田中みな実さん「ずっと独りでも、後悔はない。それだけ素晴らしいものをつくっているから」

映画やドラマ、バラエティ番組などで幅広く活躍している田中みな実さん(34)。10月20日には、PEACH JOHNとコラボし商品のガードルを開発しました。身体の変化をどう捉えているのか、俳優、そして女性として30代前半をどのような思いで過ごしているのか、田中さんに聞きました。

「美しくありたい」は自分の心身の健康のため

――ご自身の身体について、年齢を重ねるごとに感じる変化は?

田中みな実さん: 11月で35歳になります。20代の頃のようにはいかないし、ハリも徐々に失われています。腰回りにお肉がつきやすくなって、トレーニングをしてガードルを履いても10代の頃のお尻とは違います。胸の位置だって「こんなところにあったっけ?」と鏡に映る裸にびっくりすることも。でも、悲観しても仕方がありませんし、昔に戻れるはずもないんです。だからといって、この先どんどん自分の身体を嫌いになっていくのは、あまりにも悲しい。
私は10代、20代の頃よりも今の自分の身体が好きです。時間をかけて、手間をかけて、知る努力をしているから。「向き合う」と言うと、がんじがらめになってしまうから、まずは知ること。そして、この身体に対して「何ができるかな」と考えることが大切です。
この先ずっと「やだな、隠そう」ではなく、「肉質は変わってきたけど、これはこれで好き。うん、かっこいい」と思える身体でいたい。そのためにガードルを履く習慣は欠かせないのです。

©講談社

――「美しくなければならない」という無言のプレッシャーを、女性は常に感じているように思います。苦しくなることはないですか?

田中: 被写体としてのお仕事もさせていただいているので、「期待を裏切れない」とは思いますが、苦しくなったりはしません。
私の場合、「美しくありたい」という気持ちは完全に自分のためなんです。お肌が綺麗だと1日ハッピーな気持ちでいられるし、吹き出物がなくて調子がよかったら、それだけで多少の嫌なこともやり過ごせます。でも、肌の調子がいいからといって、意中の彼からアプローチされるわけじゃないですよね。小さな変化って自分にしかわからないもの。だから、自分の心身の健康のために、綺麗になる努力は怠りたくありません。

学生の頃はたしかに「モテたい」という気持ちが先行していたかもしれません。でも、これ男性に置き換えて考えてみてください。モテるための努力を一生懸命にしている男性と、仕事をものすごく頑張っている男性、どちらが魅力的でしょうか?圧倒的に後者ではないですか。人からどう見られるかを気にして表面的に自分を磨くのではなく、「自分を好きになりたい」との思いから身体も肌も内面も磨いている女性のほうがよっぽど魅力的だと思うんです。

ひとつのものに込める魂、並々ならぬもの

――幅広く活躍している田中さんですが、今回はガードルの開発に携われました。今後もこのようなお仕事はされますか?
田中: 「商品をつくるってこんなに大変なんだ」と実感したので、しばらくはできません(笑)。
私、嫌われたくないんですよ。世間にどう思われてもいいけど、一緒にお仕事をする人たちには嫌われたくありません。かといって、作りたいものへの妥協はできないし……。大変なんですよね、モノづくりって。
ガードルという商品もまた難しくて……。ブラジャーならPEACH JOHNのファンが一定数いるから、確実に買ってもらえる。でも、ガードルとなると話は別で、勝算がありません。それが、私が本当に作りたいものだから、あえて挑戦しました。発売日を迎えるまで「売れなかったらどうしよう、どう責任を取ったらいいんだろう」と、不安で眠れませんでしたね。心も体も疲弊しました(笑)。

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――お芝居のお仕事などと比べると、いかがでしたか?
田中: 全く違う大変さと喜びがあったので、比べようがありません。脳を切り替えないとできない仕事だとも感じました。
タレントという立場だと「自分がどう見られるか」を意識せざるをえません。一方、商品開発では「どう思われてもいいから、いいものをつくりたい」という思考に切り替えなければならなかった。そうしないと、本当に作りたいものから遠ざかってしまうから。
今回のプロジェクトは、いちタレントではなく開発者としてがむしゃらに臨みました。私は不器用だから、たくさんのプロデュースを手掛けることはできません。写真集もそうでしたが、ひとつのものに込める魂と思いが並々ならぬものなので。

――様々なジャンルで活躍されていますが、どんな時にやりがいを感じるのでしょうか。
田中: 商品ができた時や、ドラマがオンエアされた時は喜びを感じます。書店に並んでいる自分が表紙を飾った雑誌を買ってくれる人の姿を見た時も。
テレビの視聴者は見えにくいけど、写真集や今回のムックは、買ってくれる人が目に見えるんですよね。「わ!私の本を買ってくれてる!!」って、嬉しくなって抱きつきたくなっちゃいます(笑)。

