Ruru Ruriko ピンク 63

TENGA広報犬飼幸さんインタビュー。Ruru Rurikoが聞く、オープンで親しみやすいセックストイのこと

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、Ruru Rurikoさんが株式会社TENGAの広報、犬飼幸さんにインタビューしてきました!

●Ruru Ruriko ピンク 63

日本で1番有名なセックストイと言えばTENGA!日本では性の話題について、まだ抵抗がある人が多いかもしれません。そんななか、TENGAの女性向けブランド「iroha」は、昨年百貨店に常設店をオープンし、さらにオープンな性のイメージを広げています。今回は、広報の犬飼幸さんにインタビューをしてきました!

Ruru Ruriko(以下、――): TENGAは「性を表通りに」にすることを目指し、“オープンな性”をモットーにしていますね。実際にイベントを開催したり、広報の方が表に出たりと従来の性=タブーなものではなく、オープンで親しみやすいイメージを打ち出していると思います。とはいえ、まだまだ偏見もあると感じます。入社理由や周りの人からの対応を教えていただけますか?

犬飼幸さん(以下、犬飼): 学生ライターの頃にひょんなことから性や恋愛に関する記事を書いたのですが、予想外に周りの同世代女性から、いい反応をもらいました。そこでたくさんの女性は、言いたいけど言えない性の悩みを持っているんだなと気付きました。新卒で入社したPR会社から転職する際に、学生時代の性に関するライター経験とPRを合わせたらなにができるだろうと考えてTENGAに入社しました。

TENGAに勤めることに対して、冷やかしのような反応を受けることもありますが、例えばグループ会社であるTENGAヘルスケア では不妊治療や精子の活性化に関する研究製品を発売していたり、お医者さんとお話ししたりもしています。性に関して、まじめな面も話をするとわかってもらえるようになり、友人から性の悩み相談を受けるようにもなりましたね。

――大丸梅田店に来店されるお客様も多いそうですね。なぜ実店舗に来店するのでしょうか。

犬飼: 新聞やニュースで常設店について読んで来店したいう声が多かったです。商品はネットで購入する方が多いのですが、興味があっても実際に質感や大きさなどは触ってみないとわからないという方も多く、実際に来店する方が多くいたようですね。
お店の作りとしては、店内に誰かがいるのはわかるけど顔は見えないように工夫しているため、安心してお買い物ができるようにしています。化粧品カウンターのようなイメージで気軽に行けて、お店の人に悩みを相談できるような雰囲気づくりを目指しています。
百貨店の婦人服売り場にあるということで、安心して入りやすいという声もありましたし、年齢層も幅広く、80代の方もいらっしゃいました。上の年齢の方は、膣トレグッズを求めていたり、セックスレスを気にされてご来店される方が多いですね。

――常設店では性に関する本を置いた図書室コーナーがあると聞き、興味があります。どのようなシステムなのでしょうか?

犬飼: いろいろな性の悩みを持ったお客様の助けになるのではと始めました。外部のブックディレクターの方と置く本を決めていて、性の本だけではなく、「自分の身体と向き合う」をテーマに、ファッション系の写真集を置いています。性に関する本はなかなか手に取る機会がなかったり、価格が高いものも多いので、借りていかれるお客様が多いですね。
システムはお店のカードを作っていただければ、誰でも2週間無料で借りられるようになっています。

――まだ性の経験がなかったり、少ない方はセックストイに抵抗があるかもしれませんが、そのような方にはどのようにアプローチしていますか?

犬飼: いきなり挿入系のトイはびっくりされるかもしれないので、外にあてがるタイプをおすすめしています。価格もリーズナブルなものから1万円程度のものまでありますが、初めて買うのであれば1,000円代のものがいいのではないでしょうか。
セルフプレジャーが恥ずかしいという方には、お風呂でリンパマッサージにも使えるようなアイテムをおすすめします。見た目もセックストイに見えないような商品もあるので、トイの見た目に抵抗がある方も購入しやすいかなと思います。

――お客様から相談を受けた時に気をつけていることはありますか?

犬飼: まずは否定をしないことです。いろいろな悩みを持って、周りの人には言えないけれど、お店のスタッフになら言えるという方も多いと思うので。スタッフとしてアドバイスできること、個人的な意見、医学的な意見はきちんと分けて対応するようにしています。

――セックストイを使うベネフィットは何だと思いますか?

犬飼: セルフプレジャーをする際にご自身の手でもいいですが、トイを使うことで探求の幅が広がると思います。現在、一般モニターさんに商品を使っていただき、中イキの練習をしませんか?という企画を実施しています。外イキはあっても中イキの経験がない女性は多いのが実情です。今回は、トイを使う過程で、中イキに成功して「私はこういうところが気持ちよかったんだ」「今まではパートナーのために中イキがしたかったけれど、中イキできなくても自分が気持ちいいと思える方法が見つけられた」という声を実際に聞いており、トイを使うことで新しい気づきが増えるかなと思います。実際にirohaで実施した「アダルトグッズはセルフプレジャー体験を高めると思いますか?」という問いには、98%の方がイエスと答えているんです。トイと使うことで、より多くの方にベネフィット感じていただけたらうれしいですね。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。

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