高畑充希さんの結婚観「家族をつくることには憧れます」

映画やドラマ、CMなどで活動する女優の高畑充希さん(29)は、5月28日に公開された映画「明日の食卓」で、小学5年生の息子を育てる大阪在住のシングルマザー役を演じています。NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016年)でヒロインを演じてから5年の高畑さんに、朝ドラ放送後のことや、年齢を重ねる中で感じている変化について聞きました。

朝ドラ出演、今は「やってよかった」と思えるように

――「明日の食卓」は子育てがテーマです。高畑さんはどんな子どもでしたか?
高畑充希さん: 中学高校は女子校で、連れ立ってトイレに行かない“一匹狼”でした。「なんで、みんなで一緒に行くんだろう?」って思ってましたね。トイレって個室だから、みんなで行ってもまた別れちゃうのに!って。人と同じことをするのが苦手な、ちょっと変わった子どもでした(笑)。
上品な子がたくさんいる中で、私はよく怒られていましたね。厳しい学校だったというのもあるけど、校則をしょっちゅう破ってました。「学校の前のコンビニに絶対行っちゃいけない」と言われてたのに、コンビニの中で先生と鉢合わせして、全校生徒の前で怒られたことも(笑)。決められたことをその通りにできないし、「だめ」って言われたことを全部やりたくなっちゃう性格でした。
進学校の中の“落ちこぼれ”だったので、成績が悪いことを理由に母が呼び出されたこともありました。中学受験の時、必死に勉強したから、入学した瞬間、何もしなくなっちゃったんです。本当にどうしようもない。このお仕事ができてよかったです(笑)。

――そんな高畑さんは2005年に女優デビュー。昭和時代、出版社を立ち上げて女性のための雑誌をつくる三姉妹を描いた2016年のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」では、ヒロイン・小橋常子を演じました。
高畑: 朝ドラは、ものすごい影響力があるから、出演してから“自分の人生が、自分のものじゃなくなったような感じ”がありました。出演後数年はちょっとしんどかったですね、人に知られていることにソワソワしてしまって。私がどこに行っても、知らない人が、私のことを知っている状況。でも、その人たちがイメージする私って、メディアの中の姿で。人から見た私が、本来の私からどんどん離れて行っちゃう気がして、落ち着かなかったです。出演する前は、そこまで人に知っていただけるようになるなんて思っていなかったから……当時は、知名度に頭がついて行けなくなっていました。
でも、去年くらいから自分を取り戻せたような感じがあります。時間が経って、“知られていること”を受け入れられるようになったのかな。「知っていただいているからこそ、できることって何だろう?」という発想に、年々変わってきて、どんどん楽しくなってきましたね。
今は「朝ドラを、やってよかった」と心から思います。

30歳目前 “女性の人生”に寄り添える年齢に

――現在29歳。年齢を重ねるに連れて「役」が変わってきている実感はありますか?
高畑: 一昨年くらいから、少しずつ変わってきているように感じます。「胸キュン」をすっ飛ばして、母親や人妻の役をいただくようになりました。
29歳ってそんなに若くもないし、すごく年を取ってるわけでもない。ある意味、どちらとも言えない“真ん中”みたいな年齢。最近、舞台で演じたのが、“産みたくない子どもを産む女性”でした。そういう複雑な役が増えてきて、“女性の人生”に寄り添える年齢になってきたんだな、と思います。それに見合うよう、私も成長したい。ここから数年は、女優として役の幅が広がるのかなぁ、と楽しみです!

――20代を振り返ると、いかがですか。
高畑: 「元気でいなきゃ」とか「若々しくいないと」って思って、無理をしてた時期もありました。20代だから、“若くて、明るくて、みずみずしい”みたいな役をいただくことが多くて。期待には応えたいけど、私はそんなに明るい人間じゃない。暗くもないけど、天真爛漫ってタイプでもないので……。
最近は“若さ”のようなものを求められる機会が減って、フラットな気持ちでいられるようになった気がします。すごく楽です。

女の人の30代、すごく美しいと思う

――20代から30代になることへの不安はないのですか?
高畑: 仕事を抜きに考えると、不安もありますよ。「私って結婚するのかな」「子ども産むのかな」とか思いますし……。
30歳目前になって、「この先、人生どうするの?」って聞かれることが増えたんです。一昨年までは全然聞かれなかったのに(笑)。30になったら、何かミッションを果たさなければならないような感じがして……でも、私は「なるようになる」と思っている。一方で、焦ってない自分って、やばいのかなって考えたりしますね。

――なぜ、焦りを感じないのですか?
高畑: もちろん、家族をつくることには憧れます。
でも、今焦って無理に結婚するんだったら、年齢を重ねた後でも、しっくりくる人と結婚したほうが幸せだろうと思ってるからかな。ただ、素敵な人はどんどん結婚していっちゃうから、そこは難しい問題ですね(笑)。表現が難しいですが、結婚って「いい人を取り合う“椅子取りゲーム”」みたいな殺伐とした空気を感じる瞬間があって。時々少し怖くなります。そういうふうに相手を選ぶのは不思議な感じがするし、自分が幸せを感じられる選択ができたらいいと思います。

――結婚願望自体はあるのでしょうか。
高畑: 結婚は、しても、しなくてもいいかな。でも、素敵なパートナーがいて、その人と楽しいことやしんどいことをシェアできたら毎日が楽しいですよね。
それに、女性として生まれたからには、子どもは産んでみたい気持ちはあります。もし産んだら、これまで感じたことのない感覚を知ることができるのかなって思うから。もちろん、子どもがいない人生も幸せだと思うし、何がいいかは分からないですけどね。

――年を重ねていくこと自体は、どのように捉えていますか?
高畑: 女の人の30代って、私は勝手に「すごく美しい」と思っています。周りの人を見ていても、20代のうちに積み重ねてきたものが、30代になって滲み出てきているように感じるんです。昔よく「男は30から」とか言われてましたけど、今は「女性も30から」なんじゃないかな。だから私自身はポジティブに捉えていますよ。
ただ、「子どもを産むなら体力的に早い方が良いよ」と周りのお母さん達に言われるので、そこは少し心配。でも仕事も面白いんだよなぁ……女性って、難しいですよね。

 

●高畑充希さんのプロフィール
1991年、大阪府生まれ。2007年から12年まで舞台「ピーターパン」で6年間主演を務めた。16年にはNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でヒロインを務めた。主演作に、連続ドラマ「過保護のカホコ」(17年、日テレ系)、「にじいろカルテ」(21年、テレ朝系)や、映画「ヲタクに恋は難しい」(20年)などがある。近作に映画「キャラクター」(6/11公開)や、映画「浜の朝日の嘘つきどもと」(8/27福島県先行公開、9/10全国公開)が控えている。

●取材協力
スタイリスト:Stylist Shohei Kashima(W)、ヘアメイク:根本亜沙美
衣装:ビスチェ¥10,000、スカート¥14,000/すべてパブリック△トウキョウ、ピアス¥12,000/ユーカリプト、リング(人差し指)¥17,273/ガガンリング(中指)¥9,000/ソワリー、その他スタイリスト私物

1989年、東京生まれ。不登校・高校中退から高卒認定を取得し大学へ。新聞の記者・編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理。
1983年生まれ。出版社勤務を経て、2008年 フリーランスフォトグラファーに。「温度が伝わる写真」を目指し、主に雑誌・書籍・web媒体での撮影を行う。
29歳問題