家こもりが増え、たるんできた体に喝。誰でもできる30秒メソッド
●本という贅沢96『ヒィロのやせる30秒メソッド』(ヒィロ/かんき出版)
ここぞとばかり毎日、テレビ会議システムの「Zoom」でのランチや飲み会をしている。
同業者と、古巣の美容業界関係者と、学生時代の友人と、趣味のサークル仲間とetc.etc.
仲間内で必ず話題になるのが、最近太ったという話。
そして、身なりに気を使わなくなったという話。
世界的に有名なある美容家さんは、「私いま、上半身はZoomに映るからブラウスだけど下半身はスウェットよ! 信じられる? この私がよ」と、おっしゃっていた。
彼女曰く、ヒールを履かない日が続き、身体が怠けてゆるんできたそう。
私がひそかに「プロ奢ラレヤー・♀」と(心の中で)呼んでいるモテ女も、人生最高体重を更新するピンチらしい。曰く、お相手の皆さんが家族以外との濃厚接触を避け始めた結果、露出の機会が減って気が緩んだそう。
私自身はというと、テレワークであろうがなかろうが自堕落な人間なので、もともとすぐ太る。しかも引きこもり大好き人間だから、これ幸いにと家から一歩も出ない。よく寝てよく食べる。動かない。当然、いつも以上に太る。
「人目を気にせず生きていきましょう」
とか
「他人と比べず、ありのままの自分を大事にしましょう」
とか、みんな言うけれど
こと、体のラインに関しては、「人目」がないとこれ、際限なくゆるむ。「人目」って大事だったんだなあーと、きつくなったデニムをはきながら思うわけです。
というわけで、さすがに危機感覚えて、手に取ったのがこれ。
『ヒィロのやせる30秒メソッド』。
ある書籍編集さんが、「これ、めっちゃいいから!」と、送ってくれたままごめんなさい積読になっていたやつ。
というのも私、極度の方向音痴で、こういうビジュアル本の動作が全然イメージできないタイプなんです。
ストレッチとか体操とかヨガのポーズとか、クロールの泳ぎ方とか、走り方とか、ラケットの振り方とか。写真やイラストで見ても、さっぱり動作できない。矢印の方向がどっち方向なのか混乱するの。腕を右に回せばいいのか、左に回せばいいのか、わからない。
たぶん3次元の空間把握能力が著しく低いんだと思う。「サイコロの裏側は何?」問題がまったく解けなかったタイプ。縦列駐車すると必ず前後の車にあてるタイプ。
でも、この本はとにかく、わ か り や す い !
実際にやってみたらわかるんだけど、ひとことで言うなら、「私でも、できる」。
まず、おばあちゃんみたいなこといっちゃうけど、写真が大きくてめちゃくちゃわかりやすい。わたしみたいな、ポンコツ空間把握脳は、写真が細かいと機能停止するんだよね。
それに、これは意外な盲点だったのだけれど、どこかで見たことある動きばかりなのがいい。長い人生の中で、「これ、一度はやったことある」みたいなポーズなので、迷わなくていい。
あとね、気になる部位ごとに、「これだけやっとけ」感あって、選抜されきった少数精鋭のポーズやモミモミが良い。たくさんあると、やる前から疲れちゃうし。
そして、本が180度開いたままページが閉じないのもいい。手で本を押さえながらストレッチとか、無理だもんね。
最後に、とにかく、気持ちいい。まだ始めて数日だから、痩せたのか痩せてないのかはわからないけれど、それでも凝り固まった体が「ご主人さま、これ気持ちいいです。もうちょいお願いします」って言ってるのが、わかる。
というわけで、私のように、こういうダイエットやストレッチ本初心者に、おすすめです。
いつかまた同僚や友人に会うときに、別人になっていないように。いまのうちに贅肉ケアしておこう。
(ちなみに、zoom中でも画面の外でこっそりできるストレッチが多いよ!)
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これを書いている最中に、緊急事態宣言が出るという報道がありました。歴史的な瞬間に生きているな、と思う。
もちろん事態の深刻さははかりしれないから、軽々しくは言えないし、個人的には講演業が仕事の3分の1を占めるので経済的な打撃もある。けれども、驚くほど私自身の心は穏やかです。家にいるだけで誰かの命を救えるのであれば、今は自分にできることをしたい。誰かの命を救っている人の邪魔をしない行動をしたい。
これを機に、体だけではなく、いつのまにかあれもこれもとfatになっていた心の贅肉も落としたい。
「いつか時間ができたらやろう」と思っていたことに手をつけるのは、いまなのかもしれないですね。
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それではまた来週水曜日に。
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『女は、髪と、生きていく』
著:佐藤友美
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・デブには幸せデブと不幸デブがある。不幸なデブはここに全員集合整列敬礼!(テキーラ村上/KADOKAWA/『痩せない豚は幻想を捨てろ』)
・恋愛で自分を見失うタイプの皆さん。救世の書がココにありましたよ!(アミール・レイバン、レイチェル・ヘラー/プレジデント社/『異性の心を上手に透視する方法』)
・人と比べないから楽になれる。自己肯定感クライシスに「髪型」でひとつの解を(佐藤友美/幻冬舎/『女は、髪と、生きていく』)