telling, Diary ―私たちの心の中。

夜から昼に生活を改めたら、良い意味で価値観がぶっ壊れた

なまめかしく妖艶な表現力で性別問わず見る者の目を釘づけにするポールダンスのダンサーであり、注目のブロガー、ライターでもある“まなつ”さん。彼女が問いかけるのは、「フツー」って、「アタリマエ」って、なに? ってこと。 telling,世代のライター、クリエイター、アーティストが綴る「telling, Diary」としてお届けします。

●telling, Diary ―私たちの心の中。

少しずつ暖かくなってきた今日この頃。 私は昼間に動くことが増えてきました。

というのも、ポールダンサーは基本的に、夜の仕事ばかり。
日中起きてはいますが、起床は遅く、一日の本番は夜。
自然と夜働く友人が増え、夜働く人ならではの遊び方や過ごし方をするようになります。
あるときは仕事終わりにクラブに行き、繁華街にある朝までやってる定食屋でシメる。
またある時はやはり仕事終わり、朝までゆったり長居できるカフェバーで同僚とだらだら。
夜働き、昼は寝て、また夜…。完全な昼夜逆転が当たり前でした。

そんな生活も楽しかったのですが、やっぱり不健康かな~と思い朝方の生活に切り替えることにしました。
今までの仕事を少しずつ変えていき、夜も早く終わるスケジュールに。
さらにはジムに行くなど朝起きざるを得ない用事を作ることで、強制的に朝型生活への移行に成功。
朝起きて、昼間動くことの新鮮さ。眠くてもとりあえず起き、陽の光を浴びます。

一番違いを感じたのは、買い物。 夜型生活中は仕事終わりの買い物がほとんどで、朝までやっている、もしくは24時間のお店に行っていました。同じように夜働いて、帰りに日用品を買う人に囲まれて。
朝型生活に変えてからは閉まる時間の早い八百屋さんや、少し足を伸ばして産地直売系のお店に行き、新鮮な野菜を購入。周りはお子様連れで賑わっています。
ずっと夜に生きていたから、知らなかった世界がここにあったんだなあ、気付かずに生きていたんだな、と不思議な気持ちになりました。

昼型生活に変えてから、なぜかもっと外に出てみようと思うようになりました。
人混みが嫌いな自分の性格も相まって、夜型の時は昼、外に出る気がしなかった。 夜の遊びはたくさん知っていても、昼間に出かけるのはなんとなく億劫。
昼出かける利点は「平日だと空いてること」しかないと思っていました。
けれど今、朝起きるようになり、昼間だからできる楽しいことや面白いことがたくさんあると感じています。
ポールダンスだってやろうと思えば、昼間にすることもできるはず。
最近では大道芸でポールをする人や、昼間のショーのお仕事もちらほら見かけるようになりました。
ポールダンスは夜のものだと思っていたけど、そんなこともなくなってきているようです。

またひとつ自分の思い込みに気づいた春。
この先も自分の価値観をぶっ壊してくれるものにまだまだ出会えるかな。

ポールダンサー・文筆家。水商売をするレズビアンで機能不全家庭に生まれ育つ、 という数え役満みたいな人生を送りながらもどうにか生き延びて毎日飯を食っているアラサー。 この世はノールール・バーリトゥードで他人を気にせず楽しく生きるがモットー。
まなつ