見たことのない景色が、きっと見えるはず

――恋愛や結婚などプライベートと仕事のバランスはどのようにとっているのですか。

田中: さきほども申しましたが、私って全然器用ではなくて。特に今年はガードルのプロジェクトが進行していたうえに、お芝居を本格的に始めた年でもあって、恋愛どころではありませんでした。今のところ、恋愛は必要としていません(笑)。でも、いざスイッチが入れば自然と両立できるのだと思います。
昔から、やることはとことんやる性格なんです。ガードルづくりも、お芝居も、すごく深い。ガードルづくりに没頭してお芝居を疎かにしているとも思われたくなかったから、どちらも突き詰めてやってきました。となると、恋愛は二の次、三の次になっちゃって。
常に後悔がないように生きたいと思っているので、今はそんな生き方が心地いい。もし40代、50代になった時に独りだったとしても後悔はないと思います。それだけ素晴らしいものを世に送り出しているという自負があるから。

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――過去に出演された番組やインタビューなどでは、「結婚して、相手が望むなら仕事を辞める」とお話しされていました。

田中: 言っていましたね(笑)。今はそんな気、全然ないです。せっかくお芝居という分野で求めていただけたのだから。
最近ようやく“何が分からないのかが分かってきた”気がするんです。「なんで分からないんだろう、なんでできないんだろう」って、この歳で“できない自分”にぶち当たるのは悔しいし恥ずかしいです。一方で、多くの発見もあって、たしかな“作りがい”を感じています。

TBS入社当時、先輩の安住紳一郎アナウンサーが私の新人研修ノートを見て「あなた、上昇志向の塊だね」とおっしゃったことを、今でも思い出すんですよね。ノートの中の何を見てそう思われたのかは分かりませんが、「本当にそうだな」と、今になって思います。いくつになっても「私、上昇志向の塊です!」と胸を張って生きみようかな(笑)。

――30歳の時に出演した「ダウンタウンなう」(フジ系)では、「何がしたいか分からないんです」と語っていました。

田中: あの時はテレビ局を辞めてすぐだったかな。アナウンサーという職を手放し、タレントとしても中途半端。今みたいに女性誌にたくさん出させていただいているわけでもなくて。「私って何者なんだろう」という時期でした。
過去の恋愛の話を求められては、引っ張り出して披露する。こんな身の削り方を、いつまで続けるんだろう――。そう思って、先が見えなくなってしまったんですよね。
この先どうしていけばいいのかが分からなかったから、「結婚して、相手に仕事を辞めてって言われれば辞めます」なんて、結婚を“逃げ道”として考えたこともありました。
今は幸い、目の前にやるべきことがたくさんある。これってすごく恵まれていることだと思います。ここから逃げず、しっかりと歩むことができたなら、きっとこの先、見たことのない景色が広がる気がする。そんな景色を見てみたいと思います。

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自分が納得できる選択を重ねて

――telling,の読者層は30歳前後。田中さんと同世代で、仕事と結婚のバランスに悩む人も多いです。何かメッセージをいただけませんか。

田中: 後悔のないように生きてください。「仕事をとるか、結婚をとるか」なんて愚問です。時代錯誤も甚だしい。結婚して家庭に入るのも良し、結婚して仕事を続けるも良し。結婚してからだって、十分にキャリアアップできます。周囲の意見に惑わされなければ、以前よりもずっと自由に選択できる世の中になっている。自分が納得できる“選択”を重ねてください。正解も不正解もありません。全てが経験になります。自信を持って今を生きて欲しいと願っています。

田中みな実さん「私がつくるものは妥協がない」PEACH JOHNと開発したガードル、20日発売 【画像】田中みな実さん

●田中みな実さんのプロフィール

青山学院大学卒業後、2009年アナウンサーとしてTBSに入社し、14年にフリーに転身。俳優としてドラマ「ルパンの娘」(19年、20年、フジ系)、「M 愛すべき人がいて」(20年、テレ朝系)などに出演。「グータンヌーボ2」(関西テレビ制作)や「あざとくて何が悪いの?」(テレ朝系)などバラエティ番組でも活躍している。19年に発売された写真集『Sincerely yours…』(宝島社)は60万部のベストセラー。11月には初の主演映画「ずっと独身でいるつもり?」の公開を控えている。

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●『田中みな実×PEACH JOHNファーストガードルBOOK』

著者:田中みな実
発行:講談社
価格:6,490円(税込) 付録:ガードル(限定色のラベンダー、S、M、Lあり)

1989年、東京生まれ。香川・滋賀で新聞記者、紙面編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理、銭湯。