【内田嶺衣奈のBon week-end!#3】出会いに恵まれ、迎えた入社9年目の秋「後輩のためにできることは、全部やりたい」

報道番組などに出演のフジテレビアナウンサーの内田嶺衣奈さん。入社9年目を迎えて身近な人の結婚や出産が相次いだり、後輩を指導する立場になったり、「体」の変化を感じたり――。仕事やプライベートについて今感じていることや、高校と大学時代に留学したフランスへの思いなどを内田さんの等身大の言葉で、毎月第2土曜日にお届けしています。今回は後輩を指導する立場になって感じることや、取得した食育アドバイザーの資格などについて語ります。

telling,で連載をしていた先輩の生野陽子アナウンサーが先日、第2子を出産。ご本人からも「生まれたよ」という連絡があり、すごくうれしい気持ちになりました。お子さんの写真も、天使のように可愛いらしくて、ほっこり。

その生野さんから「FNN Live News イット!Weekend」のメインキャスターを引き継いだ2013年入社の私も今年で9年目。入社してはじめの頃は様々な失敗をして先輩アナウンサーやスタッフなど周りにたくさん助けてもらっていました。
生放送で、優勝した男子駅伝のチームにインタビューをしたときには、時間配分がうまくできなくて全員にお話を聞けず、「区間新記録」を出した選手の声を届けられなくて……。自分の不甲斐なさにとても落ち込みました。他にも生放送で、エンディング10秒で告知しなくてはならないことが時間内に収まらなかったりなど、数えきれないくらいの失敗を経験してきました。

先輩から教わったことを、後輩へ

若手の頃は先輩から、反省会などで生放送でのインタビューやスタジオでの技術や、臨機応変に対応することの重要性を随時、教えてもらっていました。
今振り返ると、入社してからの出会いは本当に恵まれていると感じています。特に番組を一緒に担当した先輩アナウンサーには仕事もプライベートも相談に乗ってもらっていましたし、影響も受けましたね。生野さんや椿原慶子さん、三田友梨佳さん、榎並大二郎さんには大変お世話になりました。

生野さんは誰に対してもどんなときも安定した同じ明るさでフラットに接する人です。一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを取るという基本的なところがしっかりされていて、見習おうと常に思っていました。椿原さんが日々取り上げるニュースに関連する本を、いつも読んでいた姿も印象に残っています。知的好奇心や長年蓄えた知識の土台があるからこそ、より深く理解をした上でニュースを伝えられる。ひとつひとつの仕事への準備の仕方などはもちろん、呼吸をするように自然に勉強される姿勢からも多くを学びました。
キリッと仕事をするカッコいい姿も、 温かみのあるお茶目な人柄も、大好きです。

継続して担当しているフィギュアスケートの中継や取材では、国内外の様々な大会で三田さんに助けてもらいました。フィギュア中継班に加入した当初、わからないことだらけの私に様々なことを教えてくれたり、中継でなかなか思うように出来ず泣きながら相談した私を励ましてくれたり――。
フィギュア中継は、アナウンサーが画面に出ている時間は短いですが競技の知識に加えて、途中のリポートの内容を考えたり、資料をまとめたり、インタビューの質問案をつくったりと“丁寧な準備”がすごく求められます。だからこそ、最初の頃は準備のやり方を見つけきれず反省が多くて毎回、悩んでいました。そんな私に三田さんは「絶対できるよ。大丈夫。一緒に頑張ろう」といつも前向きな言葉を掛けてくれました。自分のことを見守ってくれる先輩がいるというのが本当に有り難く感じ、大きな力になりました。あの時から今に至るまで、フィギュア中継のお仕事を続けられているのは、三田さんのおかげでもあります。

榎並さんは本当に後輩の面倒見がいい先輩です。優しくて頼りになる先輩、という印象はずっと変わっていません。私も9年目になり、色々と下の世代に教えなければいけない立場になりつつあります。後輩のために自分のできることは、全部やってあげたいという気持ちがすごく強いんです。これまで先輩にしてもらって嬉しかったことはもちろん、“こういう言葉をかけてもらったら頑張れた”と若手の頃を振り返って思うようなものも、後輩になるべく伝えるようにしています。ありったけの自分の経験談や、私のやり方みたいな話も。
やはり思っているだけではなかなか伝わらないので、言葉にして伝えることは大事にしています。

後輩からの相談「寄り添い、一緒に考える」

気を付けているのは、タイプやアプローチの仕方は人によって違うということ。一人一人の性格や価値観も違います。私のやり方が万人に当てはまるわけではないし、自身でベストの方法を探すことも必要だと思っているからです。だから、あくまでも私の話は1つの意見。自分の中で“こうしたい”というのが見つかったら、“自分が納得するようにすればいいよ”と伝えています。まずは話をしっかりと聞くというのは大前提。後輩が何か失敗をしたり悩みがあったりするときに、寄り添い一緒に考えるということは特に意識していますね。
伝えなければいけない時もありますが、押し付けがましくはなりたくなくて。そのバランスは難しいなと感じます。
後輩が、相談したいと思ってくれるような先輩でありたいです。


