世界の女性たち

ソーシャルメディア年代【世界の女性たち】@ノルウェー

ノルウェー在住(21歳) telling,では、街頭でのインタビューを中心に、ミレニアル世代をはじめさまざまな世代の女性たちからお話を聞き、“リアルな声”を伝えています。でも、日本だけじゃなく、世界のもっといろんな場所の皆んなのことも知りたい。毎回ドキッとさせるフォト&エッセイを連載中のRuru Rurikoさんが、ノルウェー女性のイザベルさんにインタビューし、“SNSとの付き合い方”について記事を寄せてくれました。

ネットは何でもできてしまうような自由を与えてくれるけれど

 現代のSNSは色々な面で私たちに影響しているし、避けられない。ネットは悪い面と良い面が両方同じくらいあって、子どもの頃からSNSがある環境だったら、周りから影響を受けやすい年頃には使い始めている。そんな時、ネットはあなたに何でもできてしまうような自由を与えてくれる。
 でも、それと同時にあなたは ”世界中から見られている” ことになる。この”自由”は私たち若者の声を世界と繋げてくれるのかな?

 私が思うその自由を手にすることでの問題点は、「多くの若者は自分の声をどう使うかまだわかっていない」ということ。

 SNSでの若者たちのセルフィーなどからみる、ナルシシズムやフォロワーで自分の価値を見せる等のことは近年多く議論されている。
 そして、私より年下の世代、今の子ども達は、自分の日常を公開するYouTuberやBloggerなどの人々が、常にセルフプロモーションをする文化の中で生まれ育っている。SNSを持っていて、常にネットにいることが当たり前になっている人々は、SNSのあり方について疑問を持つこともない。だからこそ、私はSNS問題について考えることは大切だと思う。

そんなに自分の顔が並んでたら、変な感じしない?

 そんなこと言っても私たちはデジタルの時代に生きてるから、勿論ネットやSNS を使うその時間って有意義なものだった?
 他のテクノロジーでもそうだけど、どうやって使うのかきちんと考えないといけないなって思ってる。例えばオンラインに写真をあげる時は、あげてるんだって自覚してするべき。

プライバシーに関してはまた別問題。今って加工なし画像だったりリアルな物が求められてるけど、私達自身のプライバシーについてはどう思う? とても個人的な貴方や貴方の大切な人だけの時間ってあるよね。そういうものを公開するのってどうなんだろう?大切な人との間だけで分かち合うのではダメなのかな。
 時々自分のインスタにセルフィーばかりあげて、そのページをしょっちゅう自分で見てる人を見かけると困惑する。そんなに自分の顔が並んでたら変な感じしない?そんなに見てて飽きないのかな?そういうのってもう癖になってるんじゃないかと思う。
 人間はみんな、少なからず他人から認められたいという願望があると思うけれど、SNSは私たちのそう言った部分が見える場所。
 私はその”認められる”ことをSNSでのセルフィーで求めるのは違うと思う。勿論、セルフィーを上げてる人みんなが認められることを求めてるわけじゃないのはわかってる。でもみんな、一度自分自身に問いかけてみてほしい。

自分の素を見せなきゃいけない、というトレンド

 男女問わず多くの人が外見や表向きの楽しそうな時間、に執着しているし、なんだかもう、もしSNSで写真を公開しなかったらその出来事はなかったかのように扱われてしまうみたい。それで今は#スッピンっていうハッシュタグが沢山の使われるように、自分の素を見せなきゃいけないっていうのがトレンドだし。もっと周りにどう見られるかってことを気にしないで、好きなものをSNSでシェア出来ればいいのに。

 SNSのネガティブな面について散々話しちゃったから、今度はいい面について。自分のセルフィーばかりじゃなくて純粋に好きなものや興味のあるものなどについて、社会問題などについて話してるアカウントは好きだし、フォロワーが沢山いる人が社会問題についてSNS で書くのはいいことだと思う。

 例えば女優のエマ・ワトソン。彼女は女優で、男女平等を目指す国際的団体UNウィメンの親善大使でもある。彼女のように有名で若者のフォロワーが沢山いるような人が、SNSで世界で起こっている問題、例えば中東でISISに奴隷にされその後性的暴力を受けた女性たちのトラウマや男女の賃金格差、そう言った活動について話して、人々に知識や問題を伝えるのは素晴らしいし、SNSを上手く利用している例だと思う。

自分自身について気にしすぎて、周りで何が起こってるかを忘れてしまう

 SNSによって私たちは自分の見た目や自分自身について気にし過ぎてしまっている。そこに集中し過ぎて、世界で、自分の周りで何が起こってるかなんて忘れてしまうの。UNウィメンの素晴らしいところは忘れられている、聞いてもらえていない人々の声を拾っていること。インターネットやSNSはそう言ったことや、他の国の文化や知らなかったことについて知ったりするために使うのがいいと思う。
 私は個人的に世界中のアートを見たり、そう言った人と繋がる場としてInstagramを使ってるよ。

 SNSが近い将来、この世から消えることはなさそうだし、私たちが有効的に使えたらいいと思う。やり方次第では素晴らしいものだと思うから、自分で考えて、選択して使っていきたいし、みんなにもそうしてほしいな。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。