【内田嶺衣奈のBon week-end!#4】今と将来の「私」 先輩の存在で“結婚、そして家庭を持つことに楽しみな気持ちが…”

報道番組などに出演のフジテレビアナウンサーの内田嶺衣奈さん。入社9年目を迎えて身近な人の結婚や出産が相次いだり、後輩を指導する立場になったり、「体」の変化を感じたり――。仕事やプライベートについて今感じていることや、高校と大学時代に留学したフランスへの思いなどを内田さんの等身大の言葉で、毎月第2土曜日にお届けしています。今回は先日、公表した結婚や将来についてご自身の言葉で語ります。
【内田嶺衣奈のBon week-end!#3】出会いに恵まれ、迎えた入社9年目の秋「後輩のためにできることは、全部やりたい」

結婚するならこの人と考えるように

telling,読者のみなさまへご報告があります。報道などでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、9月に結婚致しました。

相手はフジテレビの先輩で、現在は情報番組の制作に携わっています。入社した頃からお世話になっていて、コロナ前はみんなでご飯に行くといった仲のいい先輩の1人でした。次第に仕事やプライベートの相談をしたり、アドバイスをもらったりするようになり、信頼関係ができていきました。まさかお付き合いすることになるとは本当に思っていませんでしたが(笑)、気付けば“結婚するならこの人なのかな”と考えるようになりました。一緒にいて楽しいですし、笑顔になる時間が増えました。
入社1年目から携わることを目標にしてきた東京五輪・パラリンピックも終わり、このタイミングで結婚の運びとなりました。

最近は自然と家族のことを意識

小さなときは30歳になる頃には結婚しているのかなと漠然と思っていました。というのも、私の母が結婚したのが26歳で、私を産んだのは27歳だったからです。いつからか、そんな風に思っていたことも忘れかけていましたが(笑)。
今は本当に生き方が多様化していますよね。それぞれの大切なものだったり価値観だったりがあって、人生の選択肢が多くなっているというのはすごく素敵なことだと思います。

フジテレビに入社して以降は、バリバリ働いている先輩が多く、私も仕事を頑張りたい!と強く思って過ごしてきました。そして31歳での結婚――。学生時代からの友人の多くは結婚していて、中には2児の母になっている友人もいます。そんな友人たちの話を聞くことも多かったので、私自身を取り巻く環境からも、最近は自然と家族のことを意識するようになっていたのかもしれません。

何かあれば「先輩」に相談!

フジテレビには仕事と家庭を両立させている人も多いですし、社内結婚の先輩もたくさんいます。結婚する運びとなったことで、様々な方のお話を聞きやすくなりました。大学とアナウンス室、そして社内結婚でも先輩にあたる西山喜久恵アナからは「社内結婚、すごくいいよ」と前向きな言葉をかけてもらいました。確かにパートナーと会社が同じだと、仕事に対する基本的な理解は双方にありますよね。すべてを説明しなくても、細かいニュアンスまで伝わることも。前日にいきなり仕事が入っても、お互い様だと思いますから。

仕事は、向き合い方を変えずに続けていきたいと思っています。
ありがたいことに、ここ数年はキャスターという立場を任せていただく機会が増え、自分が番組をしっかりと背負わないといけないという気持ちもより強くなりました。現在は「FNN Live News イット!Weekend」と「Live News α」の金曜日のメインキャスターを務めています。
責任感と同時にやりがいや充実感を感じていますし、意識が自然と芽生え、仕事の日以外も日々のニュースや出来事を追いかけるようになりました。今では日常生活にリズムとして組み込まれています。

続く“アンカー”の責任を意識する日々

週末の「Live News イット!」は7月に、産休の生野陽子アナウンサーから引き継ぎました。これまでも番組には携わっていましたが、役割が変わることで、意識も変わると痛感。コーナー担当の時は自分の仕事にとにかく全力で集中していましたが、メインキャスターになると番組全体を見なければいけないですし、スタッフのみなさんと密にコミュニケーションを取る重要性に気付いたり、毎回のオンエア後に個別に意見交換する時間が以前より増えたり――。後輩も加わり、引っ張らないといけないという気持ちはもちろん強くなったのですが、ご一緒している先輩の奥寺健アナに頼る気持ちも……(笑)。
大先輩が隣にいてくれるだけで、本当に安心感があります。のびのびやっていいよと言われているような、そんな空気を自然とつくってくれていることにも、感謝の気持ちでいっぱいです。
一方「Live News α」は私1人の場面も多く、有事の場合もすべて自分で対応しなければなりません。

キャスターとして仕事をする中で、アンカーの責任を感じる日々は続いています。
記者やスタッフが取材し、つくりあげてきたニュースを的確に届けなければいけませんし、コロナなどのニュースは特に今、視聴者のみなさんの関心も高いと感じています。
正しい情報を届けなければいけないのはもちろん、多角的に物事の本質を伝えていかなければいけないのがテレビの報道番組。そういった難しさも感じながら、バランスには毎回、気を付けるようにしています。

最近は災害の報道特番を担当する機会も。その際は、テレビの力や役割の大きさを意識し、より責任感が増します。災害発生時には、アナウンサーの呼びかけ一つが、避難するか否かの選択に繫がることもある。
被害に遭われた方が知りたい情報はどういったものか、その場で発する適切な言葉は何か――。どの状況にも必ずあてはまる「正解」はありませんが、とっさに精一杯の対応ができるよう伝える内容や言葉については日々、考え続けています。

家庭を持つことで見える視点を番組や企画へ

10月になり秋も深まってきました。テレビ業界では番組が入れ替わる改編というものがあり、特に4月と10月は大きく動くことも。私の担当番組は大きくは変わらず、10月を迎えました。改編期だからと特別強く意識することはありませんが、セットや演出が変わったり、出演者やスタッフが入れ替わったり――。番組づくりは出会いと別れの連続です。全く同じメンバーで同じ番組をつくり続けられる時期は本当に限られているので、人間関係を築くことも、変化に柔軟に対応していくことも大事だと感じさせられます。

10月1日には、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全国で解除されました。これまでみなさん、様々な制限がある中、色々な不安やストレスを抱えて過ごして来られたと思います。第6波の可能性も指摘されているので、もちろん感染対策に留意した上でですが、それぞれの大切な人に会ったり、リフレッシュしたりする時間が少しでも持てることを願っています。

最後に改めて私の今後について――。結婚して大切な存在ができ、帰る場所が新たにできたことは、精神的にプラスに働くと思っています。生活をしていく中で、今まで見えなかった主婦の目線や、家計管理といった視点も出てくると思うので、番組や企画などに反映させることができれば、と考えています。次のステップで自分ができることを探しつつ、引き続き仕事を頑張って参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。

【内田嶺衣奈のBon week-end!#3】出会いに恵まれ、迎えた入社9年目の秋「後輩のためにできることは、全部やりたい」
1990年1月、東京都生まれ。2度のフランスへの留学を経て上智大学文学部仏文学科卒業。2013年、フジテレビにアナウンサーとして入社。「すぽると!」や「笑っていいとも!」などに出演し、人気を集める。現在は「Live News α」金曜、「FNN Live News イット! Weekend」のメインキャスターを務める一方、フィギュアスケート中継や取材も継続的に担当している。趣味は料理、旅行や舞台・映画鑑賞。
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。
内田嶺衣奈のBon week-end!