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「運命は幸せな方にしか転ばない」鈴木愛理さんが悩み考える仕事・結婚・出産

歌手・モデル・女優として活躍する鈴木愛理さん。サッカー日本代表・田中碧選手との交際を公表していて、一部では近々結婚の報も。現在はABEMAのドラマ『ANIMALS‐アニマルズ‐』で、迷い悩みながらも幸せをつかみ取るヒロインを演じています。主人公と同じく、愛理さんも仕事や生き方に悩んだ時期があったといいます。28歳になった愛理さんに、一歩踏み出すためのきっかけや仕事、結婚などに対する思いを聞きました。
鈴木愛理さんの撮り下ろし写真 コロナ禍で気付いたステージに立つ意義 ABEMAドラマ『ANIMALS‐アニマルズ‐』主演の鈴木愛理さん

――8歳から芸能活動を始め、仕事の傍ら大学へも進学しました。仕事と勉強の両立は大変だったのでは?

鈴木愛理さん: 小学生の時にこの世界に入る時に、両親と大学まで進学することを約束しました。また、歌うだけではなく、歌詞も書きたかったので、曲を聴いて下さっている普通の人の価値観を持ち続けていたかったこともあります。例えば、「今日はテストが上手く行ったから、いつもはファーストフードですませるところを飲みに行こう!」という小さな喜びを味わいたかった。芸能活動をしている自分と人間としての鈴木愛理を忘れたくなかったんですね。

なので、中学校はもちろん、高校も普通高校に行き、高校2年、3年は大学進学のために1.5時間睡眠で勉強していました。

当時の友人とも今も交流があり、SNSで近況を共有しています。中学校の時の友人はソフトボール部の子たちが多かったのですが、当時はみんなショートカットだったのに女性らしい外見になり、驚いています。

――28歳になって、仕事はもちろん、結婚、出産など視野に入れると悩む時期だと思いますが、将来のライフスタイルをどのように考えていますか。

鈴木: 女性の幸せは結婚がすべてではないので、絶対結婚しなければとは思っていませんが、やはり、自分の家族のような家族が欲しいので、結婚していつかは子どもも産みたいと思っています。

自分を担当して下さっているヘアメイクさんが結婚した時に「なぜ結婚したのですか?」と聞いたところ、「自分は怒らないタイプだけど、結婚相手に対しては初めて『ダメなものはダメ』と怒ることができた」と言っていたのをとてもよく覚えていて。

感情をすべてさらけ出せる人に出会ったということですよね。素敵な話だと思いました。

――仕事と家庭の両立はできそうと考えていますか。

鈴木: 先月30日に芸能生活20周年を迎えましたが、仕事がいつも隣にありました。20年間続けてこられた理由は「愛理ちゃんが笑ってくれたから、明日またがんばれる」と言って下さったファンの方の存在があったからです。ファンの方の存在は他人には思えず、また守らなければならないもののように感じています。なので、歌手でも女優業でも表現形態は問わないので、やはり仕事は続けたいと思っています。

一方で、私自身の母の姿をみているので、いつかは家庭に入るのかなという気もしていて…。母はプロゴルファーでしたが、同じくプロゴルファーだった父との結婚と同時に専業主婦になりました。母は「人のために時間を使う人」というイメージがあります。家族に尽くすのが私の生き方なのかなと感じる時もありますね。

結婚・出産する友人を見て……

――理想のお母さまなのですね。

鈴木: はい。10年前は「将来は何をしたいですか?」と聞かれて、「母と同じ道を行きたい。結婚したら仕事は辞めて専業主婦になります!」とあの頃は屈託なく宣言していました。

ただ、10年前とは時代の流れが変わりました。コロナでリモートワークも始まりましたし、働く上での選択肢が増えたように思えます。仕事も子育ても「これはできない」という固定概念は持たずに、その時々で自分にとって最善の道を選びたいと思っています。「自分だったらできる」と思ったことは仕事でもプライベートでもチャレンジしたいです。

ただ、結婚・出産をいつするべきなのか、どのような環境でするべきなのかは、ものすごく悩んでいますね…。

アイドル活動していた頃のグループのメンバーが結婚したり、大学の親友の結婚式にも行くようになり、それについては考えるようになりました。子どもを産んで育て始めた人もいて、25歳の時よりもより現実味をひしひしと感じています。

子どもを産んで育てることは、本当に凄いことです。結婚・出産をしている友人を見ると、次のライフステージに進んでいると感じます。心の中に余裕があるというか、仕事中心の生活から、他人のことを考えることで、おおらかな大人の女性に成長している気がしますね。

一周回って答えが出ることも

――鈴木さんと同じ世代のtelling,読者層へメッセージをお願いします。

鈴木: 20代後半と言えば、夢が一瞬でも叶ってキラキラしている人もいると思うし、全く辿り着かずにもがいている人たちもいると思います。

人によって置かれている状況は違うと思いますが、これから先、結婚をして、出産をして…とステップを踏んでいくと、誰もが今までと同じ立場ではいられません。「やりたいこと」と「できること」との間で物凄く悩むと思います。

私はグループを解散した後、自分がこれからどうしたいのかを悩み抜き、一周回って答えが出たと感じています。自分と向き合うのは怖いことででもありますが、前に進むために「自分は本当は何がしたかったのか」と、一回とことん考えてみることが、必要なのではないでしょうか。

AとBがあったら、ずっとAでがんばるのは幸せだと思っていたけど、意外とBが幸せで、その結論に辿り着くためにこんなに悩んでいた。悩んだ時はそんな風に考えています。

そして、その時にいつも感じるのは「運命は幸せな方にしか転ばない」ということ。

28歳は私にとって憧れの年でした。自分が何をして来たか、どのように生きて来たかがあぶりだされて女性として輝く年だと思っていたからです。

20代後半は誰にとってもそんな時期のはず。なので、これからも幸せでいるために、みなさんも自分と向き合ってとことん考えてみるといいのかもしれません。

鈴木愛理さんの撮り下ろし写真 コロナ禍で気付いたステージに立つ意義 ABEMAドラマ『ANIMALS‐アニマルズ‐』主演の鈴木愛理さん

●鈴木愛理(すずき・あいり)さんのプロフィール

歌手。1994年4月12日生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2002年、「ハロー!プロジェクト」に加入。2005年6月、アイドルグループ「℃-ute」を結成。2007年2月にメジャーデビューし、同年10月、派生ユニット「Buono!」を結成。2017年6月、℃-ute解散後はソロとして活動し、ドラマなどにも出演。今回のABEMAドラマ『ANIMALS―アニマルズー』が初主演ドラマとなる。

■ABEMAドラマ『ANIMALS‐アニマルズ‐』(配信中)

エピソード数:全8話
配信日:2022年6月23日配信開始 毎週木曜夜10時~            
放送チャンネル:ABEMA SPECIALチャンネル
放送URL: https://abema.tv/video/title/90-1680
出演:鈴木愛理 本田響矢 村上愛花 星乃夢奈(ゆな) 白洲迅
製作・著作:AbemaTV

ライター、合同会社インディペンデントフィルム代表社員。阪南大学経済学部非常勤講師、行政書士。早稲田大学法学部卒業。行政書士としてクリエイターや起業家のサポートをする傍ら、映画、電子書籍の製作にも関わる。
1983年生まれ。出版社勤務を経て、2008年 フリーランスフォトグラファーに。「温度が伝わる写真」を目指し、主に雑誌・書籍・web媒体での撮影を行う。