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『ドクターX』プロデューサー・内山聖子さん「私、失敗ばかりなので」

文:松永怜 写真:中村由布子
2019/11/15
好きを仕事に
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「私、失敗しないので」といえば、テレビ朝日・超人気ドラマシリーズ『ドクターX』の主人公、大門未知子の名台詞。彼女の言葉はいつも爽快、よくぞ言ってくれた!と感じる人も多いのでは。しかし、同番組の敏腕ドラマプロデューサー・内山聖子さんは、仕事も人生も失敗ばかりだったと語ります。「女は男の2倍働いても半分しか評価されない」と言われた時代に、どのように自分の道を開拓したのでしょうか。お話を聞きました。

  • 記事末尾でコメント欄オープン中です!

行く先々でシャッターが閉ざされて

――『ドクターX』をはじめ、数々のドラマを大ヒットさせている内山聖子さんですが、ご著書のタイトル「私、失敗ばかりなので」は意外でした。

内山聖子さん(以下、内山): 大門末知子のように「私、失敗しないので」と堂々と言える人はそういないですよ。人は誰でも失敗するし、私自身、仕事も人生も失敗ばかり。ただ、今までの経験からはっきり言えるのは、「失敗するが勝ち」ということです。人生で働いている時間は意外と長い。特に、20代30代のうちにできるだけ失敗しておいた方が、あとの人生が楽だと思いますよ。知識も技術も身について、自分自身の成長にもつながります。

――内山さんがテレビ朝日に入社された頃は、今以上に女性が職場で活躍するのは大変な時代だったのではないですか

内山: 新卒当時は、女性が同じ会社で10年も働いていると「まだいる!」とびっくりされていたような時代。そんな時代だったからこそ、失敗してもチャンスは絶対しがみつこうと思っていましたね。
新卒で秘書室に配属され、やっとの思いで制作部に異動できたことも大きかったと思います。

ところが、いざ現場に出たら、あちこちでシャッターが閉ざされてしまったんです。“秘書室からやってきた何も知らない若い女性”という感じですっかり浮いていて…...。誰かが仕事を教えてくれるわけでもなく、現場に行っても、ここには来なくていいよと言われてしまう。自分でどうにか抜け道を探そうと、それだけを一心不乱に考えていました。

今ならハラスメントになるかもしれませんが当時は「女は男の4倍働いても半分しか評価されない」と言われていました。4倍働かなきゃいけないなんて大変だな、と思うより、4倍でいいんだ!って。元々女性は働かなくていいよ、という風潮だったので、「あ、働いていいのね」と思ったんですよ。だって、おじさんたちはそんなに働いていないから、あの人の4倍ならいけるなと思ったぐらい(笑)

今は、SNSで情報が溢れ、人の成功を見て迷ったり落ち込んだりするかもしれませんが、ひとつのことに集中できる時代が私には合っていたと思います。

仕事の成功で、男性からの嫉妬を買ってしまう

―― 圧倒的な男社会の現場で、どのようにコミュニケーションを取ったのですか。

内山: 正直、仲間外れ感はありました(笑)。職人さんたちは挨拶をしても無視するし、仕事を聞いても素っ気ない。それに、男性同士って意外と群れるんですよ。仕事終わりに飲みに行っても、何となくはじかれている感じが分かるんです。はじめは少し無理してなじもうと思ったし、みんなと仲良く成長していきたかったけれど、違うこともわかりました。途中から群れる必要もないと思い始めてから、マイペースに動けるようなり、孤独にも強くなりました。

ただ、チームで仕事をする以上、人間関係が良いに越したことはない。私の場合はまずはお酒を飲みながら本音で話をしてみることにしました。すると、翌日にはコロッと態度が変わって口をきいてくれる人もいたほど。そうやってどんどん相手の懐に入っていきましたが、お酒が飲めなくても、相手に近づくツールはあると思うんです。他の仲間が手がけた仕事を調べて全身全霊で褒めるとか、何かひとつ話せることをつかむとか。自分以外の相手を想像することも大切ですね。

――仕事ができると嫉妬されるようなことはあったのでしょうか。

内山: 女性より圧倒的に男性からの嫉妬が嫌でしたね。少し仕事がうまくいったときに、「やっぱり女は得だ」といわれるんです。それでもどうにか奮起していると、生意気だとか、あいつはこういうやつだと陰口を叩かれる。ものすごくへこむし嫉妬を跳ね返せるほど強くはなかった。でも数年経ったらその人も異動するかもしれないし、へこんでいる時間に勉強して力をつけようと思いましたね。今の人たちにも言えますが、あまり神経質になってもムダですよ。言うほど人はあなたのことを思ってないし、見てないです(笑)

成功体験はすぐに捨てた方がいい

――「成功体験は捨てた方がいい」とありますが、これはなぜでしょう。

内山: 成功するとそこで満足してしまい、努力を辞めてしまうことがひとつ。2つ目は次に何か始めるときに、前回のやり方にこだわって自ら制限をかけてしまうことですね。
ひとつのやり方に縛られて、それ以外の発想や勇気が持てなくなります。成功したときはみんなで思いきり喜んで、そこからはもう過去のことと切り替える。すると次の成功に向かっていけますね。ひとつの成功に固執して、気が付いたら何十年もその自慢話だけでご飯を食べて行くことになるのもつらいですよね。

『ドクターX』もクラッシュ&ビルドを繰り返しています。同じメンバー、同じ病院、同じ術式、もっと言えば今ある台本を焼き直ししていけば、そんなにストレスなくできますが、それでは成功しないんです。シリーズ化する場合、同じようなことを繰り返しているように見えるかもしれませんが、さまざまな刺激や新しいものを取り入れて、勇気をもって壊していることがたくさんあります。0から作るより、進化させていく方が時間もかかるし、毎回書き直しも多くなります。これ、前やったよね?という既視感があるかチェックしたり、シリーズ化は思っている以上に大変なんです(笑)

―― 最後に読者の皆さんに一言お願いします。

内山: もちろん失敗したときは私ももがきます。そこで言い訳をしても相手にとっては関係ないこと。
それよりも、失敗した自分を一歩引いて見てみる。何が原因だったか、どう動けば良いか、試行錯誤を重ねていくと、成功したときの喜びは何倍にもなるんです。失敗する痛みを経験することで、自分自身の癒し方も段々とわかってきます。そもそもみんな失敗しているから「もうダメだ」なんて思わなくていい。もう少し自分に優しくしてほしい。自分にそんなに厳しくすることはないと思っています。
今はSNSから嫌な情報も入ってくるので、自分を殺してしまいがちですが、もう少しマイペースでいいし、自分を労わってあげてほしいですね。

『私、失敗ばかりなので へこたれない仕事術』

内山聖子

発行: 新潮社 価格:1,430円(税込)

●内山聖子(うちやま・さとこ)さんのプロフィール
1965年福岡生まれ。1988年津田塾大学英文学科卒業後、テレビ朝日入社。秘書室から、1993年制作現場へ。1995年からドラマプロデューサーとして『ガラスの仮面』、『黒革の手帳』、『ドクターX~外科医・大門未知子~』など連続ドラマ、スペシャルドラマを多く手掛ける。現在は総合編成局ドラマ制作部エグゼクティブプロデューサー。

松永 怜 ( まつなが・ れい)
東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。
中村 由布子 ( なかむら・ ゆうこ)
熊本県出身。カメラマン土井武のアシスタントを経て2008年フリーランスに。 カタログ、雑誌、webなど様々な媒体で活動中。二児の母でお酒が大好き。
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