菅野美穂×浜辺美波「ウチの娘は、彼氏ができない!!」恋愛って刀を持つことだと思うんです

菅野美穂主演、浜辺美波と親子役で共演する「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」。かつて“恋愛小説の女王”として一世を風靡したシングルマザーの水無瀬碧(菅野美穂)の悩みは、しっかり者でオタクの一人娘・空(浜辺美波)に彼氏ができないこと。恋から遠ざかっていた2人に訪れた運命の出会いとは……。
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切られているのは碧のほう

1月13日に始まった「ウチの娘は、彼氏ができない!!」。ライフスタイルも恋愛の形も多様化した昨今なんともひとをギョッとさせるタイトルではある。

冒頭、真っ白いインテリアの自宅で真っ赤なドレスでインタビューを受ける水無瀬碧(菅野美穂)は自信満々に語る。
「恋愛って刀を持つことだと思うんです。男と女の真剣勝負。きっと人をどこまで切っていいかって恋愛で学ぶの。」

しかし恋愛小説でかつて一世を風靡した碧はその直後にやってきた雑誌『ラファエロ』の編集長小西(有田哲平)に路線変更を賭けて力を入れていたミステリー小説の連載打ち切りを告げられる。切られているのは碧のほうで、実際は自分がスランプであることもわかっている。タイトルは、碧が恋愛小説を書くことができなくなった自分を奮い立たせようとして発した言葉のようにでもある。

ずっと夢の世界にいるよう

一方、青や黒っぽい色の服を着がちな娘の空(浜辺美波)は恋愛には興味がなさそうで、趣味はボーイズラブの同人誌を読むこと。大学でも「陽キャ」を苦々しく眺めるような、清々しいオタクだが、たい焼き屋でアルバイトをし、配達もしているのでそこまで暗そうにも見えない。家の経済状態を気にするしっかりした娘だ。

コミカルに、時に登場人物がカメラの方を向き、イラストやコツメカワウソの写真なども挟んで多量のセリフと共に進んでいく。画面には終始ソフトフォーカスがかかり、なんだかずっと夢の世界にいるようなのは、自分の才能と実力で手に入れたタワーマンションの一室が、碧となんだかんだで母と生まれ育った場所を愛している空が寄り沿いながら守ってきた「夢の城」だからだろうか。

母はプライドと見栄を張り通すことで娘を守ろうとし、娘は心配しつつも母の気持ちを尊重して、母が恋愛小説を書くための恋愛をする、と宣言する。しようとしてする恋愛の行方も気になるが、どうも母娘関係のほうがより恋愛に近いようだ。

一話目なので、まだ顔だけ見せてストーリーにどう絡むかわからない登場人物がたくさんいる。イケメン整体師渉周一はすでに親子両方と会っているし、空の大学の「陽キャ」入江光(岡田健史)たちの動向も気になる。

次回こちら:菅野美穂×浜辺美波「ウチの娘は、彼氏ができない!!」岡田健史が隠れオタクを告白「二人で『ジャンプ』のてっぺんとるんだ」

漫画家・イラストレーター。著書に『ものするひと』『いのまま 』など。趣味は自炊。
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