木竜麻生さん 「眼差しに優しさがある大人になりたい」
――現在木竜さんは27歳ですが、今後どのように年齢を重ねたいですか。
木竜麻生さん(以下、木竜):これから出会う人にも、自分についても、先入観を持たずにちゃんと見つめられるといいなと思います。誰か、そして自分自身を見る眼差しに優しさがあるといい。年齢を重ねていき、そんな大人になりたいですね。まだイメージなので、私が言う“優しさ”については、ゆっくりと答えを見つけていけたら。
――現時点では?
木竜: 映画での俳優さんとの出会いなどで、自分にない感覚や違う考えを聞いたりすることをすごく楽しめていますから、学生の頃よりは柔軟になっているのかな。いつでも誰かの言葉や感情を受け止められる、柔らかさは持っていたいですね。
――映画『わたし達はおとな』では、同棲相手との関係で悩む大学生を演じられていました。木竜さんご自身の理想の恋愛は。
木竜: 私は浮き沈みが激しく、頑固なんです。楽しいときはテンションが上がる一方だし、考え事をし出すと考え込んでしまう。だから“わたわた”している私の一面も面白がってくれる人がいいと思いますし、相手のそんなところを面白がれたらいい。ご飯を美味しく一緒に食べられるっていうのは、自分の中では大事なことかもしれないです。
――結婚は意識されますか。
木竜: 一つ上の兄は結婚していますし、両親も早かったのですが、私自身は結婚願望は強くなくて。一緒にいたいと思う人に出会い、結婚を決断した父母と兄は尊敬しています。私はあんまり焦っていません。だけど一緒にいたいって思う人に出会えたり、自分が夢中になってやりたいことがあったりしたら、豊かな人生になるのかな、って思っていますね。
「やりたいな」で世界の見え方が変わってくる
――20代のうちにやってみたいことはありますか。
木竜: 普段走ったり歩いたり、体を動かしているのですが、ここ最近はキックボクシングに挑戦したくて。男兄弟がいるので、テレビでボクシングの番組がよくついていて、見るのは好きでした。今でも、「ボクシングの中継を見た、やばかった」みたいなメッセージが家族LINEにきて。ふと「やりたい」と思って。今年中に一回、体験に行こうと思っています。20代のうちに3分のスパーリングができたらかっこいいな。乗馬も気になるし、挑戦したいことは、多いですね。
――ご家族の影響なんですね。
木竜: 割ととそういうものが多いです。音楽も家族の影響で好きになりましたし、映画も。お仕事を始めてから、映画好きの兄に映画のことを、聞くようになりましたね。兄弟仲はいいですよ。
――同じような年代の女性の中にはやりたいことはあるけれども、色んな理由から踏み出せないという女性もいます。
木竜: 自分の中でやってみたいことが見つけられた感覚や感受性が、まず素晴らしいものだと思います。先ほどのキックボクシングも、最近、急にやりたい気持ちが湧いてきたもの。私もそれまでは、「やりたい」とか「やってみたい」と思うこと自体が本当にあまりなくて。
踏み出せないのには色々と理由があるでしょうから、「簡単に頑張りましょう」とは言いたくないんですけれど......。「やりたいけどできない」ではなくて、「いつか、やれたらいいな」という感覚でいてほしい。私もキックボクシングへの関心のおかげで、普段生活している世界の見え方が変わったような気がしますから。
●木竜麻生(きりゅう・まい)さんのプロフィール
1994年、新潟県出身。
14歳の時に原宿でスカウトされ、大学進学を機に上京。本格的に芸能活動を始める。
2014年の『まほろ駅前狂騒曲』で映画に初出演し、18年には、『菊とギロチン』で映画初主演と、『鈴木家の嘘』のヒロイン鈴木富美役を演じ、第73回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞などを受賞した。
ヘアメイク:主代美樹
スタイリスト:神田百実
衣装:全て税込
ブラウス ¥33,000/TELOPLAN
イヤリング ¥16,500/petite robe noire
他スタイリスト私物
映画『わたし達はおとな』
監督・脚本:加藤拓也
出演:木竜麻生 藤原季節 菅野莉央 清水くるみ 森田想
桜田通 山崎紘菜 片岡礼子 石田ひかり 佐戸井けん太
2022年6月10日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国公開
配給:ラビットハウス
©2022『わたし達はおとな』製作委員会