「ワイン飲もっか」 コンビニワインでなぜ悪い! ミレニアル世代のぜいたく
「冬場はビールよりワイン」の気分になるわけ
telling,編集部に出入りする3人の"女子"、ミサキ、マイ、ユリコ。編集会議の後、ワインについて話を聞かせて欲しいとお願いし、好みのワインを持ち寄ってもらいました。日本の1人当たりのワイン消費数量は3.2リットルで、1位のポルトガルの20分の1、アメリカの4分の1と足元にも及びません。でも、ここに集まった3人にとっては、ワインは特別な時に飲むお酒ではないようです。
ワイン歴を尋ねてみると、こんな答えが返ってきました。
ミサキ 「ワインは全然詳しくないけど、詳しくなりたい。以前は、『安いお酒は悪酔いする』という学生時代からの思い込みもあって、コンビニワインを買わなかったんです。でも転職を機に年収が下がってしまい、“泣く泣く”近所の『まいばすけっと』で『VELATA BLANCO』(ヴェラタ・ブランコ、スペイン産)を二日酔い覚悟で買いました。そしたら、まるで水のようにスッと飲める! すごく飲みやすくて、はまっちゃいました」
ユリコ 「水じゃだめじゃん」
3人が持ち込んだワインは、どれもリーズナブル。『QUINTA LAS CABRAS CHARDONNAY』(キンタ・ラス・カブラス シャルドネ)、『SUNRISE』(サンライズ カベルネ・ソーヴィニヨン)、『Famigos』(ファミーゴ カベルネ・ソーヴィニヨン)、『VELATA BLANCO』(ヴェラタ・ブランコ、スペイン産)の4本です。
ミサキ 「ある程度高いワインだと悪酔いしないと言われますが、翌日に酔いが残らない、軽いワインを冷蔵庫に常備して、夏、ヨーロッパ人の気分でジュースのように飲むっていいでしょ?」
もともとはビール好きというマイさんは、ワイン好きの友だちに巻き込まれるようにワインを飲みはじめたそうです。
マイ 「コンビニのワインの品ぞろえは辛口が多いですよね。実は私は甘口のデザートワインが好きなんだけど、コンビニでは見つけにくくて。スーパーやカルディみたいな店にいかないとないのかなあ」
ワインにこだわりがあるというユリコさん。特に「冬場はビールよりワイン」と言います。
ユリコ 「最近はもっぱら赤がマイブーム。お腹がふくれないし、食事の邪魔にならない。よく赤は常温で、って言われていたけど、私は冷蔵庫の野菜室で適度に冷やすのが好き。1週間に1本空けるペースです」
マイ 「赤ワイン飲むと、お肉が食べたくなるよね~」
ユリコ 「チリワインの『Cono Sur』(コノスル)は外しませんね。ラベルに自転車のマークがあるやつ。コンビニのワンコインワインよりちょっと高いけど。でも、コンビニワインってバカに出来ないよね」
「家飲みワイン」をチョイスする基準
レストランで飲むワインとは違い、ミレニアル世代にとっての「家飲みワイン」をチョイスする基準は何なのか?
ミサキさんは「初心者だから、値段が高くてクセがあるものを選べない」と言います。そして「500円なら、口に合わなければ料理に使えばいい。でも1500円になるとシチューには使えない」というコスト感覚だそうです。
一方、ユリコさんは「コルクでなく、スクリューキャップであることがぜひもの」だと言います。1晩で飲みきれない人への優しさですね。
コンビニワインに合うおつまみ
コンビニで買うワインなら、つまみもコンビニで調達するのが便利だよね、と3人。チーズや乾き物を買う人が多いかもしれませんが、マイさんが重宝しているのが、ベビーチーズだそうです。ミサキさんはロカボナッツをお勧めしています。
ミサキ 「ナッツはカロリー高いし、1日これしか食べちゃダメと小分けされているのがいい。コンビニのおつまみだと、知らぬ間にとんでもない量の塩分をとっているんじゃないかと心配するけど……」
ユリコ 「私は雪印メグミルクの『コクとうまみ』(こくうま)シリーズのチーズがワインに合うと思う! このシリーズは他の種類も結構、好き」
ミサキ 「セブンプレミアムの『スモークチーズ』もよく合わせる。ワインを飲むとき、本格っぽくなるから。平日の夜に食事と一緒に飲むなら、コンビニのスモーク味の『サラダチキン』を合わせてカロリーや健康に注意しているよという悪あがきをする」
