へ。

僕の好きな言葉に「伝統は攻めるからこそ守られる」という言葉がある。誰の言葉でどんな文脈から生まれた言葉なのかもわからないけど。この言葉が好きだ。

「お正月」というものがある。

お正月には、餅食って凧揚げて、地元(実家)に帰り、親戚が集まって楽しくやる。それがお正月である。 太古の昔から、成人して実家から離れて暮らしている場合は、お正月とは、「実家に帰るものである」とされる。

なぜそうなのか?

それはお正月はめでたいし「そういうものだから」である(ちゃんとした理由があるのだろうけど、知ってる人は少ないだろう)。日本全国だいたい「そういうものだから」である。「ずっとそうだったから」だし、「他の人もそうしてるから」である。

お正月とお盆は、実家に帰るのが普通である。これがジャパンである。理由が分からなくても昔からずっとそうなっているし、親もお正月には子供が帰ってくるものだと信じてる。それが日本だ。

昔からそうなってるし、みんなそうしてる、だから我が家もそうするし、私もそうすべきである。そういうものだから。

そして、これがお正月をつまらなくする理由でもあると思う。

「昔からそうなっているから、あなたもそうしろ」というのは、普通に良くないと思う。それより、「昔からそうなっているし、楽しいからそうしろ」にしたほうがいいだろう。

嫌々守らされる伝統なんて悪習でしかない。悪臭放つし、やらされたら復讐したくなるほどムカつくし、普通に嫌いになるだろう。お正月嫌なら帰らなくていいと思う。人生は、嫌なことを嫌々するほど長くはない。

「やりたくないことをやらない」で人生は変わる

ナリの友達が昔、「おれは長男だから家の仕事継がなきゃいけない」と言っていたのを思い出す。当時はお互い20歳くらいだったけれど、僕(次男)は「継がなきゃいけないってなんだよ。継ぎたい!ならまだしも」とすごく思った。いちいち言わなかったが。

長男だから家を継ぐという伝統的な背景を僕は知らないが、知っていたとしても「やりたくないことを嫌々やる」理由には全くならないと思う。

お正月だから、それが普通だから、楽しくもないのに、仕方なく、実家に帰省した人へ。来年はもう帰らなくていいよ。やりたくないことをやるほど人生は長くない。あなたが嫌々実家に帰ってると、あなたにもし子どもがいたら、その子どもも将来「嫌々実家に帰ってくる」ことになるかもしれない。

人は自分が我慢したことを他人に強要する生き物だ。自分がされたことを他人にもしてしまう。連鎖を止めるには我慢して何かをすることをやめることだ。それが人や家族のためになる。

もっと言うと、「嫌なことはやらない」と決めると人生は根底から変わる。

「お正月だからって実家には帰らない」とすると親はびっくりして、何か言ってくるだろう。何か言われてあなたもムカつくだろう。そして、喧嘩にもなるだろう。

喧嘩してやっと、親は「うちの子は私に不満があるのか」と気付けたりする。そこからが本番だ。やっと、本音で話し合える家族へ一歩進んだのだ。喧嘩を避けた先にあるのは、自分が我慢すればいいという「事なかれ主義」だ。事なかれ主義の先にあるのは、寿命が来るまで我慢し続ける人生だ。

(家族と本音で話せない。喧嘩もできない人は、家族以外とも本音で話せず、喧嘩もできないので、家族以外とも事なかれ主義になる)

今回はたまたま時期だからお正月のテーマだけども、それ以外の場面でも「やりたくないことは勇気出して、やらないようにしよう」という考え方は、すごく人生を変えてくれると思う。

「来年のお正月は帰らない」と決めよう。その前に、「お盆は帰らない」から始めるか。

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月間400万PVのブログを運営する株式会社ナリ心理学を主宰。Amebaオフィシャルブロガー。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。