土屋太鳳さん「仕事のプライベートも不安がいっぱい。結婚は自然な流れでできたらいいな」

映画やドラマなど幅広く活動している女優の土屋太鳳さん(26)。27日に全国公開される映画『鳩の撃退法』では、編集者の鳥飼なほみ役を演じています。20代後半に入り、仕事もプライベートも「不安がいっぱい」と話す土屋さん。仕事への向き合い方や、不安と上手に付き合う方法などを聞きました。

その時々で必死に役を立たせてきた

――2月に26歳になられました。年齢を重ねることで、演じる役に変化はありますか。

土屋太鳳さん: これまで青春ものをやらせていただく機会が多かったけど、今回の『鳩の撃退法』のように落ち着いた役も、声をかけていただくようになりました。役が少しずつ大人になっていっている実感があります。
今後の方向性についてはあまり考えていなくて 、オファーをくださる方々が「こういう役はどうかな?」って考えてくれているんですね。みなさんが、私をプロデュースしてくれているような感覚ですね。とても嬉しいし、本当に感謝しなきゃなって思っています。一つ一つの役を、大切に演じたいです。

――今後が楽しみですか?

土屋: その時々で必死に役を立たせてきたので、先の仕事に対するワクワク感みたいなものは、実はあんまりないんですよね。「いかに魅力的に見せるか」「このシーンで軽く見えないようにどうしたらいいか」といったことばかり考えていて。
例えば恋愛映画でも、“ただの恋愛映画”にしたくない。「楽しかったです」って感想もアリだけど、それ以上に「私が演じた“この子”はもっと深いメッセージを伝えたいはず」て思っていて。作品のメッセージや役の気持ちを汲んで伝えられる女優さんになりたいです。

未来のこと、考えると不安

――20代後半になり、この先への不安を感じますか?

土屋: 未来のことって考えると不安になりますよね。20歳の時は「30歳まで生きられないかもしれない」って、ぼんやりと考えていました。どうして人は、こんなに苦しい思いをして生きているんだろうって、ずっと思ってたんです。
不安を感じることは、今でもよくあります。自分はすごく頑張っているつもりでも、人と比べると上手くいってないような気がして、すごく虚しくなる瞬間がある。「真面目に生きている人のほうが、やりたいことが叶わないのかな」とか「態度が悪いくらいのほうが、みんな気にかけてくれるんじゃないか」と考えて……悲観してしまうんですよね。
だけど、そんな理不尽な世の中はいやだから、私自身は「なるべく人に優しくいよう」って心がけています。ただ、そうするとツンとしている人の感情のはけ口にされてしまうこともあって。
強く言われたとしても、友達や家族が相手なら、言い返せる。でも仕事相手だとなかなか言えないですよね。円滑に進めないといけないし、自分の感情を抑えるべきだと思うので。だから、どうしてもストレスを溜めることはありますね。

――仕事のこと以外に不安は?

土屋: プライベートのことも、もちろん。こういう仕事だから恋人ができても手をつないで外を歩くことはできないし。「私は結婚するのかな。それとも、しないのかな」なんて思います。常に不安だらけだけど、好きな人には「好きだよ」「大好きだよ」って、なるべくちゃんと伝えたり、ギュッと抱きしめたり――そんなことを大切にしていきたいです。結婚は、そういう自然な流れの中でできたらいいなって思っています。

一つ一つ、丁寧に向き合うことが大事

――もともと不安を感じやすい性格なのですか。

土屋: 「こうなりたい」という思いが強いんでしょうね。だからこそ今、女優のお仕事をさせていただいてるんですが。自分の中にある理想像に縛られて「今」が怖くなってしまうと言うか……理想と現実のギャップに「女優として失格だな」って思ったことも、何度もあります。
不安になって「よくない、よくない。よし今を大切にするぞ」と自分に言い聞かせても、数カ月後には「不安だ、不安だ。どうしよう、どうしよう」となっている自分がいるんです。
もともとそんなに明るいほうじゃなくて、どちらか言うとネガティブな性格というのも、あるかもしれません。

――30歳前後の女性はライフステージの変化が激しく、将来への不安を感じがちです。土屋さんなりの、不安との上手な付き合い方を教えていただけますか?

土屋: 感じてしまった不安を上手に受け止めてあげることが大切だと思います。ネガティブな思考になった時、「なるほどね、私ってそうなんだね」と一歩引いて、柔らかく、自分自身を理解してあげる。
誰にも分からない将来のことを考えるより、今を見る努力をすることも、大事だと思います。“目の前にいる人を大切にする”” 私に話しかけてくれる人の言葉をしっかり聞く”” 相談されたら、自分の意見を押しつけずに一回きちんと聞く”――といったこと。例えば、誰かから悩みを相談された時、その場で意見を言うよりも、1週間くらい時間を置いてから考えたこと話したほうが、上手く伝わると思うんです。そうやって、一つ一つのことに対して、丁寧に向き合う。
そして「家族や友達に美味しいものを作ってあげたいな」「見てくださる方がいる限りは女優を頑張っていきたい」といった、自分の中にある素直な気持ちに目を向ける。そういう小さなことを積み重ねることが、不安の解消につながると思っています。

●土屋太鳳さんのプロフィール
1995年、東京生まれ。2008年、映画「トウキョウソナタ」で映画デビュー。NHK連続テレビ小説「花子とアン」(14年)に出演後、「まれ」(15年)でヒロインを演じた。主演映画に「オレンジ-orange―」(15年)「8年越しの花嫁~奇跡の実話~」(17年)、「哀愁しんでれら」(20年)などがある。今後は「アイの歌声を聴かせて」(10月29日)、「大怪獣のあとしまつ」(22年)が公開。NHK「シブヤノオト」(土曜、23:10~)にてMCも務めている。

『鳩の撃退法』

監督:タカハタ秀太、脚本:藤井清美、タカハタ秀太
原作:佐藤正午『鳩の撃退法』(小学館刊)
出演:藤原竜也、土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、豊川悦司 他
配給:松竹 
8月27日(金)全国公開
©2021「鳩の撃退法」製作委員会  ©佐藤正午/小学館

スタッフ=ST:岡部俊輔 (UM)/HM:尾曲いずみ

土屋太鳳さん「竜也さんにたどり着きたい」叶った共演は「夢のよう」 映画『鳩の撃退法』
1989年、東京生まれ。不登校・高校中退から高卒認定を取得し大学へ。新聞の記者・編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。