Ruru Ruriko ピンク 64

ファットフォビアを知ってる?「太ってる」からって何が悪いの?

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、「ファットフォビア(Fatphobia)」について。太っていると醜いと思っていない?Rurikoさんがファットフォビアについて考える、おすすめの動画を教えてくれました。

●Ruru Ruriko ピンク 64

みなさん、「ファットフォビア(Fatphobia)」という言葉を知っていますか?
「ファット」は太っている、脂肪、「フォビア」は恐怖症 、病的な嫌悪という意味です。
つまりファットフォビアは肥満恐怖症 、太っていることや太っている人への病的なほどの嫌悪を持つ人や考えのことを指します。

現代の日本を含めた多くの国では、痩せていることが美しく健康的とされ、太っていることはそれとは反対のネガティブな言葉として使われています。

最近では、いわゆるモデル体型とされるスリムな体型だけでなく、さまざまな体型のモデルが出てきたり、人はみんな違った身体で、それぞれに美しさがあるんだというボディポジティブ運動も盛んになりました。しかし、いまだに「太っている」についたネガティブなイメージは非常に強く、悪口として使われることも多いですよね。

太っているって本当に悪いのでしょうか?
太っているのは、どうして「醜い」とイコールとして使われるのでしょう?
なぜ、身長や足のサイズ、髪の色や長さと同じくらい、人によって違うだけで美しさには関係ないと思えないのでしょうか?

イギリスの女優でアクティビストのJameela Jamil(ジャミーラ・ジャミル)が運営する「I wigh」はフェミニズムからLGBTQ+、環境問題、人種差別などさまざまな社会問題について話すオンラインコミュニティです。Youtubeチャンネルもあり、そこでは今回のコラムのテーマでもある「太っている」ことについてもたくさん話されています。

人気歌手Lizzo(リゾ)やSam Smith(サム・スミス)といった著名人へのインタビューもあり、2人とも体型に悩んだ過去、そして現在どう自身の体型と向き合っているかなどを語っています。
Sam Smithは、母親は自分を愛しているのに、母が産んでくれた身体を自分自身が大切しないでどうするんだと気づいたと話します。英語のみ(英語字幕あり)ですが短い動画なので、ぜひ観てみてください。

2つめの動画では、FAT(太っている)は歴史上、醜さ、怠慢さなど悪い意味で使われてきたけれど、同時に豊かさを表すポジティブな意味としても使われてきたと説明します。体型は人それぞれで、太っている=不健康であったり怠慢なわけではありません。
以前の記事「痩せたねの魔法」「痩せたら勝ち組って誰が決めたの?」でも書いたように、痩せていると美しいはイコールではないですし、太っていると醜いもイコールではありません。
誰かをほめるときに「太ってないよ、かわいいよ」というのは、ほめているようで太っていることは醜いと言っていることになってしまいます。

家族や親しい間柄でも、本当に人の身体や心の状態を理解するのは難しいですよね。相手のためを思って発言した言葉でも傷付いたり、痩せているから健康で美しいなどと間違えた価値観を押し付けている場合もあります。
同じ言葉でも、上の動画のように歴史の中で変化したり、悪口になったり、ただの事実としての言葉にもなり得ます。

日本では渡辺直美さんなど、私たちはメディアでさまざまな体型の人が美しい人としてその姿を見るようになりました。私自身、10代の時は体型に悩んでいましたが、今は美に対する価値観は変わり、自分のありのままの身体を大事にしたいと思えています。それでも時には落ち込んだり、自分はブスで周りと比べて劣っていると感じる時もあります。

インターネットやSNSはポジティブな運動や人物、新しい考えに出会うことも可能にしてくれますが、みなさん知っての通り、キラキラした素敵なインスタグラムページを見て逆にネガティブな気持ちになってしまうこともあります。なので、最近はSNSはお休みして、目にも優しく電車の中では寝るか読書!

情報が多い時代なので、ある程度自分でコントロールしつつ、少しずつでもいいので常に新しいことを学んでいきたいなと思っています。
最後にLizzoのとってもパワフルでかわいいミュージックビデオをシェア!本当にオススメです!

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。