telling, Diary ―私たちの心の中。

「結婚してるの?」なんて当たり前のことがめちゃめちゃ嬉しかった日

なまめかしく妖艶な表現力で性別問わず見る者の目を釘づけにするポールダンスのダンサーであり、注目のブロガー、ライターでもある“まなつ”さん。彼女が問いかけるのは、「フツー」って、「アタリマエ」って、なに? ってこと。 telling,世代のライター、クリエイター、アーティストが綴る「telling, Diary」としてお届けします。

年明けから一ヶ月。妻と二人で始めたジム通い、ちゃんと続いてます。
クロスフィットの「基礎コース」というものを申し込んでいたので、まずはスクワットやシットアップなどの基本の動きのレクチャーをみっちり習いました。
幸いなことに私も妻も、ある程度はジムでの筋トレを経験していたので、そんなにてこずらずに済みました。
私たちの先生、名前はデイヴィッド。ジムのオーナーでもあり、アメリカ出身のかなりガタイの良い男性。
イエーイ!今日も頑張ろうな!と、早起きで低血圧な私たちの2倍くらいのテンションで迎えてくれます。

コースの後半では、バーベルを使ったトレーニングをしました。
ウェイトリフティングのBIG3と呼ばれているうちの二つ、デッドリフトとバックスクワット。
正しいフォームを教わり、自分の体重より重いバーベルをデッドリフトで持ち上げ、終わる頃にはエネルギーを使い切っています。
トレーニング後は、達成感と心地よい疲労を感じながらシャワーを浴びるのが最高に気持ちいいです。

「二人は結婚してるんだよね?」

さて基礎コースも終わったので、いよいよ通常コースに参加するために入会手続きをしました。
入会金を払おうと、妻と二人で受付に行きデイヴィッドに入会したい旨を伝えます。
すると不意に「あのさ、二人は結婚してるんだよね?」と聞かれました。
特に「私たちはカップルなんです」とかそういうことは言ってなくて、かといって隠していたわけでもなかったのですが、やっぱりバレてたかーと私も妻もなぜか照れてしまいました。

二人で住んでる、とか一緒にトレーニングしてる、ということは伝えてあったので、当然といえば当然。
でも、もしかしたら気づかないかもね。ただの友達同士と思っているかも、なんて話してはいたのですが、そこはこのジムの特性なのでしょう。オーナーが外国人だからか、会員の9割が外国人。インストラクターも多国籍で、トレーニング指導は基本的に英語で行われています。
国際的な環境なので、私たちのような同性カップルの会員も珍しくはなかったのかもしれません。
「恥ずかしがることじゃないでしょ(笑)パートナー同士ならペア割があるからね。」とのことで、ラッキーなことにペア割引での入会となりました。

愛し合う人々が、当たり前に受け入れられる日が来ることを信じる

帰り道、休憩がてらカフェに入り「結婚してるの?だって~!」と思わず二人ではしゃいでしまいました。
まるで二人の仲を公に認めてもらえたみたいで、嬉しかったから。
同性・異性にかかわらず、当たり前のようにパートナー同士で割引が使えるなんて。
パートナーであることを宣言しても、当然のように受け入れられる場所。
まだまだおおっぴらに言うのは勇気がいる世の中で、そういう場所があるのは本当にありがたい。

愛し合う人々が、当たり前に受け入られる日が来ることを私は信じています。
世の中は少しずつだけど変化してきている。そんな流れに乗って生きていきたい。
「当たり前なんだけど、めちゃめちゃ嬉しい」をちょっとずつ増やしていけたらいいな。

ポールダンサー・文筆家。水商売をするレズビアンで機能不全家庭に生まれ育つ、 という数え役満みたいな人生を送りながらもどうにか生き延びて毎日飯を食っているアラサー。 この世はノールール・バーリトゥードで他人を気にせず楽しく生きるがモットー。
まなつ

Pick Up

ピックアップ
【パントビスコ】私35歳、8歳年下との結婚ってどう思いますか?
テリやきテリ世の甘辛LINE相談室
【パントビスコ】私35歳、8歳年下との結婚ってどう思いますか?
ヒント 恋愛
不妊治療を始める前に知っておきたい「特別養子縁組制度」 産むとは、育てるとは
産婦人科医・高尾美穂さん×アクロスジャパン・小川多鶴さん
不妊治療を始める前に知っておきたい「特別養子縁組制度」 産むとは、育てる
家族のかたち 妊活 子育て