FP fumico マネーリテラシーは“道しるべ” ~お金の勉強は、思い立ったが吉日!
早く学ぶほど、長く活かせる
「マネーリテラシー」と聞くと、その言葉だけで何だか難しそうだと感じる方も多いかもしれませんが、一言でいえば金融リテラシー同様、「お金に関する知識や判断力」。
私たちが生活していくためには、どんな時でもお金が必要ですから、これらを身に付けることは、誰にとっても必ず役立ちます。早く学ぶほど、長く活かすこともできます。
お金を使う様々な場面において、どのように判断するのが適切かを考えるための“道しるべ”ともいえますから、善は急げ! ぜひ今日から学び始めましょう。
知るぽるとの金融リテラシー調査については、比較を行えるようにとの意図から毎回同じ設問が出題されていますが、社会保険料や税金に関する設問はありません。
「お金に関する知識や判断力」をうたうのであれば、私たちにとって最も身近なのに意外と知られていない、これらに関する設問があってもいいのではないかと個人的には思います。
金融リテラシークイズといって、家計管理や金利、金融トラブルに関するクイズも掲載されています。計5問と気軽にチャレンジできますから、試してみるのもオススメです。
心の“クセ”を問う設問も
行動経済学については前回、お話ししました。
私たちには、「利益を得たことによる嬉(うれ)しさ」よりも「損失が生じたことによるショック」の方を大きく感じてしまうといった「損失回避性」以外にも、様々なバイアス(物事を判断する時に、無意識に偏った見方をしてしまう、心の“クセ”)があります。
金融リテラシー調査の中で、このバイアスに関する設問をご紹介します。
① 類似する商品が複数あるとき、自分が「良い」 と思ったものよりも、「これが一番売れています」と勧められたものを買うことが多い
→自分の判断基準よりも、周りの人や口コミなどの評判を重視してしまう「横並び行動バイアス」。
② お金を必ずもらえるとの前提で、(1)今10万円をもらう(2)1年後に11万円をもらう の2つの選択肢で、(1)を選ぶ人が多い
→本来なら(2)の方が利益が大きいにもかかわらず、「今」もらえることを優先してしまう「近視眼的バイアス」。
こういった心の“クセ”があることを知っておけば、「ついつい流されそうな自分」をコントロールし、ブレーキを掛けることもできます。
金融教育は始まったけれど…
2022年4月から成人年齢が引き下げられ、18歳、つまり高校3年生で成人に達し、親の同意を得なくてもクレジットカードなどの契約を行えるようにもなりました。これにより“大人”になったばかりの10代がお金のトラブルに巻き込まれる事例も増えており、「絶対に儲(もう)かる」との言葉をうのみにしてはいけないなど、正しい知識を身に付ける必要が高まっています。
22年4月からは高校で金融教育が始まったものの、まだ手探りの状況。そもそも日本ではこれまで金融教育が行われておらず、教える側である教員にも知識が不足していたり、大学受験に必要な科目が優先されたりといった事情もあるようです。基礎から体系立てた学びができるようになるには、もう少し時間が必要かもしれません。
ただ、最初に書いた通り、お金の知識は早く学ぶほど、長く使えます。“近視眼的バイアス”に陥ることなく、学びの時間を設けてほしいと感じます。
人生100年時代だからこそ、重要なこと
自分は学生の頃に学んでこなかったから、もう遅い……と悲観する必要はありません。ノートにも書きましたが、既に大人になっている私たちの最大の強みは、学びながら同時に実践もできること。
人生100年時代が近付いている今、telling,世代のみなさんが学び始めるのに“遅すぎる”ということはありませんからご心配なく。
私はファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格であるCFP®という資格を持っていますが、社会保険や税金に関する制度は毎年のように制度改正が行われますから、「一度取ったら終わり」ではなく、学び続ける必要があります。
お金に関しても、キャッシュレス決済や仮想通貨のように昔はなかったモノが今後も出てくる可能性が大きい。基礎的な知識をしっかり身に付けた上で、新しい知識も取り入れていく必要があります。金融教育を受けたと認識している人であっても油断することなく、学び続けることが重要です。
学びの方法については、今後この連載でもご紹介する予定です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
FP fumicoの“Live colorfully”の次回は、5月26日に公開の予定です。