【Dr.尾池の奇妙な考察06】男性は、いつだって女性に「選ばれる」存在なのだ
●Dr.尾池の奇妙な考察 06
女性が男性を作った
こんにちは、尾池です。研究をしてまして、工学博士です。
生物学のこんな名言をご存知でしょうか。
女性は存在であり、男性は現象である。
(多田富雄博士「生物の意味論」新潮社)
ヒトのベースは女性で、たった一つのSRY遺伝子が起動した場合だけ、男性が発生します。なぜ発生するのか。それはもともと存在している女性にとって必要だったからです。
なぜ必要かは挙げればキリがなさそうですが、不審者を前にした時に発揮すべき腕力がその理由であるかもしれないし、男性がいつも女性を笑わせてリラックスしてもらおうとするのもそれに当たるでしょう。
まさに、女性が男性を作った、と言えます。いつの時代も女性が男性を選び、男性は女性の期待に応えようとしています(結果は別として)。そのように考えていくと、男性がまるで女性社会で開かれているコンテストに出場し、能力を競い合っているように見えてきます。そして審査員はもちろん女性たちです。
記念すべき初出場の結果
その男性コンテストは私の人生においてもくりかえし開催されていますが、記念すべき初出場は小学校低学年の時でした。記憶が定かではありませんが、悲劇的な結末だけはトラウマのように覚えているので、そこに至る経緯もおぼろげに記憶しています。
ある日、とつぜん恋をしました。恋多き児童だったので初恋は幼稚園の時にすませていましたが、とにかくその子を見た瞬間、ハートに矢が突き刺さりました。トムとジェリーでよくある目と心臓から同時にハートが飛び出すまさにアレです。
その後の展開もトムとジェリーとほぼ同じで、家にすっ飛んで帰り(両足が高速回転)、紙と鉛筆を取り出し(舌を出してハアハア)、ラブレターを書き上げ(ラブレターに何度もキス)、そして翌日、早朝に登校して、だれもいない教室でその子の引き出しにそれをそっと差し込みました。なぜ下駄箱ではなかったのか、今となってはよく分かりません。
そして放課後、悲劇が訪れました。下校前に自分の引き出しを開けると、くしゃくしゃに丸められた紙が入っており、それを開くと「バーカ」と書いてありました。その時私は生まれて初めて心底、「僕はバカな事をしてしまったのか」と思いました。ここで「僕はバカだったのか」と自己全否定しなかっただけ救いで、「何かバカな事をしてしまったんだ」と思いました。その時の女性の名誉のために付け加えますと、おそらく私の書いたラブレターが常軌を逸した内容だったのだろうというのは想像に難くありません。
それまで友人からどんなに「バーカ!」とののしられても、「うっせえ、バーカ!」とびくともしなかったのに、恋愛対象になった女性から「バーカ」と言われたら、それをすなおに受け入れました。いまに思えば、これが人生で初の「出場経験」(結果は落選)でした。
それからというもの、なにかにつけ、女性の笑いを誘ったり、女性の気を引こうとするたび、「ああ、いま俺は出場しているな」と思いました。
そして生物学の名言、「女性は存在、男性は現象」に出会ったとき、まさにその通りだと唸りました。
今回のまとめ
女性は審査員です。もし自分に妙なレッテルを貼ろうとしている男性、やたらとマウンティングしてくる上司、モラハラタイプの彼氏がいたら、ぜひ教えてあげてください。「出場者のくせに、なに審査してんの?」と。すこし胸が軽くなるかもしれません。
<尾池博士の所感>あの時のラブレター、最後の1文だけは今も覚えてます。
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