Bulldozer代表の尾和恵美加さん「旅は古くて新しい可能性に出会える時間。夢はタイムトラベル事業の立ち上げ」
●自分を変える、旅をしよう。#26 尾和恵美加(31)後編
リーマントラベラーの東松寛文です! 前編に引き続き、株式会社Bulldozer代表取締役運転手でパラダイムシフターの尾和恵美加さんにお話をうかがいます。後編では、尾和さんの壮大な夢も語っていただきました!
東松寛文(以下、――): 前編のモバイルハウスでの旅も印象的でしたが、尾和さんにとって今までで一番印象に残っている旅先はどこですか?
尾和恵美加さん(以下、尾和): いくつかあってひとつに絞りきれなくて……。ひとつ目は、新神戸にある竹中大工道具館。博物館は、一歩深いところへの思考を進めるためのヒントが詰まっている場所だと思うので、各地で興味のあるところに足を運んでいます。ここでは、最後の宮大工と呼ばれる西岡常一さんのことを知りました。なぜか、直感でピンときたんです。西岡さんの作品から得たヒントは、本当に尊いもので、人生にも事業にも多くの影響を受けました。彼の本を読み、日本文化や時代の変遷への理解が深くなり、もっと知りたいと思うようになりました。
それからは、本の中で紹介されている奈良の法隆寺に行ったり、西岡さん唯一のお弟子さんが作った会社にアポをとってうかがったりと、好奇心のおもむくままに行動するようになりました。自分の興味関心のパズルのピースがひとつ手にできると、あとはどこまででも、動いていけるものですね。西岡常一さんという存在との出会いから、うちの会社のコーポレートメッセージは「1000年後にも通ずる価値を創出する」になったほど!
――それはすごい出会いがありましたね。もうひとつの旅先はどこですか?
尾和: 同じシェアハウスに住んでいて仲良くしている、アナウンサーの奥井奈南ちゃんとよく旅行に行くのですが、彼女と旅では、なぜかその土地のご当地おじさんにで出会えるんです。なかでも、三重県関でのエピソードが忘れられません。
関は宿場町なので、おもしろい出会いがありそうだと踏んでいました。2人で街をふらふら歩いていると、センスのいいアンティークショップを見つけました。ふらっと入ると、奥の庭で作業している人がいて……。その方こそ、オーナーのジョーさんというぶっ飛んでいるカッコイイおじさん。店内でお話しをしているうちに仲良くなって、近所のなかなか予約が取れない人気鰻屋さんに予約をねじ込んで、ご馳走してくださったり、ジョーさんが津市で経営しているバーで、貴重なお酒を試飲させていただいたり。すべてが最高のセンスの方でした。
――旅の出会いは格別ですね。ところで、リーマントラベラーを知ったキッカケは何でしたか?
尾和: もともとTwitterで見かけたことがあって知っていたのですが、偶然にも会食でお隣の席だったのがキッカケです。本当にラッキーでした!東松さんは、“楽しむ”の天才だと思うんです。環境を変えても、見る視点が変わらなければ発見はないと思うので、お話ししていて、そんな発見もたくさんあります!
――ありがとうございます。リーマントラベラーを知って、旅のスタイルや普段の生活で変化したことはありますか?
尾和: 制約は自分で作るもので、無理なんてない!ということです。
――なるほど、確かに(笑)。尾和さんが旅に出るようになって、変わったことはありましたか?
尾和: 好奇心の広がり、思考の深まりの速度=人生の速度、事業の成長速度ですね。思考と行動は比例すると言いますが、本当にそうだなと思います。
あとは、旅のなかに、「人生ってこういうものだよな」とか、「世界ってこういうものだよな」、「文化ってこうやってかたち作られるんだよな」と、マクロな目線で世界の真理を追求していくことができる時間を持てるようになったことは、本当に大きいですね。もっと旅を日常生活に取り込みたいと、働き詰めだった最近は特にそう思っています。
――逆に、旅に出るようになっても、変わらなかったことはありますか?
尾和: 変わらなかったことはないです(笑)。旅をしていない時でも楽しい毎日を過ごしていたかもしれませんが、今ほどの感動には溢れていなかったです。もともと人間は、住むところを移りながら生活していて、予測不可能なことで溢れていたはず。人間らしさを取り戻すために、やっぱり旅は必要です!
――尾和さんにとって、“旅”とは何だと思いますか?
尾和: 古くて新しい可能性に出会える時間です。アートシンキングという事業に深みをもたらす発酵時間でもあります。目の前のことに取り組む日常生活ももちろん楽しいのですが、俯瞰して大きな時間軸、大きな目線で、客観的に世界や人生を理解できます。私にとってはなくてはならないものですね。バランスをとってくれる装置です。
――コロナ禍なので、今すぐは難しいかもしれませんが、次に行ってみたい旅先はどこですか?
尾和: 国内だと、道東を訪ねて、文字を持たなかったアイヌの文化に触れたいです。美濃で室町から江戸時代への橋渡しを感じるのもいいですね。萩で文化とはどう栄えるのかを知るのも魅力的です。
九州はこれまであまりアプローチしたことのないミステリアスなエリアなので、とっても気になっています!
海外だったら、ペルーのリマでおいしいレストランをまわるのも興味があります。エルサレムで大陸の文化の起源について感じて、ドバイで万博も見て、アイスランドのレイキャビックでは、なぜアイスランド人の女の子が内も外もかわいいのか、その秘密に迫りたいです。考えるだけで夢が溢れてしまいますね。
――最後に、これからの夢や目標を教えてください。
尾和: タイムトラベル事業をするのが、人生の最後にやりたいこと。地理軸に加えて時間軸も選んで、行ってみたい旅先を選べるのであれば、奈良時代に行くのが悲願なんです。
今の日本の礎が作られた時代だと認識していて、ロールモデルである日本初の女帝の推古天皇にアドバイスをいただきたいです!タイムトラベル事業ができたら、もっと大きな発見や感動に出会えるはず。そうしたら、もっと現代にも、そこかしこに感動が溢れると思うんです。
その会社やその人にしかない観点から、新しい時代を世界や時代に提案していくためのサポートをしていきたい。独自の観点を身につけるためには審美眼が必要で、異なる時代から、新しい常識や概念にたくさん出会ってほしいと思っています。そうしたら、才能に溢れた人が増えて、より豊かな時代へと移行していくと信じています。
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