「浅い会話をしたい。だからホストクラブに行く」

ホストにはまった一人の女性を通じて、女性が抱える孤独の正体は何か、孤独を抱えながらどのように生きていこうとしているのかをシリーズで伝える第2回。 出張ホスト(女性用風俗)にはまっていたユカさん(35)は、利用してから数カ月経ち、「本当に欲しかったのは体の関係ではなかったのかも」と気づき始めます。そんな彼女が次にはまったのは「ホストクラブ」でした。

女性用風俗にはまらなかったのは、早い段階でお金を払わずに外で会えるようになったのも大きいかもしれません。出張ホストの彼とは最初の4回は、ホテルに行ったりもしていましたが、徐々にそういうのもなく、ただ飲むだけになっていきました。元から、裸を見せるのが好きじゃないんですよね。服を脱がなくてもこんなに楽しいなら、もういいやって思うようになりました。

今は、ホストクラブにはまっているんです。友達に「初回は安いから一緒に行こう」と誘われたのがきっかけです。話せる人が欲しかったんですよね。

私だけ逆走している気がする

急に飲みたいな、誰かと話したいなっていう夜、あるじゃないですか。でも、35歳になると、誘える人が減るんです。同世代の友達はみんな家庭を築いている。結婚、妊娠、子育てに向かう彼女たちを思うと、私だけ逆走しているように感じてしまう。なんか気を使ってしまって。

それなら、ふらっと1人で行けるホストクラブに行っちゃう。頭を使わない、浅い会話をしたいんですよね。ホストに期待していることも特にないです。相手は20歳そこそこで、夜に働いている人なので、世間知らず。何も知らない人と、何の実にもならないことをしている。逆に面白いですよ、これで1千万円稼げちゃうんだっていう(笑)。1番お金を使った子は23歳の男の子ですね。先月は40万円。貯金を切り崩しています。

あとに残らない会話をしたい

バカですよねえ。深い話をできる女友達もいるんですけどね。なんなら私の女友達はそこらの芸人より面白いですもん。かつては、恵比寿駅のベンチに座って缶ビール飲みながら、通りすがる人たちの悪口を言ったりしてましたね。その友達も今は前向きに仕事を頑張っているので、私とのくだらない話で、彼女のやる気をそぎたくない。深い友達を大事にしたいって思うと、私のわがままで呼び出したりとかしたくないんですよね。

深まっている友達を増やしたいんじゃないんです。私のことをちゃんと理解してくれること、「35歳の結婚している女」として見られることが面倒くさいんです。ただの普通の女として、浅い会話をできる人を探しているんです。ちょっと肩に手をまわされてドキッみたいな。それだけでいいんです。あとには何も残らない会話をしたいんです。

そうは言っても、結婚していないと不安だったり、どこか「枠」に入っていないと不安な自分もいます。自分のなかでもアンビバレントなんですけどね。

子どもは欲しくない

旦那とは財布が別なので、ばれないとは思うんですが、薄々気づいているかもしれません。でも私のお金なので、どうこう言われる筋合いもないかなって。

子どもは、欲しくないなあって思ってます。旦那さんとは、結婚した当初は話したけど、もうずっとその話をしていないのでどう思っているかわかりません。周りの子持ちの友だちを見ていると、全然産みたくないと思ってしまう。

私と旦那は収入が一緒くらい。旦那には貯金もないし、お小遣い制にされるのも嫌だって言ってます。今は子どもがいないので、大金を貯める必要はないけど、子どもを産んだらそうはいかない。育てる自信がないです。今は、産まない選択もできる時代だから、産まない方がいいんじゃないかとて思っています。

これから私どうなっちゃうんですかねえ。ばかだなあって思いながら、流されちゃってます。

【取材後記】
体だけの関係を出張ホストに求めることもやめ、刹那的な会話をホストに求めるようになったユカさん。「子どもは欲しくない、旦那さんにはホスト通いのことも話していない」と話す一方で、結婚や何かの「枠」から外れていると不安、と語ったことが印象的でした。そんな女性たちに”出張ホスト”として出会う男性は、彼女たちをどのように見ているのでしょうか。最終回は、出張ホストの男性に話を聞き、女性の抱える孤独や生きづらさについて、新たな視点から考えます。

続きの記事<女性用風俗で働くホスト「性のミスマッチがおきている」>はこちら

telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
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