Ruru Rurikoがおすすめする、ジェンダーについて考える映画5選
夏も終わり、早いことにもう9月!今年は残念ながら、まだ自粛期間が続き、旅行や外出は難しそうですね。引き続きお家で過ごす人も多いと思いますので、今回は私のおすすめ映画を紹介したいと思います。
1. 「スタンドアップ」(2005年)
1970年代、アメリカではそれまで男性の仕事とされていた鉱山で女性雇用が始まりました。しかし職場の男性社会は簡単には変わらず、数少ない女性社員たちは、日々セクハラやレイプ脅迫などの被害にあっていました。この映画は実際に1980年代に鉱山で働いていた女性たちがアメリカで初めて職場でのセクハラに対し勝訴した出来事を元に作られています。この一件により、アメリカの職場でのセクハラに関する刑法が変わりました。
映画の中でもセクハラシーンや女性たちに対する世間の目が本当にひどくて見ていて正直とてもつらい映画でしたが、80年代はそれほど遠くない話です。自分の母や祖母の世代の女性たちがどのように生きてきたのだろうか、と考えさせられました。2020年になっても、まだまだ変わるべきことや問題はたくさんありますが、社会は変わりつつあります。私が母の年齢になった時には、昔はそんな性差別があったの?と若い人が驚いてしまうくらい変わっていたらいいなと思います。
2. 「デザートフラワー」(2009年)
1965年にソマリアで生まれた世界的トップモデル、ワリス・ディリーの自伝を映画化した作品です。今も30カ国近いアフリカの国々で行われるFGM(女性器切除)をワリス自身も少女の時に経験。年上の男性との結婚を逃れるために逃げたロンドンでモデルになり、成功をつかみます。公開当時、私は高校生で、あまり内容を知らずに映画館で観たのですが、この映画で初めてFGMについて知りました。あまりにもつらくて、目をそらしてしまいたくなったのを覚えています。つらい内容ですが、興味のある方は是非見てみてください。
3.「Disclosure トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして」(2020年)
トランスジェンダーがハリウッド映画の中でどう描かれてきたかをトランスジェンダーの著名人たちのコメントとともにたどるドキュメンタリー。出てくる映画の中にはヒット作とされている有名な映画もあり、その映画の中でトランスジェンダーの人々は侮辱的に描かれ、ジョークのネタとされています。トランスジェンダーについては、日本でもまだ偏見が多いと思いますし、テレビなどでジョークとしてふざけて笑って話されることがあります。知り合いや周りにいないからわからない、という人も多いと思いますが、だからこそトランスジェンダー人たちの言葉で作られた映画や本、スピーチを聞いて理解を深めようとすることが大切なのではないでしょうか。こちらはNetflixで配信中です。
4. 「ハンナ・ギャズビーのナネット」(2018年)
日本のお笑いとは少し違う、欧米圏のスタンドアップコメディを見たことはあるでしょうか?以前はなかなか日本では海外のスタンドアップを見たり、和訳を探すのは難しかったのですが、Netflixではたくさんのスタンドアップコメディを見ることができます。オーストラリアのコメディアン、ハンナ・ギャズビーのコメディ「ナネット」は2018年に公開されとても話題になった作品です。英語圏のスタンドアップコメディは、政治や社会情勢に関するネタも多く、この作品ではアートやメンタルヘルス、LGBTについて話しています。ほかにも、Netflixで見られるものでは、アリ・ウォンやトレバー・ノアのコメディもとてもおもしろいのでおすすめです!
5. 「エリサとマルセラ」(2019年)
1900年代にスペインで初めて女性同士で結婚した実在カップルのストーリーを基にした映画です。彼女たちを白い目で見たり、嫌がらせをする人たちからお互いに身を守って一緒に生きようとする2人。白黒映画で描かれた彼女たちの幸せそうに愛し合うシーンは本当に美しくて引き込まれます。
今年はコロナもあり映画館にもなかなか行きにくいですが、10月公開の韓国のベストセラー「82年生まれ、キム・ジヨン」の映画は見に行きたいと気になっているところです。「オーシャンズ8」や「クレイジー・リッチ!」にも出ていた女優、オークワフィナが主役を務める「フェアウェル」もずっと気になっていたので早く観たい!
こんな状況だからこそ、普段観ないような映画にも挑戦していきたいなと思っています。みなさんも引き続き、体調に気をつけてお過ごしくださいね。