AK (あえて結婚しない)女子・男子

「子どもを産みたいけれど、超富裕層の愛人生活に満足」30代女性が“もうあえて結婚しない”ワケ

結婚観や人生観が変化したことによって、あえて結婚しない生活を選択したAK男子・AK女子と呼ばれる人たちが増えてきています。本連載では「結婚したくない」と考える男女の話を紹介しています。今回お話をうかがったのは、結婚に失敗し、高級クラブ勤務を経て、現在はネットビジネスのかたわら、超富裕層の愛人として生計を立てている女性(34)のお話をうかがいました。もう、あえて結婚したいと思わない理由とは?

●AK (あえて結婚しない)女子・男子 #05

大好きな人と結婚して、幸せな家庭を築く……そんな結婚生活への憧れを抱いている人は少なくありません。しかし実際、結婚を経験してみると、家事、育児、お金の問題……と理想とかけ離れた現実にうんざりしている人も多いはず。

今回お話を聞いた「AK(あえて結婚しない)女子」の喜多川冴子さん(仮名・34歳)は、20代後半で当時の交際相手と結婚。しかし、3年後に離婚してしまいます。

離婚後はネットビジネスを手がけるかたわら、「もう結婚は充分」と割り切り、経営者数人の愛人稼業に精を出しているのだとか。年間数十億円という巨額の報酬を得ている超富裕層との生活など、気になるお話をうかがいました。

交際クラブは意外と稼げない

――超富裕層の愛人をしているそうですが、どんなきっかけで始めたのですか?

喜多川冴子さん(以下、喜多川): 30歳のときに離婚をしたのですが、その1年後に交際クラブに登録したことですね。ある意味、男性との関係を再開するリハビリとして始めました。ただ、思ったより稼ぎがよくなかったこともあり、六本木の高級クラブでアルバイトとして働き始め、翌年には銀座へ移籍しました。

――交際クラブは稼げそうなイメージがありました。

喜多川: 1回のデートで、食事をごちそうしてもらって、謝礼を1万円いただく程度です。それ以上は、より“深い関係”にならないといけない。私は誠実にお付き合いしたいと思っていたので。もちろん、仲よくなった人には自分の“経歴”も打ち明けていましたし、戦略的に自己開示することもありました。

銀座でいただいたという「P3」というシャンパン。「1本120万円くらい」(喜多川さん)

お会計100万円の高級クラブで働き、人生が激変

――銀座の高級クラブは、想像するだけですごそうですね。

喜多川: 銀座のクラブは、座るだけで4~5万円、ボトルを入れたらお会計は青天井という世界でした。お会計が100万円近くなるお客様もいましたね。お相撲さんと同伴することもありました。

それに一晩で出会う人数も、交際クラブは1、2人ですが、高級クラブは50人以上の方と知り合うこともあります。しかも年収は1000万円クラスから、年に何十億円も報酬をもらっている超富裕層まで、さまざまな方がいました。

――そんな高級クラブをやめてしまった理由は?

喜多川: 2019年にやめました。やめた理由は、離婚と同時にストップしていたネットビジネスを再開させて、頑張ってみようと思ったからです。それに、高級クラブで働いて、それこそ普通の生活では知り合えない、経営者やVIPの方にお会いできて、いわゆる“お金持ちの感覚”を身につけられました。今はそこで知り合った方を含めて3人の男性と個人的にお付き合いしています。

1泊10万円近くする高級ホテルに宿泊したときの1枚

超富裕層の愛人はやっぱりすごかった

――それは、いわゆる愛人ということですか? 具体的にどんなお付き合いをしているのでしょうか?

喜多川: とりたてて変わったことはしません。海外に連れて行ってもらったり、リッツカールトンなどの高級ホテルでおいしいものを食べたりするだけです(笑)。みなさん、ビジネスの最前線に立っている方々なので、自由な時間や何げない会話をする相手が必要なのかもしれません。

――それは不思議な関係ですね。

喜多川: 先程何気ない会話をしているだけと言いましたが、傍から見ると、だいぶ年齢の離れた友達のようにうつるかもしれません。

私自身、結婚中は夫の暴力に苦しめられて、贅沢とは無縁でした。離婚で自尊心も失ってしまい……彼らとの交流でそれを回復している気分でした。どの方も私にとって精神的なメンターであり、お会いする度にまるでカウンセリングを受けているようですね。

――なぜ、超富裕層の男性とそこまで仲よくなれるのでしょうか?

