フェムテックで話題の吸水ショーツ 選び方のポイントを探った

女性の健康課題を解決する製品やサービスを意味する「フェムテック」。欧米で市場が広がり、ここ数年、国内でも話題になることが増えてきました。特に目にするようになったのが、生理用の吸水ショーツです。telling,編集部では5月下旬、ショーツを販売する10ブランドが参加したイベントを取材。注目の背景やショーツを選ぶ際のポイントを探りました。

様々な色や素材

フェムテック製品のオンラインストアを運営する「フェルマータ」が5月下旬、東京都港区の「New Stand Tokyo」内に設ける同社店舗で開いた「Femtech Fes!(フェムテックフェス)」。黒やベージュのシンプルなものから、カラフルなもの、レースがついたものと、様々なデザインや色、素材の吸水ショーツが並んでいた。

吸水性の高い素材を重ねてできており、生理期間中にはくだけで過ごせ、不安がある場合にはナプキンやタンポンと組み合わせて使えるものもある。洗って繰り返し使用することが可能だ。産後や更年期の尿漏れに対応したものもある。

フェムテックフェスの様子

フェスには、日本や韓国、オーストラリアなど国内外の10ブランドが参加。「何を選んだら良いかわからない」という消費者の声を受けて、実際に手に取って比べられる機会を作りたいと、フェルマータが企画した。

そもそもフェムテックとは?

そもそもフェムテックとは、female(女性)とtechnology(テクノロジー)を合わせた造語だ。生理周期を管理するアプリを開発したデンマーク出身の起業家が、女性の健康課題を解決するビジネスの可能性を訴えるために、2012年ごろに使い始めた。

フェムテックの市場は欧米で先行して広がった。米調査会社によると、世界の市場は2025年までに5兆円規模に広がると予想されている。

フェムテックには生理や妊活、更年期といったライフステージに応じた製品・サービスがある。代表的なのが、膣の中に入れて経血をためられる「月経カップ」や尿漏れの予防・改善のための骨盤底筋トレーニンググッズなどだ。

なかでも吸水ショーツは日本国内や海外のスタートアップ企業のほか、大手企業も参入し、目にする機会が増えてきた。

開発の背景にある生理や体の悩みごと

「ファウンダーが産後の尿漏れに悩んでいたことから立ち上がった」「再利用可能で、はき心地が良いものを」。フェスに出展した10ブランドのブースには、開発者の写真とコメントが載ったポップが飾られていた。そこからは、開発者自身の生理や体の悩みごとが製品開発につながっていることが読み取れた。

3月に吸水ショーツの販売を始めた衣料品大手「GU」の展示ブースもあった。GUでは、品質やデザイン性を備えながら低価格を実現するため、開発に1年半かかったという。

フェムテックフェスに参加したGUの吸水ショーツ


黒などベーシックな色のほか、「くすみカラー」と呼ばれるややグレーがかった緑色や紫色の製品も展示されていた。漏れや動きにくさが気になって洋服を楽しめない日もショーツを楽しんでほしいと、くすみカラーを新たに加え、今後販売予定だという。

そのほか、オーガニックコットンを用いたブランドや、おへそまでカバーする「ハイウエスト」や「ボクサータイプ」など多様な形を展開するブランドも。子ども向けのサイズを販売するブランドもあった。

フェルマータの中村寛子・CCO(チーフ・コミュニケーション・オフィサー)によると、吸水ショーツを選ぶ際のポイントとなるのが、「どういうシーンで使いたいか」。職場で使うのか、家にいる時に使うか、などによって選ぶデザイン、素材、吸収量の特性が異なってくる。漏れないか不安だという声もよくあると言い、中村さんは「まずは、家にいるときに試してみることをおすすめしています」と話す。

フェルマータの店内。月経カップの使い方を伝える説明書きがあった

フェルマータではフェスを開いた「New Stand Tokyo」内に常設の店舗を設けており、吸水ショーツのほか、月経カップなど様々なフェムテック製品を販売している。それぞれの製品の使い方や特徴についてスタッフが説明してくれる。

記者・編集者。鳥取、神戸、大阪、東京で記事を書いてきました。ジェンダーや働き方・キャリアを取材しています。
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