シルク・ドゥ・ソレイユ パフォーマー池田一葉さん(37歳)

年を重ねたからつかみとれるチャンスもあると思うんです。

シルク・ドゥ・ソレイユ パフォーマー池田一葉さん(37歳) ステージの上で見た彼女は、地面を滑るように移動し、機械のような動きをする不思議なキャラクター。それだけに、テントの外に現れたときは「わ!本当に人間なんだ!」と驚いてしまいました。現在、東京・お台場で好評公演中の「ダイハツ キュリオス」(シルク・ドゥ・ソレイユ創設30周年記念作品)で唯一の日本人アーティストとして出演している池田一葉さん(37)。「自分の経験がシルクを目指す人たちの、力になるなら」とインタビューに応じてくれました。

8回目の挑戦で夢をつかむ

 やっと念願かなって、シルク・ドゥ・ソレイユのメンバーとして出演できました。
あこがれたきっかけは、ダンス留学中の2005年にラスベガスで見た「KÀ(カー)」。とっても感動しました。でも、アクロバットなショーだったので、自分には縁がないんだろうなとも思っていました。ただ、アメリカ人の友人がショーに出たこともあり、いつかは自分も、と憧れはありました。

 初めてオーディションに挑戦したのは2011年。全然手応えはなくて、ぼろぼろでしたね。次の年に再チャレンジ。そこで登録アーティストになれました。とはいっても、まだスタートラインに過ぎないんですよね。登録アーティストの中から、ショーに出演できるのは5%とも言われています。8回目の挑戦で、やっと舞台に立つ夢をつかみました。それが今回のキュリオスです。

何度も「次で辞める!」と宣言

 何度も何度も落ちているので、そのたびに辞めようと思っていました。友だちにも「次落ちたら辞める!」って宣言して、期限を決めるんですけど、やっぱり諦めきれないんです。「夢を叶えるまで」というよりは、「自分が納得できるまで」は挑戦し続けるつもりでした。落ちるたびに、「もっとスキルアップする!」という気持ちになるんですよね。まだまだ上達できると思っていました。私をよく知る人からは「また『辞める』って言ってるよ」って思われていたと思います(笑)。

 一方で、実力があっても自分に似合う役がないと選ばれないというのも事実です。今回私もダンサーではなく、フィジカルアクターといって物語を説明する役割をする「クララ」という役で出演しています。得意のダンスだけをやっていても、このクララという役はつかみ取れなかったと思います。シルク・ドゥ・ソレイユを目指していらっしゃる方には、長い目でみてダンスだけじゃなく色んなことを楽しんで、学んでくれたらなと思います。

 クララは、表現豊かな役。留学時代の経験が役に立ちました。03年からダンスの留学でロサンゼルスに行っていたのですが、最初は全然英語が話せなかったんです。でも、アメリカ人は個人主義で、私の感情をくみ取るなんてことはしてくれない。とにかく大げさに感情を表現していました。うれしいときは100%の笑顔。その表情がクララを演じる上で役に立ちました。

Photo: Martin Girard / shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil

諦める理由に年齢は使わない

 日本人だからこう、っていう言い方は良くないとは思うんですけど、日本人って自分たちを過小評価していると思うんですよね。まじめで、細かいところに気がつく点は世界からすごく評価されているのに。日本人の中で、「自分たちなんか」という気持ちのかせを外せばいいのになって思っています。

 「何歳までに○○する」っていう考え方も多いですよね。私は36歳でやっと夢がかなった。一般的には遅咲きって思われるかもしれない。だけど、36歳だから演じられるクララもあると思うんです。逆に、今で良かったって。年を重ねたからつかみとれるチャンスもあると思うんです。何かを諦める理由に年齢を使うのは良くないなって思います。

 結婚も出産も、したいなら、産みたいならすればいい。そうじゃないなら無理してすることはないと私は思います。

 夢があるなら、40代でも50代でも始めればいい。起業するでも、医者や女優になるでも。私も、この夢を全力で楽しんだあとは、次の夢にも挑戦するつもりです。これまでは自分のことだけを一生懸命してきたので、次は社会貢献をしてみたいなって思っています。

Photo: Martin Girard / shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil

【東京最終公演中】フィナーレは7月8日

Photos: Martin Girard, Pierre Manning / shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil
  • シルク・ドゥ・ソレイユ「キュリオス」日本公演
  • ●東京公演 料金
  • 平日大人SS席12,500円、S席10,000円、A席6,500円、SS席(オリジナル特典付き)20,000円(土日祝は+1,000円、すべて税込。その他、学生・子供席・車イス席あり) ※車イス席はインフォメーションデスクのみでの販売となります。※車イスでご来場のお客様はインフォメーションデスクに事前にご連絡ください。※演出機材により一部が見づらい席あり、※都合により公演の内容を一部変更する場合あり。※演出機材により、舞台の一部が見づらい席あり。※その他、注意事項・席種の詳細は公式HPまで
  • ●場所 お台場ビッグトップ
  • ●チケット購入 インフォメーションデスク 0570・020・520(10~18時対応)公式HP:www.kurios.jp
  • 【大阪公演】7月26日~10月29日
    【名古屋公演】11月22日~2019年1月27日
    【福岡公演】19年2月15日~3月31日
    【仙台公演】19年4月~
20~30代の女性の多様な生き方、価値観を伝え、これからの生き方をともに考えるメディアを目指しています。
フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
好きを仕事に