働く女子のお金のトリセツ

デジタル通信費、1カ月の支払い総額は把握してる?

毎月のデジタル通信費、いくら使っていますか?「携帯は格安スマホの安いプランにしたから大丈夫」と思っている人がいるかもしれません。デジタル通信費はスマホ以外にも、プロバイダー料金、タブレット通信費なども含みます。気づかないうちに膨らみがちなデジタル通信費をシェイプアップする方法をファイナンシャルプランナーの中村芳子さんと一緒に考えてみませんか。

アプリ使用料、ゲーム課金、映像見放題プランも含めると?

――気づくとデジタル通信費って高くなっちゃっているんですよね。。

スマホ代、映画配信サービス、プロバイダー料金。ひとつひとつは大した額ではないと思うかもしれません。でも、往々にしてそこには“見えていないコスト”がが存在します。たとえば、音楽やゲームアプリのダウンロード、アイテム購入のための課金、ネット記事の有料購入費、各種サービスの会費など。一つ一つの金額は数百円程度かもしれませんが、まとめると意外と高くなっている場合があります。

一例を見てみましょう。

スマホ契約代:月額4000円+保険料など500円+500円=5000円
プロバイダー料金:5000円
映像配信サービス:1000円×2=2000円
音楽配信サービス:1000円
アプリ会員料:1000円
ゲームアプリ課金:3000円

合計すると、月額約1万7000円になります。

月額1万7000円のデジタル通信費、50年払い続けたら…

――格安スマホを使っているから節約できてると思ってたけど、意外にかかってました……。

トータルで計算しないから気づかないんですよね。1カ月1万7000円だと、高いと思う人がいるいっぽうで、このくらいしょうがないと思う人もいるかもしれません。でも、年間で考えたら20万4000円! 海外旅行に行けそうな金額です。それを10年間続ければ204万円、50年で1020万円。支払いは死ぬまで続くのだから、大きいですよ。

もちろん「海外旅行には興味ない。それよりも毎日自宅で好きなだけSNSをして、音楽聞いて、ゲームやって、映画を見ているのが至福のとき」という人もいるかもしれません。でも、使い方やプランを工夫すれば減らせる余地はあるはず。
「なかなか貯金ができないな」と思っていたら、デジタル通信費は見直し必須です。相談に来る人で、「お金を貯めるのがうまいな」と思う人は、デジタル費の節約がとても上手です。あなたもデジタル上手になってください。

総支払額は手取りの5%まで。それ以上は払い過ぎ

――通信費は減らしたいと思うんですけど、実際にどのくらい減らしたらいいかわからなくて。

まずは、デジタル通信費は手取り月収の5%まで、と考えてください。手取りが25万円だとしたら通信費にかけるお金は1カ月1万2500円です。ボーナスがない場合は4%で1カ月1万円。それ以上になると、他の出費を圧迫する原因になっています。見直すべきポイントのひとつは、基本プランとともにパケットの定額プラン。いまは街中で無料のWiFiが使えるところがたくさんありますね。これを上手に使い、普段は使った分だけ支払う従量制のほうが安く上がることもあるんですよ。

月額使用料300円のアプリでも使っていなければムダ

――月額制のアプリ、解約方法がわからなくてそのままにしているたものもあります。1カ月300円だし、ま、いいかって

いま使っていないにもかかわらず解約するのが面倒、または解約の仕方がわからず契約しっぱなしになっている有料課金アプリをこの機会に確認してください! 月300円でも、使っていないものにお金を払うのは、お金をどぶに捨てているのと同じです。10年で3万6000円。もったいないですね。

自分が何のアプリに有料課金しているかわからないという場合は、iPhoneの「設定→Apple ID→iTunesとApp Store→Apple ID……」とやっていけば一覧が表示できます。使用しないものは登録を解除しましょう。

現在、スマートフォンの通信料は各社がいろんなプランを出しています。自宅のネット契約とセットにすると割安になるプランも多いので、一緒に見直すこと。映像配信などのサブスク、見ていればそのままでいいですが、月1回も見ていないなら、見たい番組や映画があるときだけレンタルする方が合理的。せっかく料金を払ってるからと、興味がない番組を見るのはお金だけでなくて、貴重な時間の無駄です。よく考えて判断しましょう。

気づいてないだけ!毎月の無駄が潜む項目は?

――デジタル費、このまま使い続けていたらかなりの額を支払うことになりそうです。

デジタル費の節約が大切なのは、1、油断するとふくらみがち、2、何十年も(場合によってはほぼ一生)払い続けるから。10万円の無駄遣いは1回きりだけど、500円X10項目=月5000円の無駄は、50年で300万円にもなります。

同じ視点から、毎月毎月ずーっと払い続ける出費には、十分注意を払いましょう。
たとえば、
○生命保険料:シングルだったら死亡保障はいりません。シンプルな医療保険だけで十分。いらない保険を解約したら、月1万円以上の節約になることも。
○銀行の手数料:ATMでお金を引き出すときは手数料(110円〜220円)がかからないように注意。家賃などの振り込みも手数料(220~440円)がゼロ、または最安になる方法を見つけましょう。
○リボ払いの利息:金利15%だから、残高50万円だと年7.5万円の利息を払っています。リボをやめない限り一生払い続けることに。 クレジットカードは一括払いだけにしましょう。
○サブスク(定額支払いサービス):人気のサービス、試してみるのはいいけど、割りに合わない、しっくり来ない場合は、潔く解約しましょう。

他にもライフスタイルによって、いろいろな「月々払い」の無駄があるかもしれません。まずはデジタル関連から、無駄を見つけて、すっきりスリムになりましょう。

ファイナンシャルプランナー。東京・下北沢のオフィスで多くの人のお金の相談にのり、人生の悩み解決のお手伝いをしている。早稲田大学商学部卒。メーカー勤務を経て1985年に独立系ファイナンシャルプランニング会社に転職、女性FP第1号に。91年に友人と「アルファアンドアソシエイツ」を設立。『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)『いま、働く女子がやっておくべきお金のこと』(青春出版社)など著書多数。
明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。
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