ユリコ 「『サラダチキン』って流行っているけど、ほとんどが調味料入りすぎてワインの味となじまない。プレーンにコショウを少しかけるといいんじゃない?」
家飲みワインに合う料理
「家飲みワイン」と料理について、冬のあわせかたを聞くと、こんな答えが返ってきました。
ユリコ 「鍋にもいろいろあって…。たとえばポトフ鍋は白が合う。すごい量のキャベツを消費できるし、健康にもよさそう。ミネストローネ鍋もいいかな。でも最近は一人鍋の種類が増えたよね」
ミサキ 「一人鍋のワインってすごくいいね」
ユリコ 「おでんは白じゃない?」
ミサキ 「味が濃いから白ワイン」
マイ 「すき焼きや焼き肉は赤ワインだよね。でも、私はなんでも白を合わせちゃう」
ユリコ 「チーズたっぷりのグラタンだと、料理の色は白だけど赤を合わせちゃうかな。白だとチーズの濃厚さを消してくれないのよね」
ミサキ 「ワイン通の友だちによると、白っぽい料理には白、赤っぽい料理には赤を合わせるとハズレがないと言っていた。初心者はそれを覚えておけばいいんだって」
冬の夜にワインカクテルを楽しむ
冬になると、寒さの厳しいフランスやドイツ、北欧の国々では、家庭でワインを温めて飲みます。ワインカクテルの一種で、日本では「ホットワイン」と呼ばれていますが、これは和製英語です。ドイツでは「グリューワイン」、フランスでは「ヴァン・ショー」と言います。
ミサキ 「冬はめちゃめちゃやります。シナモンのパウダーや、スティックと、オレンジのスライスを入れて、電子レンジでチンして終わり。私は甘めのワインで。ハチミツとか入れてもいい。1人でワインを1本買って、半分ぐらい残ったらシナモンスティックを入れておく」
マイ 「ワインにハチミツたらして、ちょっと冒険してみるのいいね」
ユリコ 「ゴルゴンゾーラにはちみつとくるみ! それと赤ワインもいいよね」
ちなみに、夏場は炭酸水でワインを割って飲むのもお薦めだとか。ユリコさんは、オーストリア旅行をしたとき、地元の若者たちがワインを炭酸水で割って飲んでいることを知って以来、夏はワインの炭酸割が「マイブーム」だそうです。友だちには、炭酸水メーカーを通販で買って赤ワインを「微炭酸ワイン」にして飲んでいるカップルもいるそう。「これなら夏場いくらでものめちゃうんですよ」
ミサキさんは「私はむしろ飲み過ぎ注意として炭酸水で割っています!」
部屋着で自己解放楽しむ「家飲みワイン」
「家飲みワイン」は何と言ってもリラックスした状態で飲むのが基本。どんなシチュエーションで飲んでいるのか、聞いてみました。
ユリコ 「部屋着に着替えて、自己解放しながら、撮りだめしたビデオみながらですね」
ミサキ 「Netflix (ネットフリックス)でテラハを見ながら、が一番多いパターン」
マイ 「ビールは仕事のきりがつかなくても飲めるけど、ワインは何となく、一仕事終えてからでないと飲めないですね。あと、ワインはせかせか飲む感じでもないし。家飲みワインの定番は、友だちを呼んだときかな。ワインが1本あると、みんなが集まれるっていいね」
ミサキ 「平日は仕事をがんばって、土曜の昼から飲みやすい白ワインを飲みながら家事をします。ラジオを聴きながら。そのまま夕方になったら、今度は本格的に飲む!」
ユリコ 「土日の昼間のワインは、自分へのご褒美だよね」
ミサキ 「悪いことしている、てへ、という感じもいい。気分が上がります」
マイ 「ワインって敷居が高いと思っていたけど、コンビニで探すとほんとに安いよね」
ミサキ 「安いワイン=学生時代に安い居酒屋で飲んだ質の悪いワイン、っていうイメージがあった。働き出してからは、安いワインなんて飲まない! と思っていたけど、コンビニワイン飲んでみてワインは深化していると実感」
ユリコ 「こんどはいろんなコンビニチェーンで売ってるワインの比較をしてみたいよね」
ワインを愛するミレニアル世代に贈る裏技
特集「ソムリエが教える 家飲み×コンビニ ワイン術」の連載が始まります。『男と女のワイン術』の共著もある銀座のワインビストロのオーナーソムリエ兼シェフが、身近に手に入る食材とリーズナブルなワインとで、ミレニアル世代も納得の“マリアージュ”を、ちょっぴり科学的に提案します。
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