週末の「Live Newsイット!」では7月からメインキャスターになった私に代わって、スポーツキャスターは入社2年目の佐久間みなみアナが担当するようになりました。事前の引き継ぎで準備の仕方などを伝えましたが、佐久間アナはとても熱心で、放送に関して疑問が浮かぶたびに質問にきてくれます。その内容が、私が同じくらいの年次のとき、まさに悩んでいたようなことで……。たとえば、スポーツニュースは映像に合わせて原稿を読むため、映像と原稿に同時に気を配り、読むタイミングやリズムなどが、とても大切になってきます。生放送で映像にあわせて読んでいるときに焦ってしまってミスをしないための準備方法だったり、緊張したときの対処法だったり、尺に合わせたコメントがうまくまとまらないときの対応の仕方だったり。私も経験してきたことなので、一つ一つレクチャー。緊張に関しては「私も今でもするよ」と話した上で、準備が足らなかったり、不安になり過ぎたりする緊張は“よくない”けれど、きちんと自分の役割を果たしたいという緊張は“いい緊張”だと捉えると良いよと伝えています。
緊張を全くしない方法というのは、9年目になってもいまだ見つかっていません(笑)。

食育アドバイザーを取得、思わぬ反応も

コロナ禍で外出自粛が続く中、私もおうち時間が長くなりました。実はその時間を利用して、今年5月に「食育アドバイザー」の資格を取得しました。仕事以外で新しく何かを学びたいという気持ちがあり、学ぶなら何か形に残したいと思ったのです。
会社の健康診断でコレステロールの値が高かったというのも一つの理由。深夜のニュース番組も担当していて、生活がどうしても不規則になりがち。早寝早起きで毎日3食!という生活は今はできないので、健康でいるためには努力が必要ですし、食に関するニュースを扱うことも多いため、食育を学べば今後の仕事にも生かせるかもしれないとも感じました。

食育アドバイザーになるための勉強で、日本の食料自給率の現状や孤食の増加などの「食」にまつわる社会問題も学べましたし、食材の見分け方、農薬の摂取が減らせる調理法といった日常生活に関係することも知ることができました。加えて年齢と運動量に応じた適切な食事の計算法なども。

食育アドバイザーの資格取得のための講座に申し込むと送られてくる教科書とDVDなどを使って、自宅で勉強しました。
試験自体は、家に送られて来る問題に回答して送り返すと、合否の通知が来るという形式。内容は「食事マナー」などから、ある家庭の食事を見て足りないモノを答える、といったことまで。
結果は無事、合格。合格率が高い資格試験ですが、合格証書が届いたときは嬉しくて。形として残る喜びや、あの達成感は久しぶりの感覚でした。
資格を取ったことで、スーパーで買い物をするときに今まで以上に添加物を気にするようになったり、野菜やお肉は色が濃いものを選んだりするようになりました。

問題のコレステロール。直近の値は大分改善されました!
でも、健康診断前に野菜を多めにとったり、油ものを控えたりしたので、実際はそんなに下がっていないかも……。
一時的ではなく、長期的に改善していかないといけないですね。
と言いつつ、健康診断後はその開放感からボリューミーなハンバーガーをしっかりと食べてしまいましたが(笑)。

食育アドバイザーの資格を取ったことで思いもよらなかった問題も起きています。インスタにアップしたので、みんなに知られることになり、周りからイジられるようになったんです。後輩からも「食育アドバイザー、今日の夕飯は何ですか?」って。食べているものをチェックされるようになり、毎回の食事選びのハードルが少し上がりました(笑)。

栽培したバジルでジェノベーゼソース!

達成感は一度味わったものの、学びたい欲は続いています。
いつか、応急手当などができる「救急法救急員」の資格を取れたらと考えています。過去にスタッフが、階段から落ちて出血してしまったことがあって。その際に、学校の授業で習った知識はあるはずなのに、正しい処置がわからず何もできませんでした。だから、正しい知識を身につけて誰かが怪我をしたときに、少しでも力になりたいという思いがあります。
あとはオンラインでの語学学習も興味があります。フランスには2度留学したのですが、最近はフランス語を全く話していないので忘れていく一方で…少しでも感覚を取り戻したいですね。

そういえば前回、家庭菜園で育てているバジルでジェノベーゼソースをつくるのが目標、という話をしましたが、ついに収穫してジェノベーゼソースをつくることができました! でも、収穫できた20〜30枚のバジルでつくったのですが、ソースの色が緑になりきらず。ジェノベーゼソースもどきみたいな感じでした…。50枚以上あれば、もう少し本格的なソースになるようなのですが……。それでも自分で愛情込めて育てたバジル。収穫の時はなんだか切ない気持ちにさいなまれましたが、味はとても美味しかったです。

気付けばもう秋ですね。すごく好きな季節です。夏頃に取れなかったお休みを取ろうと思っているのですが、まだプランは何も決めていません。
「○○の秋」とよく言われますが、私にとっては何だろう…? 皆さんにとっては、どんな秋ですか?「食欲の秋」は毎年実践していますが、それ以外は、思い当たりません。人に誇れるようなおうち時間の過ごし方をしていなくて、今はテレビや映画を見たり、ご飯をつくって食べたり、寝たり――。今年こそ秋にちなんだことを何かしたいですね。

【新連載:内田嶺衣奈のBon week-end!#2】「心を動かされた」東京五輪は閉幕し、まもなく夏休み。その過ごし方とは?
1990年1月、東京都生まれ。2度のフランスへの留学を経て上智大学文学部仏文学科卒業。2013年、フジテレビにアナウンサーとして入社。「すぽると!」や「笑っていいとも!」などに出演し、人気を集める。現在は「Live News α」金曜、「FNN Live News イット! Weekend」のメインキャスターを務める一方、フィギュアスケート中継や取材も継続的に担当している。趣味は料理、旅行や舞台・映画鑑賞。
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。
内田嶺衣奈のBon week-end!