喜多川: 昔から「アスペっぽい」とよく言われていて、たまに空気が読めない発言をしてしまうのですが、それがウケるのかもしれません。経営者や超富裕層の方は、普段ごますりばかりされていて、私が生意気な物言いをしても、それが新鮮なのでしょう。基本的に人間に対する許容範囲が広いのだと思います。

よく宿泊する外資系高級ホテルから眺める夜景

1泊15万円の高級ホテルが一番の思い出

――とはいえ、当然、相手には家庭がありますよね……。

喜多川: はい。相手には奥さんも、お子さんもいます。ときに、バレそうになることもありました。ただ、不思議と大事にはなりません。

――それはなぜですか?

喜多川: 思うに、圧倒的な経済力が理由だと思います。妻も「夫に愛人がいてもしょうがない」と思うのではないでしょうか。年収2000万円程度の小金持ちでは、こうはなりません。私の愛人は年収1億円超える方なので、妻からも大目に見られているのだと思います。もちろん普段は妻や子どもの面倒も見るいい夫、いい父親であることが大前提ですが。

――彼らとのお付き合いのなかで、思い出に残っているイベントはありますか?

喜多川: あるとき、私の愛人の会社が投資に失敗して、巨額の負債を抱えてしまったことがありました。ニュースになり急に連絡が取れなくなって私も心配していたのですが、数日後、「トラブルが落ち着いた。ハワイに行こう」と連絡がありました。

平日にビジネスクラスでハワイに行き、1泊15万円の高級ホテルに1週間滞在しました。現地では特に何もせず海に寝そべってのんびり楽しく過ごしただけ。なんでもない日常を彼と共有できたことがうれしかったです。

交際クラブで知り合った男性からいただいたという現金

結婚して分かった夫の精神的な病

――もう一度、結婚したいとは思わないですか?

喜多川: 一度、相手選びを間違えてしまったため、家庭を築くことへの抵抗感があります。それに今の愛人生活の満足度が高いので結婚する必要を感じていません。ただ、子どもを産めるリミットも近づいているので、もし産める環境が整ったら、考えを改める可能性はゼロではありません。

――改めて、どのような結婚生活だったのでしょうか?

喜多川: 3年ちょっとの結婚生活でした。20代後半は結婚のためだけの生活だったと思います。

――なぜ破綻してしまったのでしょうか?

喜多川: はっきり言って、私の夫はメンタルヘルス系の病気でした。夫はマスコミで働いていたのですが、転職先の環境が合わず、うつ病を患っていました。しかも、起業すると言い出して失敗。ますます精神的にダメージを受けてしまい……。2人で心療内科にカウンセリングにも通い、精神薬と睡眠薬を服用していました。

おまけに浪費グセもあって、女性に食事をおごったり、高級車を買ったりして、消費者金融からの借金が300~400万円にもふくらんでしまいました。

――そんなに多額の借金を?それは大変でしたね……。

喜多川: リボ払いなどを含めると1000万円は借りていたと思います。私だけが働いていて、夫は半分無職状態でした。結婚前にあったはずの貯金も減ってしまいました。

クラブで働いていた頃の喜多川さん

「お前みたいな奴と付き合えるのは俺だけだ」

――なぜそんな借金を抱えている人と結婚したのですか?

喜多川: お互いに依存する「共依存」みたいな関係になっていたと思います。そもそもモラルハラスメント加害者の行動には、周りの人間関係を切り離していくという特徴があって、夫と私の2人だけにさせるんです。

私の知人が夫について悪口を言うと、私に「もうそいつと連絡を取るな!」と命じてきてきます。そのうち、両親とも連絡を禁じられました。そして急に怒るようになって「お前はダメだ」「お前みたいな奴と付き合えるのは俺だけだ」と言ってきます。

そして一緒に住むようになると、物を投げたり、日常的な暴力が始まります。

――そんな状況下で、夫をどう思っていたのですか?

喜多川: 彼の導火線に火をつけないよう、ひたすらおびえていました。叱責され、泣くまで土下座させられました。ひたすら人格を否定するような発言を浴びせられていましたね。ほぼ洗脳のような感じで、お金だけをむしり取られて。今思えば、結婚したのも、「一緒に過ごしていれば、お金を返してくれるだろう」という淡い期待からでした。

――なぜそれを見抜けなかったのでしょうか?

喜多川: 私は関西出身で、大学を卒業して、それなりの学歴がありました。周囲にも彼のようなタイプの男性はおらず、しかも自立した女性でいたかったので、彼氏がモラハラ男であることを見抜けなかったのが恥ずかしいと思い込んでいました。

また、私の父は社会的地位があり、母は専業主婦。ある意味、理想的な夫婦だったんです。マイホームもあって、近くに親戚もいる。社会人になってから、私の結婚生活もこうなると思い込んでいたのかもしれません。

1990年群馬県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業後、扶桑社に入社。雑誌「週刊SPA!」の編集を経て「bizSPA!フレッシュ」編集長に。
AK (あえて結婚しない)女子・男子